JNSA のPKIセミナーに参加して(2)、電子政府でも「ID」の意味を確認しよう
2010年07月15日
カテゴリー: 電子認証・署名
JNSA のPKIセミナーに参加して(1)、グローバル化の足を引っ張るのはやっぱり役所?の続きです。
●IDの議論は、「ID」の意味の確認から
電子政府でも国民IDの議論がありますが、略語である「ID(アイディー)」は、その時によって使われている意味が違うので、整理しておいた方が良いですね。今回は、主に「個人」を対象とした「ID」を考えてみたいと思います。
(1)識別子としてのID
英語だと、identifier
識別子は、人や物などを区別するための記号です。電子政府で言えば、住民票コードを国民IDと呼ぶ時の「ID」は、識別子のことです。
住民票コードは、名前の通り「住民票がある人に付与される11桁の番号」です。無作為に作成されており(数字に意味を持たせていない)、重複しない(同じ番号は存在しない)ことになっています。
インターネット上のサービスを利用する時に、IDとパスワードの入力が求められることがあります。この時の「ID」も識別子ですが、「アカウント」と呼ばれることもありますね。
(2)身分証明書としてのID
英語だと、identification card、identity card、ID card、identity document、a piece of identificationなどなど。
一般的には、個人が身分を証明する時に使用する文書を意味します。最近はカード形式の身分証明書が多いので、「IDカード」と言っても良いでしょう。
電子政府で言えば、住民基本台帳カード(住基カード)が身分証明書としてのIDです。
(3)本人を特定するための情報の総体としてのID
英語だと、identity
個人的には、この意味で使われるIDが、一番わかりづらいように思います。
例えば、「あなたは何者なのか?」と尋ねられたら、色んな答え方があります。
・氏名や国籍や住所や生年月日などを言う
・勤務先や所属先を言う
・性格や身体的特徴などを言う
どれも間違いではありません。
一人の人間だけでも、様々な側面があって、たくさんの情報が付随しています。
こうした個人を取り巻く様々な情報を全部ひっくるめて「ID」ということがあり、この時の「ID」が「identityとしてのID」となります。
「IDビジネスの現状と課題に関する調査研究」報告書(平成22年4月8日 総務省情報通信政策研究所)では、IDを次のように定義しています。
『IDとは、一般には、個体や利用者を識別するために用いられる符号のことであり、Identityの略である。本調査研究では、インターネット上のサービスを対象としているので、「インターネット上のシステムやサービスにおいて、その利用者を識別するもの」としてIDをとらえることとする。別の表現をすると、「ある状況で個人やグループ、組織・企業を特定する情報の総体」と定義することもできる。』
例えば、「利用者ID」と言った場合、識別子(identifier)としてのIDに加えて、その利用者に関する様々な情報(氏名、住所、職業など)も含まれます。
利用者登録が必要なインターネット上のサービスでは、サービスにログインして「利用者登録情報」や「アカウント情報」などのページが用意されています。この「利用者登録情報」や「アカウント情報」は、「identityとしてのID」と同じかそれに近いと言えます。
電子政府で言えば、住民票に記載されている個人の情報(実はたくさんあります)が「identityとしてのID」に近いでしょうか。
先述の「IDビジネスの現状と課題に関する調査研究報告書」では、IDの構成要素を次の3つとしています。
1.識別子:IDを識別する(アカウント名、メールアドレス、会員番号など)
2.クレデンシャル:ある情報内容の正当性を示す(パスワード、パスポートなど)
3.属性:IDを特徴付ける(氏名、住所、生年月日、所属など)
コンピュータが普及する以前は、「ID」と言えば「身分証明書(identification card)としてのID」だったと思います。
しかし、コンピュータ処理が当たり前になり、さらにはインターネットが普及したことで、まずは「識別子(identifier)としてのID」が重要になり、ビジネスやマーケティングの観点から「本人を特定するための情報の総体(identity)としてのID」が注目されるようになりました。
電子政府でも、現在「税と社会保障の共通番号」について検討しています。
コンピュータ処理の効果を高め、行政事務の効率化を進めるには「識別子(identifier)としてのID」が必要であり、共通番号は「識別子」として機能します。
しかし、行政サービスの向上を考えるのであれば、マーケティングの観点が必須なので、「本人を特定するための情報の総体(identity)としてのID」が必要になるでしょう。
