日本の「食」の在り方

益々、グローバル化する日本の食卓を通じ、未来の日本の食の在り方を模索していきたいと思います。

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ニュー・ジパング~熊本県・肉類編3(銘柄鶏肉について)~

2012-12-30 23:15:28 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを
目的として書いているブログのサブテーマです。


熊本県の銘柄鶏肉について述べるときに、忘れてならないのは、肥後五鶏の存在です。
肥後五鶏とは、肥後ちゃぼ久連子鶏(くれことり)熊本種地すり天草大王のことを言います。


まず、肥後ちゃぼ(写真参照)についてですが、もともとチャボは、原産地・占城(チャンバ・現在のベトナム)から
中国を経由して江戸時代の初期に我が国へ渡来した鶏種です。


渡来期は江戸時代初期(1600年代)以降、元禄・文化・文政期に、江戸を中心に盛んに飼育され、この時代は
いずれも町人文化の華やかな時代であり、豪商たちをはじめ、大名たちも競いあうようにして、羽色や形態の変異に
富んだチャボを作出・飼育し、その結果、江戸時代後期には現在飼育されている大部分の内種が出そろったと
いわれています。


現在のチャボは小型愛玩鶏として日本独特の進化を遂げ、羽色や羽質、冠、尾などの形質の違いにより
25内種を数えるに至りました。


羽色の変異による内種として、白色、黒色、真黒、浅黄、淡毛猩々、碁石、桜碁石、白笹、桂、猩々、銀鈴波、
金鈴波、加比丹猩々、源平、鞍掛源平、銀笹、金笹、白笹、赤笹、黄笹等があり、羽質の変異による内種として
逆毛、糸毛があり、また、冠および肉髯の変異による大冠と翁があり、尾の変異による内種として、達磨があります。


その中で、戦後は熊本県において「大冠」、「達磨」とも小羽数が愛好家数名により細々と飼養されているだけで、
絶滅寸前の状態であったと言われています。そこで、昭和43年に愛好者が集まり熊本県に残存する「大冠」と
「達磨」を総称して「肥後ちゃぼ」と名付け、「肥後ちゃぼ保存会」が設立され、保存活動が開始されました。


しかし、外国種の輸入に伴い疫病が次々の流行り、思うように増殖できず、その後、肥後ちゃぼの保存改良および
増殖方法の確立につとめ、現在に至っています。


肥後ちゃぼの養鶏家の方の話によると、肥後ちゃぼは、ふつうのチャボに比べると倍近く大きく鶏冠の先から
下まで大きいチャボで24cmくらいあり迫力があり、それと体が弱く、気温の変化や水に濡れると病気に
かかりやすく、酷い時には死亡するそうです。


そのために、小屋の定期的な掃除、栄養剤を飲ませることを徹底し、とさかを大きくするために野菜を細かく
刻み餌と混ざるようよくかき混ぜて与えたり、時々外に出して遊ばせストレスを無くすように心がけながら
飼育をしているとのこと。


その中でも一番手をかけているのが鶏冠のマッサージをすることというのが、何とも微笑ましい話です。
このマッサージをすることにより、鶏冠が大きくなり、鶏冠の曲がりがまっすぐになり、よく人に慣れるそうです。


天然記念物大冠種の銘鶏、肥後ちゃぼを絶やすことなく飼育していくことが「肥後ちゃぼ保存会」の使命との
話で、今まで、私は肥後ちゃぼの存在も知らず、また、肥後ちゃぼが天然記念物であることも知りませんでした。
多くの方に肥後ちゃぼのことを知ってもらうことで、貴重な種が未来に遺されることを願います。



さて、久連子(くれこ)鶏が飼育されている熊本県八代郡泉村は、九州の中央山岳地帯の中央西側に位置し、
宮崎県椎葉村と接するところにあります。この泉村の山岳地帯は五家荘と呼ばれており、平家落人伝説があり
「平家の里」として知られています。


久連子鶏は、この五家荘の中でも最も南の奥まったところにある久連子地域で、古くから継承されてきた
古代踊りの装飾の一つである花笠を飾るための長い尾羽を採取するために、300年以上にわたって
飼い続けられてきた鶏種で、地元では「地鶏」と称されていたそうです。


見かけは雄は銀笹で成鶏体重は約1,900g、雌は黒で成鶏体重約1,400gで、昭和40年に天然記念物に
指定されるものの、何度も絶滅の危機にさらされ、昭和50年に熊本県教育庁文化課からの協力要請を受けて
それ以来、熊本農業研究センターが調査と保存改良に取り組んでいます。



熊本種は、明治20年から明治40年にかけて、熊本県下益城郡小川町を中心として、在来種にエーコク種を
交配し、更にバフコーチン種や白色レグホーン種、バフプリマスロック種を交配して、産卵率の向上と
羽色・体型の斉一化を図り、明治38年に「熊本コーチン」と命名されました。


昭和10年ごろから、多産鶏の養鶏が主流となり、その後、ブロイラーの需要増に伴い、熊本種は
コーニッシュ種雄との交配で肉用種として、普及を試みるも、その繁殖能力の低さのために、
昭和44年に熊本種の保有を断念したという歴史を持ちます。


