自然を体験する旅

エコツーリズム・プロデューサーの壱岐健一郎がお届けする旅に関するスローなブログ

台風からの逃亡者

2004-10-22 15:38:17 | 

ようやく秋晴れの天気になった。台風23号は大きな傷跡を日本列島に残して逃げ去った。
先週の今日、WWF世界自然保護基金ジャパンのサンゴ礁保護研究センター(しらほサンゴ村)
を訪ねた時、すぐ前の浜辺にはリーフを乗り越えて小さな波が押し寄せていた。
遠くリーフの外を臨めば、大きなうねりと白い波しぶきが見えた。
これが憎い台風の侵攻の前兆だった。
結局、この後の日程を可能な限りこなし、東京、大阪それぞれの参加者を臨時便に乗り継いで、
帰還できたのは幸運だった。
もし、あれに乗れなかったら、多分、今日まで現地で立ち往生だったろう。
天気情報を睨みながらの台風からの逃亡者気分、添乗員の辛いところはこんな時かも。
まして企画のプロデュース全体を請け負っていると、安全、満足、そして採算と、
全ての責任が乗っかってくる。
今は「お蔭様で・・・」という言葉が自然に出てくるほっとした気分の昼下がりです。


クリーンエネルギーの町 葛巻

2004-10-13 10:10:57 | 環境

「北緯40度、ミルクとワインとクリーンエネルギーの町」がキャッチフレーズらしい。
自らをトップセールスマンと語る中村哲雄町長は爽やかに熱弁を振るっていた。
トップがそうなら役場のスタッフも似ている。自信に満ちた、それでいて高飛車ではない
真摯な姿勢に好感がもてた。
袖山高原風力発電所、上外川高原風力発電所、バイオガスシステム(くずまき高原牧場)、
葛巻中学校太陽光発電設備、加えて葛巻林業ペレット工場等々、ご自慢の施設を一巡。
上外川の風車1基あたりの発電出力は1750KW、12基全部での年間予想発電量が5400万Kwhは、
約16000世帯分の電力消費量に相当するとのこと。また、標高が1000mを超える上外川高原は
眺望もすばらしく観光資源としてもイケル。撮影時はあいにく曇っていたが、青い空、
白い雲、白い風車、緑の牧草地、深緑の森の風景を想像すれば見えてくるかも。

100%エネルギーを自給する町

2004-10-12 06:40:22 | 環境
先月末、岩手県葛巻町に行ってきた。NPO法人元気ネットの第3回全国大会とエコツアー運営のためだった。ドイツの環境政策や市民の意識にある種のカルチャーショックを受けた直後だったが、自国でまたまたショックを受けた。しかし、このショックは日本も「捨てたもんじゃない・・・」という希望を与えてくれるものだった。

人口9000人の町は牛の数の方が多く、酪農の町。
東北新幹線の盛岡駅より北、隣町のいわて沼宮内駅から車で30分。どこにでもある日本の田舎だった。ところが普通の田舎ではないから今回の全国大会がここで開催されたわけだ。国内はもとより海外からも視察団が押しかけているらしい。

この町はエネルギーを自前で調達する循環型社会の未来型都市のモデルだった。風力、水力、ソーラー、バイオマス、今回のエコツアーでは自然エネルギーの再生過程を視察体験することができた。

写真は牛の糞尿からメタンガスを抽出し貯蔵するタンク。

ライン川流域エコツアー日記(6)

2004-10-04 09:11:43 | ドイツ

フライブルク市民が誇るエコステイションは緑に包まれた居心地のいいところだった。
責任者の一人、ラフフさんは大勢の視察者が訪問する中、我々のためにセミナーと
野外の施設を親切に案内してくれた。
以前このブログで紹介したNZの個人住宅と同じように屋根上は草に覆われていた。
但し、こちらの場合は規模が大きいし、周りの人工物とのマッチングを計算したもののような気がした。