11月4日のNHK「クローズアップ現代」に出演した小沢環境大臣は、10年度からの地球環境税の導入に意欲を示しましたが、地球環境税導入の議論の前に、民主党のマニフェストでもうわたれたキャップ・アンドトレード方式の排出量取引制度の設計をしっかりすることが必要です。
排出量取引制度に関しては、従来その経済的効果を主張する論調とともに、21世紀政策研究所の澤研究主幹のような慎重論(こちらを参照ください)も展開されてきています。ただ、従来の賛成論、反対論はいずれも“袋小路”に入っている感があり、それらをアウフヘーベンした観点から排出量取引制度の積極的導入論を展開する必要があります。そのような観点から、以下のように提言したいと思います。
1 2007年IPCC第4次報告で明らかにされたように、地球温暖化が温室効果ガス排出の結果であることからすると、これまで無料と考えられてきた温室効果ガスの排出を改めて、有料化しないと温暖化は止まらない。
2 重要なことは価格メカニズムを働かせるということ。その際、排出量取引制度はより効果が高い環境対策に取り組むインセンティブを企業に与え、技術進歩を促進する効果を有する点で炭素税より優れている。炭素税は、本来世界的に導入されるべきだが、現状においてすべての国のコンセンサスをとることは難しい(オバマ政権もガソリン等への課税への言及は避けている)。
3 特に途上国での炭素税の導入について合意を取りつけることは難しく、そのような状況下での先進国だけの炭素税の導入は、仮にすべての先進国が炭素税の導入に合意したとしても、先進国企業の途上国への海外移転、海外逃避を招くこととなり、地球全体としてのCO2排出削減をもたらさない。また、国民国家を主体とする国際政治のスキームの下では、世界的な炭素税の導入スキームを構築することは制度的にも不可能である。
4 そもそも炭素税は排出量取引制度では対処できない部分に関して補完的に導入を検討するという性格のもの。国内的には、高率の炭素税について実際に負担することになる国民的合意がとりにくい。また、最適な税率の決定は至難の業である。これに比して排出量取引制度は、省エネ・創エネのインセンティブを企業・国に与えるという大きな利点がある。すなわち、安く省エネ・創エネできる企業・国がそれを行い、できない企業・国は排出量を購入するという合理的な対応を可能にする。
5 国内排出量取引の制度設計に当たっては、EUや米国において検討がなされているように、国際競争力上配慮が必要な産業に対しては、排出枠を無償で付与するグランドファザリング方式をとること等により配慮をするとともに、制度の習熟度に応じてオークション方式の割合を段階的に拡大する。
6 また、排出枠の一定割合を正社員と扶養家族の人数に比例して配分する等の工夫を行い、参加企業に対して排出量削減とともに、正規雇用の拡大、出産・子育て支援等のインセンティブを与える。
排出量取引制度に関しては、従来その経済的効果を主張する論調とともに、21世紀政策研究所の澤研究主幹のような慎重論(こちらを参照ください)も展開されてきています。ただ、従来の賛成論、反対論はいずれも“袋小路”に入っている感があり、それらをアウフヘーベンした観点から排出量取引制度の積極的導入論を展開する必要があります。そのような観点から、以下のように提言したいと思います。
1 2007年IPCC第4次報告で明らかにされたように、地球温暖化が温室効果ガス排出の結果であることからすると、これまで無料と考えられてきた温室効果ガスの排出を改めて、有料化しないと温暖化は止まらない。
2 重要なことは価格メカニズムを働かせるということ。その際、排出量取引制度はより効果が高い環境対策に取り組むインセンティブを企業に与え、技術進歩を促進する効果を有する点で炭素税より優れている。炭素税は、本来世界的に導入されるべきだが、現状においてすべての国のコンセンサスをとることは難しい(オバマ政権もガソリン等への課税への言及は避けている)。
3 特に途上国での炭素税の導入について合意を取りつけることは難しく、そのような状況下での先進国だけの炭素税の導入は、仮にすべての先進国が炭素税の導入に合意したとしても、先進国企業の途上国への海外移転、海外逃避を招くこととなり、地球全体としてのCO2排出削減をもたらさない。また、国民国家を主体とする国際政治のスキームの下では、世界的な炭素税の導入スキームを構築することは制度的にも不可能である。
4 そもそも炭素税は排出量取引制度では対処できない部分に関して補完的に導入を検討するという性格のもの。国内的には、高率の炭素税について実際に負担することになる国民的合意がとりにくい。また、最適な税率の決定は至難の業である。これに比して排出量取引制度は、省エネ・創エネのインセンティブを企業・国に与えるという大きな利点がある。すなわち、安く省エネ・創エネできる企業・国がそれを行い、できない企業・国は排出量を購入するという合理的な対応を可能にする。
5 国内排出量取引の制度設計に当たっては、EUや米国において検討がなされているように、国際競争力上配慮が必要な産業に対しては、排出枠を無償で付与するグランドファザリング方式をとること等により配慮をするとともに、制度の習熟度に応じてオークション方式の割合を段階的に拡大する。
6 また、排出枠の一定割合を正社員と扶養家族の人数に比例して配分する等の工夫を行い、参加企業に対して排出量削減とともに、正規雇用の拡大、出産・子育て支援等のインセンティブを与える。