しかし、昭和51年ごろから、高品質肉用鶏として熊本種の復元を試んだ結果、成功し、熊本種を大型に
改良した熊本コーチンが生まれました。そして、熊本コーチンと交配させる雌系統の
ロードアイランドレッド種の熊本ロード、この両鶏の交配種が肉用熊本種であり、更に、熊本ロードに
白色プリマスロックを交配し、褐色羽装・大型で産卵率のよい雌系統九州ロードを造成するに至りました。


平成16年にJAS法の特定地鶏として認定された「肉用熊本コーチン」は、熊本種の雄と九州ロード゛の雌を
交配してできたものです。与える飼料もこの肥後地鶏の健康を考え、「おから」「にんじん」「ヨモギ」「木酢液」
「海藻」 「ゼオライト」 とこだわりを持って飼育されており、その肉は、脂肪が少なく、赤みを帯びて
弾力性があり、適度な歯ごたえ、ほのかな甘み、昔ながらのコクがあります。



地すりは幕末から明治初期にかけて作出された品種で、一名「おとし」(はシャモ(軍鶏)と他の鶏種の
一代交配種)とも言われ、その外貌はシャモに良く似ており、脚はシャモの脚を半分に切ったような姿を
しているといわれ、黒中シャモの短脚種であると見なされています。


昭和30年代になって、絶滅しましたが、昭和52年ごろから復元を試み、平成6年ごろにほぼ復元する
ことができました。



天草大王は、今や肉用熊本コーチンと同様、熊本を代表する銘柄鶏肉として有名ですね。
文献によると、原種天草大王は、明治中期頃中国から輸入されたランシャン種をもとに、天草地方において
肉用に適すように極めて大型に改良されたものだということです。


大正時代には、天草大王は博多の水炊き用の鶏として出荷されていましたが、昭和に入り、博多の水炊きの
需要の落ち込みとともに、その飼養羽数が落ち込み、ついに絶滅しました。


かつては、博多の水炊き用として肉質に定評のあった天草大王を熊本県産地鶏として復元させるために、
ランシャン種を輸入し、そのランシャン種と熊本県産の黒色シャモ、福岡県の赤笹若雄、熊本種と交配を
繰り返し、肉用鶏天草大王の交配に使用される原種天草大王が生まれました。


肉用鶏天草大王(一般には天草大王という呼称)は、原種天草大王の雄と前出の九州ロード(雌)を
かけ合わせてできたものです。


日本最大級の肉用地鶏としてあまりにも有名な天草大王。その詳細はWikipediaの天草大王
是非、ご参照ください。



前述通り、熊本県農業研究センターでは、昭和51年からこれらのニワトリの復元や飼育方法などの
研究に取り組み、絶滅寸前であった肥後ちゃぼ、久連子鶏(くれことり)、熊本種については増殖をおこない、
すでに絶滅していた地すり、天草大王については復元に取り組み、平成13年までに肥後五鶏を
復活させることができました。


熊本県の肥後五鶏の種を保存し、また、復元し、普及させようという熊本県の農業関係者の皆様の
不断の努力には、ただ、ただ、頭が下がる思いがします。是非、今年中に熊本が誇る地鶏の熊本コーチンと
天草大王を食し、味を堪能するとともに、その精神をリスペクトすることを忘れずにいたいと思います。 


今年もご愛読ありがとうございました。良いお年を!

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ニュー・ジパング~熊本県・肉類編2(銘柄豚肉について)~

2012-11-27 21:27:08 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを目的として
書いているブログのサブテーマです。


熊本県の銘柄豚肉といえば、熊本県農業研究センターによって造成された高能力系統豚「ヒゴサカエ302」の
血筋を引いた「ひごさかえ肥皇」が挙げられるでしょう。
(以下のひごさかえ肥皇の情報については、有限会社コーシンのHPから抜粋)
*写真は2011年2月22日から九州地区限定でファミリーマートで販売された「ひごさかえ肥皇の豚丼」(税込450円)です。


ヒゴサカエ302は、母豚として必要な繁殖能力とDG*が1kgを上回る発育性に加え、骨格が太く、強健性に
優れているという特徴を持っています。
*DGとは1日平均増体重のことで、豚の産肉能力検定の際、判定される項目のひとつ


ひごさかえ肥皇は、母豚にヒゴサカエ302(♀)と大ヨークシャー種(♂)のF1種、父豚にデュロック種をもつ交配種です。


その特徴は、出荷2ヶ月前から仕上飼料に麦類等を10%以上添加することで、筋肉内脂肪含量が高くなり、脂肪酸の中の
オレイン酸の量が増すことです。


筋肉内脂肪含量が高いと、肉汁が肉にとじこめられて、やわらかい肉になります。
そして、オレイン酸が多いと、肉の風味が良くなることが知られています。


ひごさかえ肥皇は、くまもとブランド豚肉推進協議会で定めた「安全安心生産農場認定基準」に基づき、
衛生的かつ薬品使用量の少ない環境で生産されています。


ひごさかえ肥皇候補は、肉になった段階で今度は(株)熊本畜産流通センターにより肉質のチェックを受けます。
厳密にいうと、その肉質チェックを受けて合格したもののみが「ひごさかえ肥皇」のブランド名で出荷することが
許されます。


その肉質の基準には、肉色が鮮明かつ、脂肪は適度な固さと粘りがある良質なもの、そしてマーブリング(霜降り具合)が
確認できるもの等があります。


ひごさかえ肥皇と同系統の血統豚で、さらに肉質を改善し、飼料にもこだわったプレミア銘柄豚
阿蘇天然ミネラル豚 香心ポーク」は、生後60日から、マイロ・麦主体の抗生剤等を添加していない無薬飼料を
与えられて飼育されています。(以下の香心ポークの情報については、有限会社コーシンのHPから抜粋)


