お気楽な一日

お散歩・ソーイング・映画をこよなく愛す人のブログ

映画「ぼくの大切なともだち」

2009-06-23 21:43:13 | 映画
観てよかった。出会えてよかった作品。

ここのところフランス映画ばかり観てますが、
フランス映画がどんなものかなんて、そんなものはわかっちゃいませんが、
よいものはよい。好きなものは好き。

「夜中の3時に電話できる友達はいますか?」

美術商人の嫌われ者の中年男フランソワが、
知り合いに「お前には友人なんていない」
と指摘され、
「そんなことがあるものか!」
と、10日以内に親友を連れてくるという賭けをする。

が、しかし、昔から嫌なヤツだった彼に、
「親友」と言ってくれる人はいなくて…。

偶然知り合った、陽気なタクシー運転手のこれまた中年男のブリュレに、
なんとか君のように感じよくなるにはどうしたらいいか、と、
レッスンをお願いするんだけど…。



フランソワはブリュレに言われた通り、感じよく見知らぬ人に話しかけたりするんだけど、
まったくこの点は不器用で滑稽で、本来のコメディ感は外してません。

そしてこのブリュレの優しいけど芯を突いたひとことひとことが、
心に深く残るのです。

「真の友情は見返りを求めない」

「感じよさ 笑顔 誠実」

次第にこの二人が友情を育んでいくのだけど、
心根のよいブリュレをもお金で考えるフランソワに、
彼はとうとう傷付いて仲たがいしてしまうのです。

怒るのではなく、傷付く、というのがひしひし伝わる。
ほんとにブリュレは純でいい人なんだなあ。

そして、
それまで打算やお金、駆け引きでしか、周囲を見れなかったフランソワが、
ブリュレを心から思いやる終盤が、ほんとに泣ける!

ラストの二人の何気ない掛け合いは、
やなヤツだったフランソワの改まった人間性が映し出されていて、
ほんと、最後までよく出来ている作品でした。


観終わって

いやはや、感動。
したにもかかわらず、
「あの場面には感動したね~最後のプレゼントも粋な計らいだったよね~」
と、一緒に観たMちゃんに言われて、
「???」
なワタクシ…。
「…そこがわかってなくて、どこで感動したの…」
困惑するMちゃん。

へへへ…(苦笑)

タクシーの運ちゃんブリュレの人間性に感動してたのですよ~!

運転手という職業だからではなく、
気さくで誰とでも仲良くなれる彼だから、
お客さんを楽しませることも出来る。
こうやって、垣根のない人は素敵だなあ、と思いました。
彼の両親も優しくて暖かくて、
そこがクローズアップされるわけではないのに、
納得させられる演出には圧巻です。
彼の人間性が即席的なものでなく、ちゃんと伝わってくるのです。

と、いう訳で、
わたしが見逃してしまった部分を差し引いても、
素敵で粋で笑って涙する作品でありました。

今まで「ペーパームーン」がベストだったけど、
何年かぶりに入れ替わり~!


わたしは夜中に電話できる友達っているかなあ。






映画*モンテーニュ通りのカフェ&CCP終幕~

2009-06-15 22:57:07 | 映画
面白かった!
特に主演のセシル・ドゥ・フランス演じるジェシカが、
キュートでコケティッシュで、魅力的。
かつてのヌーベルバーグのミューズと言われたジーン・セバーグを彷彿とさせました。
って全然系統は違うんですがッ。

で、この作品も女性監督だった!ダニエル・トンプソン。
これがはじめて観る作品です。
2007年セザール賞助演女優賞受賞にカトリーヌ役のヴァレリー・ルメルシェが選ばれ、
他3部門ノミネートされたそうです。

実際、パリ8区、モンテーニュ通りに実在するカフェが舞台。
そこに田舎からやって来たジェシカが雇われて、映画女優に憧れるテレビ女優や、
人気ピアニスト、アート収集に人生をささげた父親とその息子、
の三角関係など、悩みを抱えてるこの三種三様の人間模様が、
カフェを中心に繰り広げられる。

