幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「死海のほとり」遠藤周作著 ”イエスの最後の足取りと弟子たちの裏切りを辿る”

2018-02-04 10:21:28 | 本の紹介
主人公大津(遠藤周作)がイスラエルで聖書学を学んでいる戸田(モデルが井上洋治神父)を訪ねます。

イエス・キリストが「なぜ殺されるとわかっていたのに、エルサレムに行ったのか」をその地方を訪ねている記録と、イエス・キリストが聖書からの軌跡を同時並行で書かれています。
そこに記述されているイエス・キリストは奇跡を起こすイエスではなく、何もできないが、その弱者の傍らにいて一緒に涙するイエスでした。

弟子たちは、イエスがローマに対抗し、もう一度ユダの国を復興してくれる人と思い描いていました。なので、その時は自分を高い地位にして欲しいなどと思っていました。

イエスが捕らえられ、ゴルゴダの丘で磔の刑で処刑されるのですが、その時、弟子と名乗り出ると捕らえられのを恐れ否定します。イエスが磔の十字の木をあえぎあえぎ担いでいるのを手助けすることもしません。

否定した弟子たちは、イエスが亡くなったことで初めてイエスの言っていたことを理解して伝道の活動を始めたのでした。

モデルになった井上洋治神父とは、1950年日本からフランスに行く船で偶然知り合いました。

解説を井上洋治神父が書かれています。
・「死海のほとり」は7年前の「沈黙」とともに遠藤氏の作品のうちでも重要な位置を占めている。
・「死海のほとり」は「永遠の同伴者」としてイエス像の呈示
・「父性原理」(自分のいうことをきく者には十分ないたわりと報いをあたえ、いうことをきかない者には厳しい裁きと罰をくわえる。父性の原理とは、善人と悪人、優秀な人間と駄目人間とを厳しく分断する原理であるといえる。
・「母性原理」とは、いうことをきく者もきかない者も、ひとしくその膝の上にだきあげる原理であり、その意味では、母性の原理とは、罪人をも駄目人間をも包みこみ、受け容れる原理であるといえよう。
・遠藤氏「断っておくが基督教は白鳥が誤解したように父の宗教だけではない。基督教のなかにはまた母の宗教もふくまれているのである。

bp-uccj.jp/publications/150719/井上洋治 (いのうえ ようじ)

1927年、神奈川県に生まれる。東京大学文学部哲学科を卒業。1950年、フランスに渡る船内で遠藤周作と出会い、以来盟友となる。フランスではカルメル会修道会に入会、修道のかたわらリヨン、リールの各大学で学ぶ。1957年カルメル会を退会し、帰国、1960年、司祭となる。1986年より「風の家」を創める。2014年3月8日逝去。

感想
基督教の愛、イエスを同伴者などを考える本でした。

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