更にその飼料には、阿蘇の黄土(ライトミネラル)が添加されており、鉄、マグネシウムが豊富に含まれていることにより、
母豚の健康維持、肉質改善、悪臭防止に役立っています。
具体的には、ミオグロビンの蓄積により肉質(肉色)が改善され、各種の疾病に対する抵抗力が強く健康に育ち、
硫化水素を吸収するため、消臭効果がある等です。


たまたま、前述で豚の産肉能力について触れたので、ついでに他の豚の産肉能力検定の主要な項目について、
調べてみました。DG以外には、以下の項目があります。

●飼料要求率(FCR)
●脂肪層の厚さ
●背腰(ロース)の長さと太さ
●ハムの割合

この豚の産肉能力検定は、日本種豚登録協会が適当と認めた、一定の豚産肉能力検定施設で、
豚産肉能力検定実施方法に従って上記の項目について能力を判定し、産肉登録されます。


各項目の判定基準は品種によって異なり、雄豚はABCDE、雌豚はabcdeの5段階で判定されます。
ランドレース系の雌豚の場合、DGがaと判定されるのは670g以上ですから、いかにヒゴサカエ302が
高いDGを持った豚かお分かりになることだと思います。


一定以上の優れた産肉能力と繁殖能力(これについても能力検定と登録制度あり)をもつ登録種豚は
名誉ある種豚として、その世界ではエリート中のエリートだということです。


この手のことを知ると、各県産の銘柄豚肉を食べることができる有難味というのを改めて感じますね。
まじめで優秀な育種技術者や養豚農家、流通業者が多い日本の国民であることを幸せだと思います。

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ニュー・ジパング~熊本県・肉類編1(銘柄牛について)~

2012-10-24 16:26:24 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを目的として書いている
ブログのサブテーマです。


本当にしばらくぶりです。PCをはじめとする通信機器をリニューアルし、雑多なことが一段落して久々にブログを書いている状態です。


先週末に福岡県の北九州市で「第7回B-1グランプリ」が行われましたが、やっと、八戸せんべい汁がゴールドグランプリに輝きましたね。
いつも上位常連だっただけに、ここにきてその根強さを発揮した感があります。


九州のご当地B級グルメからの参加が少ないように思いましたが、どうしたのでしょう。
西日本新聞社主催の「九州ご当地グルメグランプリ2012」のほうに流れたのか?
けっこう、九州にもご当地B級グルメ、それも肉系のご当地B級グルメが各地にあると感じます。


さて、熊本県産の銘柄牛といえば、熊本県経済農業協同組合連合会 畜産部が取り扱っているくまもとブランドの牛肉が
まずあげられるでしょう。


一番人気は、くまもと黒毛和牛「和王」です。
「和王」は肉格付協会「枝肉肉質ランク」の最上級格付5等級と上位格付4等級を獲得した枝肉を持つ黒毛和牛です。
厳選された飼料で育てられた生後月齢28カ月以上の牛で、12段階に分けられる霜降りの度合い(BMS)が
6段階以上のものだけが、「和王」となります。


くまもと黒毛和牛「和王」は、細かくサシの入ったとろけるような肉質と、芳醇な味わいが魅力です。
厳選された植物性飼料「とくせん」シリーズを使用しており、安全・安心でまろやかな極上の霜降り肉です。


くまもとあか牛は赤身が柔らかく、しっかりとした味わいがあり、そのうえ、余分な脂肪が少ないヘルシーな牛肉です。
近年、健康志向のなかで特に注目されている牛肉です。


現在の「くまもとあか牛」は阿蘇、矢部および球磨地方で飼われていた在来種とシンメンタール種の交配により改良された固有種で、
昭和19年に和牛として登録されました。


あか牛は、耐寒・耐暑性に優れており、放牧に適し、性格がおとなしく飼育しやすいという特性を持っています。


くまもとあか牛は熊本県内で12カ月以上肥育された褐毛和牛の牛肉で、霜降りの度合い(BMS)2以上のものがくまもとあか牛となります。


くまもとあか牛の魅力は、何と言っても余分な脂分がなく、赤身でほどよい噛みごたえがあることです。
噛めば噛むほど「甘み」を感じ、口の中においしい独特の風味が広がります。ヘルシーでありながら、適度な霜降りもあり、
和牛としてのコクも持ち合わせています。


また、あか牛の赤身には、他の品種よりも「タウリン」や「リノール酸」が多く含有されていることがわかりました。


ホルスタインを母、黒毛和牛を父として持つ交雑種のくまもとの味彩牛は熊本県内で12カ月以上肥育された交雑種の牛肉で、
(社)日本食肉格付協会の霜降りの度合い(BMS)3以上、肉色(BCS)4以下のものと定義されています。


くまもとの味彩牛は、リーズナブルな価格でお求めいただけるのが魅力で、肉質は柔らかく、ほどよい脂肪を含んだ霜降り肉が特長です。


同じ交雑種でも、ワンランク上の品質をもつ厳選くまもとの味彩牛はほどよい脂肪を含んだ霜降りが見られ、豊かな風味と柔らかさがあり、
栄養バランスにも優れています。


くまもと火の里牛は、柔らかさが特徴のヘルシー志向の乳牛肥育牛です。


田中畜産の天草黒毛和牛は、素牛は但馬牛や松坂牛と同じなので、その味わいは、折り紙つきです。
隠れた名産牛として、今、注目されている銘柄和牛です。


熊本県にいったら、くまもとあか牛を是非とも堪能したいと思います。

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ニュー・ジパング~長崎県・肉類編3(銘柄鶏肉について)~