そして劇場の管理人クローディが口ずさむシャンソン、ジルベール・ベコー。
この彼らの運命の舞台が17日に開かれて…というわけです。

この登場人物たちの心にジェシカがそっと入り込んで物語が展開していくんですが、
それが大袈裟じゃなくて、自然で、こういう人間関係を築ける彼女の天性の資質なんだろうな、と思うのですよ。
彼女の屈託ない笑顔に救われるというか、癒される。

根底には人生哲学といったおもたっくるしいテーマがあるのだけど、そんなの分からなくても楽しめた。
わかればもっと違った楽しみ方がありのだろうけど、
全体的に人生賛歌のイメージで、多分、人が些細なことで悩んで、
それが克服できた時、悩みが解決した時、願いが叶った時、
全然奇跡でもなんでもないのだけど、実際、小さい悩みでも、
努力の末叶うことって、奇跡よりも素晴らしく価値があるのではないかな、
と思わされました。

「人生には一歩踏み出す勇気が必要」

というようなニュアンスだったとおもうのだけど、
そのラストの言葉が説教臭くなく、すんなり身に染みる映画でした。


************


チャレンジカップ終わりました~。

まあ、予想通りの下から何ぼ、の結果でしたが、
ほとんどの人に作者当てされておりました(苦笑)

作品は今までで一番最短で書いた&題名はそれ以上にやっつけッ。
「ドレミファ歌おう」って、なによ??
そして、やめればよいのに挑んだ作者当てレスはほぼ外し、
いやはや、もう、笑ってごまかせッ。

という感じでしたッ!




映画「幻影師アイゼンハイム」

2009-04-26 12:13:21 | 映画
毎回職場で映画の券をもらうと誘ってくれるJちゃんと、

金曜に観に行って来ました。

公開落ちした作品なので、通常も料金は安いのですが、

まあ、週で作品が入れ代わってしまうので観たいものが観れない、

というリスクもあります。

で、今回観たのは「幻影師アイゼンハイム」というキューバとアメリカの合作。

まったく予備知識なかったんですが、クチコミで広まり、

かなり評判になったそうです。

で、

すごい面白かった!!

いやはや、なんだかトクした感じで嬉しい。

  ***


「19世紀末ウィーン。

 ハプスブルク帝国末期の芸術文化の都では、

 イリュージョンが一世を風靡していた。

 なかでも絶大な人気を誇っていたのは、アイゼンハイムという名の幻影師。

 ある日、彼は舞台の上で幼なじみのソフィと再会する。

 今では、皇太子の婚約者として注目を集める彼女は、

 その後ほどなく皇太子邸で謎の死を遂げてしまう。

 謀殺の噂も沸き立つ一大スキャンダルの最中、

 アイゼンハイムはソフィの幻影を蘇らせる

 前代未聞のイリュージョンを発表する」

 ***

なんだか最初から引き込まれてしまいました。

アイゼンハイムはすごい奇術師で、

やなヤツ皇太子から婚約者で幼馴染のソフィと逃げようとするんだけど、

それが原因で皇太子お付きの警部からショーそのものを監視されて、

ペテンとか言われてしまうのでありました。

で、結局ソフィは殺害されてしまって、悲しむアイゼンハイム。

で、

ここからアイゼンハイムの観客をも巻き込む大イリュージョンが、

始まるのでありました~。

最後の数分が圧巻です。

まったく予想していなかった。


冒頭のエピソードがアイゼンハイムとソフィの関係、

奇術師そのものの彼の人生においても伏線になってると思うんだけど、

これが作品全体のキーワードになってるんだよね。

まだ幼かった二人が、大人たちに引き裂かれる時、

マジック初心者のアイゼンハイムに、

「二人一緒に消して」

とソフィは願うんだけど、まあ、そんなことが彼に出来るわけがなく、

捕まってしまうのです。

そもそもこれに騙された!

