さんぽ道から

散歩中の雑感・モノローグを書いてみました

変わり者・・・

2018-01-07 10:27:11 | 抜き書き


<「トレントという男は、輝かしい才能を持つ人間にありがちなあらゆる問題を背負わされていたと言えるだろう。彼は対話をしない。説き聞かせる。普通の成人はそういうことを愉快に思わないものだ。彼は問題を解決するのが大好きで、熱狂的に取り組む。それはそれですばらしいことだが、いったん問題の解答を見出すや、一分一秒でも早く実行しなければ気がすまない。きみの職場のような官僚社会に対しては、非常に手厳しいところがあった。ちょっとでも気になるところがあれば、舌鋒鋭く批判する。そういう具合だから、なかなか友人は得られない」>ジャン・バーク渋谷比佐子訳「汚れた翼」下184頁より

これは警察委員会の同僚が、殺されたトレントの人となりを刑事に説明しているところの一節です。


ここの人物描写で思い浮かんだのは、スティーブ・ジョブズと 青色発光ダイオードの中村修二さんと バック・ツゥ・ザ・フューチャーのドク・ブラウンでした。特にジョブスさんです。

問題に 広く果敢に挑戦する、解答が見え始めると 組織に脇目もくれず まっしぐらに答えに突き進んでゆく、こういう人間はときどき見かけますが、成功すれば 神様扱いだが、成功をみないと 変質者扱いで 見下されます。ジョブズさんですら一時 会社から追い出されました。

大組織の中で働いていると ‘変わり者’は 上司に理解者(ただ信念をもった理解者じゃないと 更に上の上司にやり込められると 簡単に‘変わり者’の支援をやめてしまう方が多い ← これ経験していますよね)がいないと 務まらない者たちです。欧米と比べると 日本での ‘変わり者’ の生存率は低いでしょう。

発展途上国に、中韓台湾に、 安い労働力から 最後は先端産業を持って行かれた 日本としては、これからの産業・企業の発展の鍵は、ものや考え方を 創り出す 変わり者の 組織内での生存率を上げることにも あるような気がします。

一時 ゆとり教育で創造性豊かな若者を育てようとしたことがありましたが、創造力豊かで情熱的 妥協を許さない者(結構周りにおられますよね)は どんな教育環境でも出るもの のような気がするので、 働く諸環境問題で 解決も可能なのでは?

また 好きこそ物の上手なれ… 好きなことを見つけるお手伝い教育が 成績も A の数の問題ではなく A が一つでも A の深度で A の数と同等の成績とする教育が 必要なのでしょう   と思った 一節でした…
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