2012-08-28 16:45:10 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を
模索することを目的として書いているブログのサブテーマです。


長崎県には、在来種の「対馬地鶏」があります。 希少品種なので、原種は県畜産試験場で
維持・管理されているという話です。


対馬地鶏は、顎の肉垂れの代わりに髭の「毛髭」があり、非常に珍しい形態の鶏。
その毛色は雄は赤笹、野生型、雌は赤色でロードアイランドレッド種に近い色をしており、
雄雌とも顎髭があります。肉は赤身でシコシコと歯ごたえが素晴らしく、肉質の肌理の細かさは
絶品で、ジューシーという特徴を持っています。


この素晴らしい対馬地鶏を用いて、長崎県農林技術開発センターは、味と増体性に優れ、
高級地鶏とブロイラーの中間価格帯で流通可能な新銘柄鶏肉の「つしま地どり」を
開発しました。


つしま地どりは、母親に対馬地鶏、父親にレッドコーニッシュを持つ交配種であり、
柔らかさと弾力性を併せ持ち、コクのある味わいは、鍋料理や焼き鳥にぴったりです。
このつしま地どりを使った「つしま地どり鍋」は、平成21年 第41回 長崎県特産品新作展
農林畜産加工品部門で、 最優秀賞を受賞しました。
コラーゲン入りのスープで煮込むつしま地どり鍋は、女性に受けそうです。


ちなみに、対馬には「いりやき」という地鶏またはメジナ・ブリなどの魚、たっぷりの野菜を
具材とする寄せ鍋の一種の郷土料理があり、もともと、具材を椿油で炒ってから、料理した
ために、いりやきと名づけられたとも言われています。


地元の人達は、いりやきのあとにはソーメンかそばを入れて、その美味しい出し汁とともに
食べるとのこと。素朴だけど、美味しそうです。


さて、島ごはんでよくメディアで登場する五島列島にも、地鶏があります。
五島列島で育った地鶏ブランド「五島地鶏 しまさざなみ」 は父親にシャモ(833系)を、
母親にプリマスロックをもつ交配種の地鶏で、雄の体の模様がさざなみのように美しい
ことから 、この名前がつけられました。(写真参照)
 

しまさざなみは、父親譲りのしなやかな細かい筋繊維をもつ肉質でありながら、
母親譲りの歯ごたえとしっかりとした旨味をもっています。


そのしまさざなみの美味しさの秘訣は、血統の良さプラス飼料へのこだわりにあります。
しまさざなみの飼料には、五島列島名産の”五島茶”や”椿油”をはじめとする13種類の
植物性のものが配合され、そのため、しまさざなみは、通常の若鶏に比べ、低カロリー、
低脂肪、高たんぱくに仕上がっています。


五島地鶏のしまさざなみは、五島市内の一部の焼き鳥屋、居酒屋、レストランなどで、
食べることができます。ランチには、百椿(びゃくちん)の地鶏の出し汁を使った
「五島一寸そば」や「地鶏カレー」あたりが手軽で良いかもしれません。
本格的に五島の地鶏料理を堪能したい方は、各店に予約したほうが無難なようです。


銘柄鶏肉ひとつとっても、日本にはまだまだ知らない美味しい食材が沢山あるんですね。

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ニュー・ジパング~長崎県・肉類編2(銘柄豚肉について)~

2012-07-01 17:20:19 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を
模索することを目的として書いているブログのサブテーマです。



芳寿豚(ほうじゅとん)・・・ネーミングからして、健康で美味しそうな印象をうける長崎県の
芳寿牧場のSPF豚(特定病原菌不在豚)で、レアでも食べれる(らしい?)ことから、
興味を抱きました。


芳寿豚の品質、肉質のこだわりは、その与える飼料原料にあります。
子豚育成用・肉豚肥育用の飼料にはコプラフレークを飼料原料として使用して、
豚肉の脂質を改善し、また肥育飼料には動物質原料を用いず、植物原料だけを
使用しているので、脂身のくせやしつこさもなく、豚肉特有の臭みがない豚肉に
仕上がっています。


コプラフレークとは、ココヤシの胚乳を乾燥させたもので、
中鎖脂肪酸を多く含んだ
コプラフレークを与えた豚は、まろやかで口どけ良い脂質になります。

また、皮下脂肪として沈着しにくい中鎖脂肪酸を多く含む豚肉になるので、
とてもヘルシーです。


芳寿豚は保水性が高いので、うまみを逃がさず調理が出来、肉質がやわらかく
きめ細やかでジューシー、豚肉独特の臭みがなく、脂肪があっさりしていると
いう特徴があります。


一見、芳寿豚はトンカツやポークステーキなどの調理法に向いた豚肉のように
思えますが、レアで食べれる(らしい?)ことが気になるので、その芳寿豚を
レアで出している横浜市大倉山のWine Bar「Blanc」を詳しく見てみる
ことにしました。 

 