表面上は、ラブサスペンスミステリーですが、

どんでん返しが面白かった。

世の中、科学で証明できないことはない、と思うのはちょっと夢がないですが、

う~ん、それが現実なのでせうか。

と、いうわけで、今回もまんまと騙された一作でありました。

映画「裏アメリ」

2009-03-14 10:10:20 | 映画
たま~にこういう映画あるんだよね。

オドレイ・トトウの「アメリ」があまりにも面白くて、

ある意味強烈なキャラクタを演じて印象付けてしまった彼女が、

どう巻き返すのか、というのにも興味があって、というのが、

次回作の「愛してる愛してない」を観たかった動機でもあります。

だからストーリー的にそんなに期待してた訳でもなく、

「ああ、ちょっと暗めの恋愛ものか」

なんて軽く考えてました、が。

そう、たまにあるんです。この作品は「アメリ」も引っ張って話題性はあったけ

ど、

何気なく見つけて観た映画が、

すごい凝った構成、あるいはストーリーで、

「ああ、なんか分かんないけどいい物観ちゃった」

という爽快感。

未公開でビデオでしか観られない作品とかに結構あるんだよね。

昔観た「ザ・ビート」という青春映画もそんな作品でした。

話がそれた。



『主人公の大学生アンジェリクは心臓医師のロイックと不倫中。

彼は自分を愛してくれていて、離婚するのも時間の問題。』

ベタな恋愛映画を想像して、

しょっぱなから可愛いオドレイが自転車をこぐシーンとか、

もう「アメリ」を引きずること数分…。

サスペンスラブストーリーだったのか~。

そうなんのです。

これは、「アメリ」を逆手に取った彼女の脱皮作ではないでせうか。

空想好きの夢見る乙女「アメリ」

ちょっとした心遣いでみんなを幸せに導いて、

自らも好きな彼にちょこちょこちょっかいを出して、

まあ、最後はハッピーエンド。

これはうまく行ったから、みんなも幸せな気分になれるんだよね~。

わたしも好きです。ちょっと現実離れしてるとことか、

そういう感覚を求めているというところもありますし。

ただ、裏を返せばお節介になりうる。

これ、うまくいってるからいいけど、

いかなかったら関係者にしてみれば余計なお世話になるじゃん。

その、

ストーカーぶりを発揮したのが、アメリのコインの裏側、

アンジェリクなのであります。

こっちの方がある意味現実的。

彼女の思考はもちろん一般人には受け入れがたいですが、

よっぽど現実的なキャラクターではないのかな。

まあ、ストーリー展開はありがちなんだけど、

構成が巧みで、

うま~く騙された(笑)