つまり、「共通番号」という「識別子」が、どのような情報に結びついており、その情報をどのように活用できるかによって、具体的に提供できるサービスや効果も変わってくるということです。
●IDの議論は、「ID」の意味の確認から
電子政府でも国民IDの議論がありますが、略語である「ID(アイディー)」は、その時によって使われている意味が違うので、整理しておいた方が良いですね。今回は、主に「個人」を対象とした「ID」を考えてみたいと思います。
(1)識別子としてのID
英語だと、identifier
識別子は、人や物などを区別するための記号です。電子政府で言えば、住民票コードを国民IDと呼ぶ時の「ID」は、識別子のことです。
住民票コードは、名前の通り「住民票がある人に付与される11桁の番号」です。無作為に作成されており(数字に意味を持たせていない)、重複しない(同じ番号は存在しない)ことになっています。
インターネット上のサービスを利用する時に、IDとパスワードの入力が求められることがあります。この時の「ID」も識別子ですが、「アカウント」と呼ばれることもありますね。
(2)身分証明書としてのID
英語だと、identification card、identity card、ID card、identity document、a piece of identificationなどなど。
一般的には、個人が身分を証明する時に使用する文書を意味します。最近はカード形式の身分証明書が多いので、「IDカード」と言っても良いでしょう。
電子政府で言えば、住民基本台帳カード(住基カード)が身分証明書としてのIDです。
(3)本人を特定するための情報の総体としてのID
英語だと、identity
個人的には、この意味で使われるIDが、一番わかりづらいように思います。
例えば、「あなたは何者なのか?」と尋ねられたら、色んな答え方があります。
・氏名や国籍や住所や生年月日などを言う
・勤務先や所属先を言う
・性格や身体的特徴などを言う
どれも間違いではありません。
一人の人間だけでも、様々な側面があって、たくさんの情報が付随しています。
こうした個人を取り巻く様々な情報を全部ひっくるめて「ID」ということがあり、この時の「ID」が「identityとしてのID」となります。
「IDビジネスの現状と課題に関する調査研究」報告書(平成22年4月8日 総務省情報通信政策研究所)では、IDを次のように定義しています。
『IDとは、一般には、個体や利用者を識別するために用いられる符号のことであり、Identityの略である。本調査研究では、インターネット上のサービスを対象としているので、「インターネット上のシステムやサービスにおいて、その利用者を識別するもの」としてIDをとらえることとする。別の表現をすると、「ある状況で個人やグループ、組織・企業を特定する情報の総体」と定義することもできる。』
例えば、「利用者ID」と言った場合、識別子(identifier)としてのIDに加えて、その利用者に関する様々な情報(氏名、住所、職業など)も含まれます。
利用者登録が必要なインターネット上のサービスでは、サービスにログインして「利用者登録情報」や「アカウント情報」などのページが用意されています。この「利用者登録情報」や「アカウント情報」は、「identityとしてのID」と同じかそれに近いと言えます。
電子政府で言えば、住民票に記載されている個人の情報(実はたくさんあります)が「identityとしてのID」に近いでしょうか。
先述の「IDビジネスの現状と課題に関する調査研究報告書」では、IDの構成要素を次の3つとしています。
1.識別子:IDを識別する(アカウント名、メールアドレス、会員番号など)
2.クレデンシャル:ある情報内容の正当性を示す(パスワード、パスポートなど)
3.属性:IDを特徴付ける(氏名、住所、生年月日、所属など)
コンピュータが普及する以前は、「ID」と言えば「身分証明書(identification card)としてのID」だったと思います。
しかし、コンピュータ処理が当たり前になり、さらにはインターネットが普及したことで、まずは「識別子(identifier)としてのID」が重要になり、ビジネスやマーケティングの観点から「本人を特定するための情報の総体(identity)としてのID」が注目されるようになりました。
電子政府でも、現在「税と社会保障の共通番号」について検討しています。
コンピュータ処理の効果を高め、行政事務の効率化を進めるには「識別子(identifier)としてのID」が必要であり、共通番号は「識別子」として機能します。
しかし、行政サービスの向上を考えるのであれば、マーケティングの観点が必須なので、「本人を特定するための情報の総体(identity)としてのID」が必要になるでしょう。
つまり、「共通番号」という「識別子」が、どのような情報に結びついており、その情報をどのように活用できるかによって、具体的に提供できるサービスや効果も変わってくるということです。