「レアで食べられる極上豚! ブランド豚の芳寿豚」 ・・・芳寿豚のたたきに、
芳寿豚の厚切りスモーク、 芳寿豚の厚切り和風生ハムなど、オリジナリティ溢れるメニュー。


特に、芳寿豚をブロックのまま、5日間、昆布と塩につけこんで作った和風生ハムの味わいに
興味があります。


Blancさんの料理は、その内容やスタイルから、ボジョレーなどの軽めの赤やアルザスの
リースリング、ロワールのミュスカデ等が合いそうです。


レア状態が気になる方は、よく冷やした白ワインと一緒に食べるといいと思います。
余談ですが、白ワインには殺菌効果がありますので、夏に飲むアルコール飲料としては
オススメです。


創作料理&Wine Bar 「Blanc」さんのHPにも、芳寿豚について詳しい記述がありますので、
是非、御覧下さい。


長崎県の郷土料理といえば、卓袱料理、その中でも「豚の角煮東坡煮(とうばに)」
(写真 参照)
は今や人気のお惣菜として、定着しています。


卓袱料理とは、長崎市発祥の中国料理や西洋料理(特に和蘭料理)を日本風に
アレンジした料理を大皿に盛り付けて、円卓で頂くスタイルの料理です。


「豚の角煮」は、豚の三枚肉を葱やしょうがの香味野菜に、醤油、みりんで味付けて
よく煮込んで作られます。本場の「豚の角煮」を食べてみたい方は、卓袱料理で
有名な老舗料亭「坂本屋」のWebサイトで購入することができますので、ぜひ。


さて、長崎県のブランド豚はけっこう多く、その中でも長崎県のJAブランド
健王豚」については触れておくべきでしょう。


健王豚は、JAながさき県央管内で飼育されたハイコープ豚(系統造成豚)を素豚に
飼料の統一化による斉一性の高い「健康にすくすくと育てた豚肉の王様」を
スローガンに、ブランド化されました。


健王豚は、付加価値をつけようと地元産のお茶や麦を飼料に入れたり、
玄米を加えたりして、保水性が高く、柔らかい肉質をもつ臭味の少ない健康な豚肉を
目指して肥育された豚肉です。


その他、雲仙山麓のきれいな水と美しい環境のもとで育てられた
雲仙うまか豚 紅葉」は、(ランドレース×大ヨークシャー)×デュロックの品種で、
天然有効アミノ酸を添加した飼料を与えられて
飼育された肉色の美しい豚肉です。


株式会社にくせんの雲仙特選豚 「極」はバークシャー種と黒系デカルブ種を
交配してできた高品質の豚で、肉本来の味わいや旨味を求めて独自に
開発されました。
雲仙山麓の湧水と大麦を配合した飼料で飼育されており、きめ細やかな肉質、
とろけるような美味しさが特徴です。


雲仙特選豚 「極」は生産-流通体制が整備されており、安全なだけでなく、
消費者が安心して食べることができる長崎県産のブランド豚のひとつです。


五島牧場で飼育される五島豚も、注目すべき長崎県の銘柄豚です。
五島牧場が目指す養豚のキーワードは、満腹・陽だまり・快適豚舎」。
ストレスを受けやすい豚を豊かな自然環境の中で、愛情を込めて
伸び伸びと育てることが、抗生物質などの薬の投与をなくし、
本当に美味しい豚肉づくりにつながるという生産ポリシーです。


無添加手づくりのハム、ソーセージ(余談ですが、バターも無添加)を
作っていることからも、五島牧場の”自然がつくる味”へのこだわりが伺われます。
尚、これらの商品は五島牧場のWebサイトで購入できます。お中元にもいいですね。


今年も健康で美味しい豚肉メニュー+白ワインで夏バテ防止するぞ!

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ニュー・ジパング~長崎県・肉類編1(銘柄牛について)~

2012-06-17 16:55:31 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを
目的として書いているブログのサブテーマです。


やっと、長崎県まで来ました。歴史的に、海外に開かれた地域である長崎県にも、必ずおいしい牛肉や
牛肉料理があると期待してブログを書いております。


長崎県は意外ですが、県の農業の中で一番産出額(総産出額の約3割を占める)が多いのが、肉用牛です。
その県産の肉用牛の中でも、ブランド化されているのが長崎和牛です。 


長崎和牛の定義は、長崎県で肥育を目的として生産される和牛の総称です。
この和牛は、鮮やかな色あい、なめらかで柔らかい肉質、豊かな風味が特徴で、ステーキ、すきやき、
しゃぶしゃぶ等の料理法で美味しく頂くことができます。

 

長崎県における和牛の歴史は大変古く、壱岐(原の辻遺跡)や五島(大浜遺跡)などから
2,200~2,300年前の弥生時代の牛骨や牛歯が発見されています。


また、鎌倉時代末期に記された国産牛の図説である「国牛十図」と南北朝時代に記された
「駿牛絵詞」には、産牛地十国の一つとして、御厨牛(平戸牛)が取り上げられています。


御厨牛は「肥前国御厨の産で、逞しい牛である。もともと貢牛であったところからの呼称で
中古の名牛の産地であった。西園寺公経から朝絵の印を許可された。」と記述されており、
当代の良牛として賞されています。