恋愛の顔をしたスリラー映画です。

主人公が可愛いがゆえ、そのサイコ的な部分がぞっとする。

なによりこれは、オドレイ・トトウならではだからだと思います。

そういう意味でうまくイメチェンしたよな~と思うのだ。

アメリの部分を醸し出しつつ、

映画の中でまったく別人なのだということを、

観ている観客に突きつけるというか、

うまいです。

まあ、前作を観て、を前提にの感想なんだけど、

まったくアメリなんか知らん、

という人も純粋に楽しめるサスペンスだと思います。

コワいです。

恋愛の歯車が狂い始め、

じょじょに彼女が壊れて暴走していく後半の構成、トリックは、

まったく想像していなかった展開。

面白かった。

映像や色彩もとても素敵です。

それゆえ、なんか不気味さが際立ちました。



似たような恋愛サスペンスでは、

ブリジット・フォンダの「ルームメイト」なんかも面白かった。

映画「エレジー」

2009-02-12 20:28:46 | 映画
原作は、フィリップ・ロス著の「ダイング・アニマル」

今読んでるのですが、

まだ最初の方なので映画とどれくらい開きがあるのか楽しみ。

映画はよかった。

最近女性の監督映画ばかり観ている気がするのですが、

いえ、意識してないんだけど、

あ、観てます。

このイサベル・コイシェという監督は、

「死ぬまでにしたい10のこと」「あなたになら言える秘密のこと」

の監督なんだね~。

二つとも観たくて観てない作品だ!観なくちゃ。


  結婚を失敗だとし、

  恋に渡り歩いてきた大学教授デイヴィット(ベン・キングズレー)は、

  30も年下の教え子コンスエラ(ペネロペ・クルス)に、

  心を奪われ男女の関係になる。

  しかし相手の若さゆえに、彼は自らの老いを強烈に意識するようになる。

  やがて2人は些細なことで別れるが、8年後にある事情で再会。

  人に正面からぶつかることを避けてきたために孤独だった男が、

  ひとりの女性に出会い、愛することで人生が変化していく感動の人間ドラマ。


大人の世界なんてわかっちゃいませんが、

大人の恋愛ドラマでした。良かった。

前回のブロークンも良かったけど、

こっちは本格的な大人のドラマでし。

せこくなく、めんどくさくなく、

しかし、最後は愛が心を開いていくというか、

恋愛映画でありながら、人間ドラマが軸にあるような気がします。

原作がまだ読めていないのであれなんですが、

デイヴィットは結婚に失敗して、

人間と向き合うのが怖くなったんでしょうか。

一人の女と心からぶつかり合うのが怖くて、

たくさんの女性と付き合っては深入りせず、

また次へ、と渡り歩いていく訳です。

それが、コンスエラという女性と出合って、

今まで知らなかった、嫉妬や束縛心を知り、

自分の老い、年齢差を気にし、

彼女の周囲の目を気にし、

最後は彼女の気持ちに応えられず、逃げてしまい、

別れてしまうのです。

コンスエラはただ彼に側にいて欲しかっただけなのにね。

結局のところ、デイヴィットは彼女より自分の行き方を選んだんだよね。

だから、ラストはあんな終わり方にして欲しくなかったというのが感想。

まあ、ハッピーエンドは好きですが。

自分で言うのもあれですが、

観たいと思って観た映画にあましハズレはないので、

今回も良かった。

来月はウィル・スミスと、アンジーと、ジム・キャリーのが観たい。

映画と七草粥

2009-01-08 17:31:06 | 映画
告知があってからずっと観たかった

「ブロークン・イングリッシュ」を観てきました。



夏に「セックス&ザ・シティ」でコケたんで、

もうこっちの映画は予告見ただけで絶対いけると直感がありましたが…。

いや~、良かった。

まず何がいいって、主役のノラを演じる、パーカー・ポージーと、

その相手のジュリアンを演じるメルヴィル・プポー。


結婚したいけどいつも恋愛がうまくいかなくて、

もう誰からも愛されないかもしれない!

と不安になる30代のノラが主人公。

すごい美人でもなく、はじめはほんとにジミだなあと思っていたのが、

話が進むに連れて、だんだん魅力が開花されていくのです。

好きになった男が実は恋人持ちだと知って、

「もう恋愛なんてしない、うちに帰る」

と友人宅で落ち込んで帰ってしまうところや、

酔っ払った演技や、

恋人を探しにフランスまでいって見つからなくて、

髪にタオル巻いてベッドでヘタレこんでる姿とか、

いやまあ、ほんとにチャーミング。

なんていうか、うーん、言葉ではうまく言えないんだけど、

意地張ってなくて、不安だらけだけど(実際不安症を抱えてる)

ほどほどに前向き。ようするに、

うっとうしくないんです。

ハハハ。共感できるか出来ないかって、重要だからね。

なんにせよ、言葉ではなく自然に観てる人に

そういう感情を抱かせるように仕向けないと、

逆にメッセージから遠ざかるというか。

ここがわたしが一番気に入った点です。

この女優さんがキャストでよかった。

押し付けがましくないがんばりようが、

逆にすんなり心に染み入りました。

恋愛映画でありながら、ヒューマンっぽいところも良かった。


ほんとはミニシアター向きなんだろうけど、

平日の夕方にもかかわらず、

ああ、わたしと同年代くらいの女性の方々がいっぱい!

かろうじて最終列の11番をとることが出来たのが良かった。

軽くお茶とお菓子をかじっていると、隣の席の人が来て、

「あの~、席間違ってますよ、こっちが11です…」

だって(苦笑)

ハハハ。すいません、といそいそと席移動。

そして、観終わった後、

荷物を持って階段を降りかけるわたしのコートをひっぱり、

「あの~、ペットボトル忘れてますよ」

とさきほどの隣の席の人はゆうたのだった。

隣人で始まり、隣人で終わった「ブロークン・イングリッシュ」でした。


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「春の七草」

一月七日は春の七草。

で、七草粥を作りました。





セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ


  

  ホトケノザ            ゴギョウ     

  

   スズシロ             スズナ
  

ずるしちゃってごはんから炊いちゃったんだけど、

まあ、おいしく出来ました。

アク抜きが不十分だったのか、ちょっと味が青っぽかった(苦笑)

まあ、季節を感じて生きてきたいですな。