to-boketaG の春夏秋冬

思いつくまま・・の記
土曜日に更新と決めています。
幸手市の権現堂公園にて  29.6.17

325-290422吉原君が遭難死した60年前の現場をたどる

2017年04月22日 | 山登り

  今回触れる滑落遭難事故のあった横川駅手前から眺める裏妙義山塊。

 

60年前希望に胸を膨らませて県立高崎高等学校に入学したわ

われ昭和16,17年生まれの男子350名余。入学式が終わり

学校が始まると周りの生徒がみんな出来の良い奴に見えるとい

カルチャーショックを受けた。遥か後年に同期会で知ったとだ

が、程度の差はあっても同期のほとんどがそんな気持ちになって

いたようだ

まだまだ新しい学校の雰囲気になじめない昭和32年4月21日

にその山岳事故が起こった。私はそのことを最近まで全く知

らなかった。

岳部に入部した吉原君が新人歓迎登山で横川駅のすぐ南にそび

える裏妙の急峻な尾根道を歩いていてルートから外れて滑落死

した。無限の可能性を持った坊主頭15才の高校1年生が入学

式後2週間余亡くなってしまったのだ。

この事故を知る機会が1月にあった。詳細は同校山岳部のネット

記事で知った。山岳部顧問のT先生の発案で滑落現場近くの岩壁

の慰霊のレリーフが事故後まもなく設置された。その場

所が時間の経過につれて不明になってしまったらしい。場所の

岳部後輩や当時の同輩が挑んだが見つからないまま更に歳

月がしてしまった。

3年前に改めて調査してようやくその場所が特定できた。その詳

細な事を目にした。下のURLでご覧ください。

https://blogs.yahoo.co.jp/joe310728/12701517.html

ここに詳細な地図が載っていた。この捜索隊に同行したT君とは

60年間付き合いはないが同期だ。突然の電話にも拘わらず遭難

前後の状況を詳しく説明してくれた。 

4月16日、慰霊登山は事故発生の21日に予定し、その事前調

査のつもりだった。山岳部のブログに掲載されたルート図とス

ホのGPS機能を使用して現在位置を確認しながら歩き始めると

調も良かったのかレリーフ近くまで登ってしまった。以下その

明です。

地点A  苔むした石の鳥居と奥に神社のお社。

地点B  神社の壁面は最近新しい板で修理されていた。

地点C  お社に頭を下げ、暫く道なりに進むと立派な林道に出る。

この道を横切って緩やかな斜面を登っていく。T君から目印の赤い

テープをたどればいいと聞いていたのだが、地積測量用のテープが

ちこちにあって非常に紛らわしい。できるだけ古そうなのを見つ

ては進んでいく。もはやはっきりとした道はない。枝打ちされた

スギの枝が地上を覆っている。

地点D  大岩があるとあったので、大きな岩塊があると確認す

る。手を広げた大きさを大岩とするか疑問が残る。幅が10mほ

どののとなるとまず間違いなかろう。スマホのGPS機能で位置

確認。山岳部記事のルートとほぼ一致。

地点E  記事ではルートはそこから北西方面に伸びている。スギ

やヒノキの人工林の中を進む。明瞭な道はない。こんな藪山が好き

で歩き慣れているので心細いこともない。そして二つの古い石碑を

見つける。一つには安政?年と刻まれている。一つは御嶽云々とあ

る。山岳部地図より100mほど西に寄っている感じ。林業関係者

以外は来る人もない場所に150年を越えて鎮座している。

地点F  二つ岩と案内図にある場所までは、少し急な斜面に変化

し、人工林ではなくなってきた。名も知らぬ樹々の中を適当に見当

をつけながら登っていく。半月後ならば新緑に輝く気持ち良い林だ

ろう。明らかに大きな二つの岩が見えた。

地点G  雑木中心に斜面は斜度を増す。直登はきついのでトラ

ース気味に高度を上げる。そして出たところは幅30m、深さ

10mほどのれ沢の縁だった。3年前の捜索隊のものとも思え

目印を見つける

地点H  岩石ごろごろの枯れ沢を注意して対岸に登りあげると、

そこは比較的平坦な林の中だった。林の中を進むと時間の経過を

感じさせる赤テープが目に入る。ここから始まる急な尾根を登れ

ということか? どこまで登れるか。単独行でこの急な尾根を登

るべきかしばし考える。50mほど上部に巨木が見える。そこま

でなら何とかかなりそうだ。木の根や岩角を頼りに3点確保の態

勢を取って高度を上げる。

地点I   20分ほどの格闘で巨木の根元に到着する。写真ではは

りしないが巨木の右側に古い赤テープで明らかなマーキングが

た。見上げたところ、ここより上部や左右は単独では危険と判

断して今日はここまでとする。

スマホを取り出して位置確認する。稜線に突き上げる岩壁の基部に

いるようだ。レリーフの場所はここから右手岩を回り込んだあた

りに見える岩壁のどこかに60年間訪れる人もなく置かれているこ

とは間違いなさそうだ。この上部の尾根から吉原君は滑落したの

だ。

急斜面に生える巨木に身を預け安全確保しながら吉原君の霊にし

ばし頭を下げる。振り返ると横川の街並みが眼下に広がっている。

たまたま日曜日だったので特別運行の客車を後ろ向きで牽引する

SLデコイチが高崎方面に独特の汽笛を鳴らして進むのが良く

た。

巨木のある急な尾根は持参の8mm、35mのザイルをしっかり

した木の根元に回して懸垂下降の要領で降りた。安全だし下降に

する時間が短縮できる。途中まで往路を戻ったが途中からK,L

の林道経由で車まで戻た。休憩も入れて3時間強の藪山歩きだ

った

吉原君とは一面識もない。卒業していないのでアルバムにもその

姿はない。なにせ入学2週間後の出来事だ。クラ違ったし、

部活も別。でも楽しかるべき高校生活がたったの2週間で終わっ

てしまった同期の少年の存在を知ってしまった以上、藪山歩きの

好きなGは何もしないわけにはいかなかった

 

 

 

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