長崎県は地理的に、朝鮮と近く交易が盛んだったことから、長崎和牛のルーツは
朝鮮産の牛にあるのではないかといわれています。


1862年には英国人トーマス・グラバーらによって、長崎市内に日本初の解牛場(うしときば)が設置され、
出島では古くから牛肉料理が食されるなど、長崎県と和牛のつながりには歴史的に大変深いものが
あります。
日本で初めて、ステーキを供されたのは長崎県の出島というのもうなづきます。


その歴史的背景を受けて、2012年の4月28日に、史跡「出島」ヘトル部屋2階に
モ~モ~博物館in出島」がオープンしました。出島には、牛肉をはじめ出島でしか食することが
出来なかった料理(肉やパン、コーヒー)やお酒が食されている絵図が残っています。


今回このような歴史を踏まえ、晩餐会で食された牛肉料理模型や発掘された牛骨、パネル等が
長崎出島で展示されます。


当時の出島の人たちがどんな牛肉料理を食べていたのか、興味がありますね~
その記録が残っているのではないかとネット調べてみるとありました。


「長崎名勝図絵」に記されているオランダ正月(太陽暦の1月1日)の献立によると、
その当時食べられていた牛肉料理は、以下のようなものです。

・鉢 牛股(もも)油揚
・鉢 牛脇腹(わきばら)油揚
・蓋物 味噌汁 牛
・鉢 牛豚すり合わせ帯腸に詰める
主に、牛肉は油で揚げた物やミートボールやソーセージの原材料に使用されていたようです。

詳細は、「旅する長崎学」をご参照下さい。


さて、長崎県で牛肉と深い関わりがある地域といえば、佐世保市があります。
長崎県・佐世保市は終戦直後から米軍が進駐した影響もあり、その時に米軍関係者から、
ハンバーガーのレシピを教わり、ハンバーガーが広まったといわれています。
これが、今、長崎県が誇るご当地B級グルメ、日本で最初に生まれたハンバーガー
佐世保バーガー」のルーツです。


佐世保バーガーは注文を受けてから作るタイプのハンバーガーで、牛肉100%のパテ、ベーコンと卵と
チーズが入っていて、サイズが大きいという特徴のものが、佐世保バーガーの象徴とされています。
さすがに地元の佐世保市には、それぞれのスタイルの佐世保ハンバーガーを供する店が多くあり、
どの店を紹介したら良いのか、困るほどです。(参照:佐世保バーガーランキング


東京でも佐世保バーガーを供する店は展開されており、その先駆的な存在として、
ザッツバーガー・カフェ」等があげられます。(一度、食べてみたい♪)


長崎県 佐世保市のご当地牛肉料理として、もうひとつ忘れていけないのは、「レモンステーキ
(写真参照)です。


その発祥は、時代屋で、当時の西洋料理のステーキを日本人に合うように開発されたステーキです。
牛肉もすき焼きぐらいの厚さで、醤油ベースのたれをかけ、レモンの輪切りをトッピングしているのが特徴です。


今日は父の日で、亡き父のことを思い出しながら、すき焼きを食べていたときに、
ふと、子供のとき、佐賀県の嬉野温泉に住んでいた頃に、父に連れていってもらったレストランで、
生まれてはじめて食べた「ビフテキ」のことを考えました。


おぼろげな記憶をたどってそのビフテキの味を頭の中で再現すると、レモン醤油バターの味で、
なぜか、あれ以来、お目にかかったことがない味わいなのです。


「なぜ、牛ステーキなのにレモンの風味が記憶に残っているのか。」


この何十年か、ずっーと不思議に思っていたのですが、もしかしたら、佐世保に近いところだったので、
私が長年探し求めていたステーキのルーツはレモンステーキなのかもしれません。
近い将来、人生初のビフテキの食体験を再現したいと思います。

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ニュー・ジパング~佐賀県・肉類編3(銘柄鶏肉について)~

2012-05-20 15:15:03 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを
目的として書いているブログのサブテーマです。


佐賀県の銘柄鶏肉についてですが、まず、最初に東京ビッグサイトで行われた
「2005年 食肉産業展 地鶏・銘柄鶏食味コンテスト」で優秀賞を受賞したありたどりが思い浮かびます。 


ちなみに、2012年の同コンテストでは、

最優秀賞=「純国産岡崎おうはん」(太田商店)
優秀賞=「天草大王」(熊本養鶏農協)
優良賞=「南部どり」(アマタケ)
という結果が出ています。鶏肉流通市場でも要注目の銘柄鶏肉になることだと思います。


ありたどりの飼育方法における特徴は、飼料に入れる「ケルプ」という北の海で取れる特殊な昆布ハーブにあります。
ヨード分の多いケルプを与えると、鶏の血行がよくなるらしく、とさかの色が赤くなり、毛艶がよくなり、
健康に育つとの話です。


とうもろこしや大豆を主体とした良質な飼料を与え、放し飼いで伸び伸びとストレスの少ない環境の中で
鶏を飼育することにより、低脂肪でやわらかく、臭味のない美味しいありたどりができるのです。
この佐賀県産 銘柄鶏肉は、唐揚げに最適の鶏肉で、「ありたどり唐揚げ」は
九州ご当地グルメグランプリ2011で2位に輝いた実績のある人気ご当地B級グルメです。



東京都の中目黒にあるアンティロミィでは、ありたどり(有田鶏)を使ったチキンカレーや焼きカレーが楽しめます。
アンティロミィの焼きカレーは、JR九州 有田駅の人気駅弁「有田焼きカレー」(1,500円)のスタイルで、
有田焼の器に入った焼きカレーです。
このお店では、ありたどり以外にも、有田産の食材を使ったカレーが楽しめます。


