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正恩氏の逆鱗に触れ、秘密警察取り潰しか 一員と言われるマレーシア国外退去の男性、帰国後の運命は

2017年03月06日 16時32分23秒 | 世界のニュース



 北朝鮮の金正男氏殺害事件を主導したとされる秘密警察、国家保衛省(旧国家安全保衛部)が取り潰し寸前との見方が浮上している。正男氏も絡んだ亡命政権の情報について伝達が遅れ、金正恩朝鮮労働党委員長の逆鱗に触れたというのだ。マレーシア当局により国外退去処分にされた北朝鮮国籍の男性もその一員とみられ、今後の動向に注目が集まっている。

 正男氏殺害事件にかかわったとして逮捕され、証拠不十分で国外退去処分となったリ・ジョンチョル氏(46)は4日、北京で報道陣の取材に応じた。

 マレーシア警察に「捏造(ねつぞう)された証拠」を示され自白を迫られたとし、「共和国(北朝鮮)の尊厳を傷つける謀略だ!」と語気を荒らげたが、韓国メディアでは、ほかのメンバーと同じく国家保衛省の関係者との見方も強い。

 国家保衛省とは、正恩氏の手足となって数々の粛正を繰り返し、2013年には正恩氏の義理の叔父で後見人ともされた張成沢(チャン・ソンテク)氏の処刑も実行した組織として知られる。だが、北朝鮮の内情に詳しい関西大の李英和(リ・ヨンファ)教授は「国家保衛省は取り潰しの憂き目にあうか、休眠状態に置かれることになるだろう」と分析する。

李氏によると、国家保衛省が正男氏殺害を主導した背景には、同省の致命的なミスがあった。正恩氏に代わる亡命政権構想の関係者が正男氏とコンタクトを取っているという情報について、同省とは別のルートから正恩氏の耳に入り、犯行を焦ったとみられている。

 同省のトップだった金元弘(キム・ウォンホン)氏が解任され、幹部らも高射砲で処刑されたと伝えられる。さらに省内の金正日(キム・ジョンイル)総書記の銅像が別の場所に移されたことは、正恩氏の憤怒の表れだともいわれている。

 今回の正男氏殺害を成功させたことで、国家保衛省は、正恩氏に「成果」を示した。それでも正恩氏の怒りは解けていないというのだ。

 粛清の実行役だった国家保衛省は北朝鮮の恐怖政治にはなくてはならない存在だが、今後その役割はどこが担うのか。前出の李氏は、一般警察にあたる人民保安省が担当することになるとみるが「慣れない職務を引き継ぐことで北朝鮮国内では人民への弾圧がさらに強まり、混乱が生じる可能性が高い」と危惧する。

 北京では感情が高ぶり、声を詰まらせる場面もあったリ氏。正恩氏への忠誠の表れか、それとも待ち受ける過酷な運命が頭をよぎったのか。

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