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iPS細胞で心臓機能回復、サル実験で初成功 信州大研究

2016年10月11日 16時46分40秒 | 世界のニュース

マニラの動物園で飼育されているマカクザル



信州大学などの研究チームがこのほど、1匹のサルの皮膚細胞から作製した幹細胞を用いて、病気のサル5匹の損傷した心臓の機能を回復させることに成功したとする研究論文を発表した。臓器再生医療を一歩前進させる成果だという。

 マカクザルを用いた今回の実験は、心臓発作の患者に移植するための新生細胞を確保する上で、広くカバーでき、且つ物議を醸さない供給源という条件をクリアすることを目的に掲げていると研究チームは論文に記している。論文は10日の英科学誌ネイチャー(Nature、電子版)に掲載された。

 この技術により、胚や移植を受ける患者自身から幹細胞を採取することが不要になる可能性がある。研究チームは、いわゆる人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使用した。

 iPS細胞技術が登場する以前は、多能性幹細胞をヒト胚から採取していたが、抽出過程で胚が破壊されることから、この方法は物議を醸してきた。

 胚性幹細胞(ES細胞)を用いた治療法は、重度の心臓発作の治療に効果があることが示されている。また、心臓などの臓器から直接採取できる成体幹細胞も、すでに心臓発作患者に実験的に使用されている。

 だが、研究チームによると、心臓機能の回復でiPS細胞が使用されたのは、今回の研究が世界で初めてだという。

 ヒトiPS細胞は、心臓機能回復のための細胞の有望な供給源と長年うたわれてきた。だが論文によると、患者自身の細胞からiPS細胞を作ることは「多大な時間、労力、費用を必要とする」とされ、また他人(ドナー)の細胞から作製した心臓細胞についても、移植を受ける患者(レシピエント)の免疫系から異物として拒絶される恐れがあるという。

 今回のサルを用いた実験で研究チームは、体の防御システムである免疫系が「侵入者」細胞を特定して反応するのを阻止するために、ドナーとレシピエントの両方で適合する、免疫細胞に含まれる分子を選択。弱い免疫抑制剤を投与して、12週にわたって経過を観察した。

 その結果、不規則な心拍(不整脈)の問題はみられたものの、移植した細胞による心臓機能の改善が観察された。注目すべきは、新たな細胞が拒絶反応を起こさなかったことだ。

 論文の共同執筆者で、信州大の柴祐司氏は、取材に「腫瘍の形成、不整脈、コストなど、まだ問題がいくつか残っている」としながらも、「数年以内」の臨床応用を目指したいと述べた。
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