有田駅の駅弁には、ありたどり(有田鶏)を使った駅弁がいくつかあります。
有田鶏弁当(1,500円)は、鶏そぼろといり卵、きぬさや、鶏の照り焼きがごはんの上に乗ったもので
有田焼の器に入っています。


そして、ご当地バーガーである有田鶏バーガーは2個入って500円。
食べたことのあるブロガーによると、けっこういけるそうです。
情報によると11:00AM頃から駅で売り出されるそうなので、お目当ての方は事前に情報収集を。


これらの商品はまちおこしで考案された駅弁だそうですが、有田焼の器つきで1,500円はお得だと思います。


佐賀県・鳥栖市に本社を構える株式会社ヨコオフーズのみつせ鶏は、関東のスーパーでも
見かけたことがある銘柄鶏肉です。(写真はみつせ鶏の料理イメージ)


みつせ鶏は、「地鶏よりも柔らかく、地鶏よりも風味の高い鶏肉」というコンセプトの下、同社で開発された
銘柄鶏肉ブランドで、私の好きなタイプの銘柄鶏肉です。
このみつせ鶏の両親はフランスの赤鶏で、その赤鶏の雛を空輸して、佐賀県やその他北九州の山間部で
飼育されています。


みつせ鶏は、ほどよい歯ごたえを残しつつ、低脂肪かつ旨味成分が多く風味豊かという特徴を持っています。
その美味しさの秘密は、良質の脂肪分にあり、善玉脂肪分のリノール酸やアラキドン酸の含有率が高いことです。
アラキドン酸は伊勢海老やアワビの魚介類に多く含まれ、「脳が幸せになる成分」といわれるものです。


みつせ鶏が美味しいのは、その飼育方法にも秘訣があります。
平飼いで1坪あたり40羽前後とゆったりとした理想的な飼育環境、生後80日を目安に出荷され、
出荷60日前には、抗生物質などをいっさい使用しないことなどです。
(農水省では休薬飼料期間は出荷前7日間と定めています。)


飼料についても、米ぬか、大麦、大豆主体のみつせ鶏専用独自配合飼料を鶏に与えており、
飼料米には、みつせ鶏糞堆肥で育てられていた地元産の米を使用し、
循環型農業を実践されています。


佐賀県は小さい県ですが、知る人ぞ知る銘柄肉の産地であることがよく分かりました。 

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ニュー・ジパング~佐賀県・肉類編2(銘柄豚肉について)~

2012-04-30 19:58:48 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを
目的として書いているブログのサブテーマです。


前回、テンプレートを変更したけど、いまいち、テイストが違うので、変更しました。
うん、やっぱりこの方が落ち着く。


豚肉といえば、俗にいうグルメ情報番組を見ていると、サムギョプサル(豚バラの厚切りの焼肉)が好きな人って
多いんだなあと思いました。しばらく、新大久保(東京・新宿区にある日本最大級のコリアンタウン)に行ってないから、
ショッピングついでに寄ろうかなあ・・・・


佐賀県に銘柄豚肉かあ、ピンとこないけど。
金星佐賀豚肥前さくらポーク金桜豚若楠ポークなど、けっこうあります。


金星佐賀豚」という有限会社永渕畜産のオリジナルブランド豚は、多良岳山系の中腹、有明海を見下ろす(黒金)地区、
昔、木炭の産地だった、「水源の森」百選に選ばれたところで飼育されています。
その産地は空気や水が澄み切っていて、星空がきれいなところらしく、このブランド名の由来は、佐賀県の木炭の別名、
「黒い金」の産地で美しい星空の下で育った豚というところからきています。
私はてっきり、相撲の「金星」からきているものとばかり・・・


なんともヘルシーそうな金星佐賀豚。ドリップが少なく、脂身がギュッと引き締まり、きめ細かい赤身で旨味が多いと
いう肉質を特徴にもつ、なぜか、元・舞の海を彷彿させるブランドポーク。
数々の受賞歴を誇るこの金星佐賀豚の美味しさの秘訣は、「あたりまえのことをしている」から、だそうです。
なんか、ウンチクをいうより、カッコイイかも。


豚に愛情を持って健康に育てるというのは、畜産業者として「あたりまえ」のことだとは思いますが、
そのあたりまえの仕事の過程がHPに書かれていますので、是非、御覧下さい。
⇒「金星佐賀豚は私たちが育てています。」


私が思うに、金星佐賀豚の美味しさの秘訣は生産体制がきちんと整備されていて飼育環境が良く、
「生産者の顔」が見える豚肉づくりをしているところではないかと思います。
また、各担当者が自分の仕事に誇りを持っているところがいいですね。
幾千の言葉よりも、説得力のある生産情報の公開のしかたでした。


肥前さくらポーク」は、JAさがの統一ブランドポークです。
このブランド豚は、豚肉独特の臭みが少なく、肉のきめが細かいソフトな食感で、肉色が鮮やかな
さくら色であることが特徴です。
特徴からすると、量販店向きかな。 ただ、JAさがは畜産農家の技術力にその美味しさの秘訣はあると
胸をはって断言しておりますので、値段は思ったより張るかもしれません。


