六本木や麻布界隈は坂の多い場所です。鳥居坂は六本木・麻布周辺に在る坂の一つで、都営大江戸線麻布十番駅から六本木寄りに少し歩いたところに在ります。大江戸線が走るラインが谷筋にあたり、そのラインを底にして、南北に坂が伸びます。北側に伸びるのが今回紹介する鳥居坂です。
鳥居坂の名前の由来は、江戸時代に「鳥居」という大名の屋敷が在ったことに因むというのが一般的に言われている説です。人の名前が付いているという点では、市谷の左内坂や御茶ノ水の淡路坂に似ています。
鳥居坂は、鬼平犯科帳（五）「おしゃべり源八」（池波正太郎著、文藝春秋）の中で、火付盗賊改方の同心・木村忠吾の叔父・中山茂兵衛の屋敷が鳥居坂に在るという設定で登場しています。また、鬼平犯科帳（十九）「霧の朝」の中では、岡っ引きの政七の下っ引きである桶屋の富蔵が鳥居坂で手配中の殺人強盗犯・蜂須賀の為五郎を捕まえますが、それが元で恨みをかけられます。
鳥居坂下 東京都港区六本木5-11-25
都営大江戸線麻布十番駅から約150m 徒歩約2分