肥前さくらポークは、ランドレース種を基礎に、病気に強い大ヨークシャー種と、肉質の良いデュロック種を
掛け合わせた三元豚で、今、主流の交配のものです。


肥前さくらポークの一生産者についての記事からの抜粋したのですが、
「環境に気を配り、抗生物質をなるべく使わない飼育管理に努めることで、
安全性をさらに追求した肥前さくらポーク生産を目指したい。」
という生産方針に、肥前さくらポークの美味しさの秘訣があると思うのです。


その例として、豚のふん尿処理についても、環境への配慮がなされており、まず、ふんは2つのたい肥舎で
切り返し発酵して完熟たい肥を生産し、地元の耕種農家へ販売しています。


尿も補助事業(畜産環境整備リース事業)を活用して浄化槽を整備し、さらに豚舎裏の竹林から採取した土着菌を
オガコ豚舎の敷料に混ぜて活用しており、土着菌効果により、豚舎周囲の臭いは驚くほど少ないという話です。


資源循環型農業は、個々の生産者だけではなく、地域ぐるみで取り組んでこそ相乗効果があり、
波紋のように小さな一つの輪がどんどん大きくなると良いと思います。


肥前さくらポークの中で、更に厳選された銘柄豚に唐津産の「金桜豚(きんざくらとん)」(写真参照)があります。
餌に乳酸菌などの微生物を混入するなど、こだわりを持って飼育されています。
乳酸菌などの微生物を飼料に混ぜるということは、豚肉臭さを消す効果はもちろん、
人間もそうですが、豚自体が病気に対する免疫力がつき、抗生物質の投与を最小限に抑え、
健康な豚肉づくりに繋がっているのだと思います。まさに一石二鳥!


金桜豚は冷凍してもドリップが少ないことから旨味も多いという特徴を持ち、流通面においても理想的な豚肉ですが、
生産農家が数軒と少ないので、知る人ぞ知る「幻」の県産ブランド豚の状態です。
ちなみに、農水省は、金桜豚のことを「無名の王者」と表現しています。


若楠ポーク」はJAさがの武雄地区生産者限定の地域ブランド豚です。
交配は、肥前さくらポークと同じ三元豚で、出荷月数は6ヶ月、くみあい配合飼料を成長に応じて与え、
出荷60日前には抗生物質を与えないという生産基準は特に際立ったものではありませんし、
飼育方法については、取り立てて書くほどのこだわりも見受けられません。


武雄市は温泉地でもありますので、若楠ポークは地元の温泉宿やSAにて名物としてメニュー化され、
地域おこしの一翼を担っている感はあります。そして、お隣の嬉野市の温泉宿でも若楠ポークは活躍しているようです。


若楠ポークは肉質がきめ細やかで柔らかく、脂があっさりしているのが特徴の豚肉で、調理しても硬くならず、
しつこくならず、だから、しゃぶしゃぶ、蒸し料理(温泉地なので)、陶板焼き、トンカツなどのメニューに
向いているのでしょう。


ワインでも、テロワールの特徴がよく出ているワインというもの(分かりやすいところで、フランスのシャブリなど)が
ありますが、若楠ポークの場合、その自然環境、それも有名な温泉地が近いので、もしかしたら、与えている飲み水が
その肉質や味わいを決めている大きな要素かもしれないと、ふと思いました。 


「雄弁には語らないが、真の実力者ここに在り」といった印象の、佐賀県の銘柄豚肉とその生産者達。
佐賀県民の県民性がそのまま投影されているような気がします。(あ~、温泉に行ってのんびりしたい。)
近い将来、武雄温泉と嬉野温泉をはしごして、温泉と佐賀県の美味しい肉を含む食材を使った料理を
堪能したいものです。 

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ニュー・ジパング~佐賀県・肉類編1(和牛&銘柄牛肉)について~

2012-04-17 21:15:29 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを
目的として書いているブログのサブテーマです。


佐賀県の和牛といえば、まず、佐賀牛を思い浮かべる人が多いと思います。
佐賀牛は、超高級和牛というイメージがあり、その呼称を名乗るには、以下の厳格な基準を
クリアしなくてはなりません。

● 品種:黒毛和種
● 地理的表示:JAグループ佐賀管内(原則としてJAさが管内のみ)肥育農家が飼育
● 格付け:社団法人 日本食肉格付協会の定める取引企画の肉質等級において、「5」等級または「4」等級の
  BMS「No.7」以上

(Wikipediaより抜粋)


BMSとは、ビーフ・マーブリング・スタンダードの略で、牛脂肪交雑基準のこと。肉質「4」等級はBMS No.5~No.7と
定められているので、肉質「4」等級のBMS No.7以上とは肉質「5」等級のすぐ下のランクの肉質「4」等級の
和牛のことで、限りなく肉質「5」等級に近い高評価のものといえるでしょう。


歩留まりの等級については指定がありませんが、佐賀牛には、俗にいう「A5」と呼ばれる最高級ランクの和牛が
多い可能性があります。


佐賀牛は、但馬牛の血統を受け継ぐ九州の質の良い子牛を厳選して、独自の配合飼料(とうもろこし、
大麦、ふすま、特殊ふすま、マイロ、大豆油粕、米ぬか、アルファルファミール、コーングルテンミール、
糖蜜、炭酸カルシウム、食塩を配合した「くみあい飼料 特選佐賀牛」など
)や飼育法を用いて、
佐賀県の豊かな自然環境の中で、ストレスがたまらないように、30ヶ月間飼育してから、出荷されます。


その柔らかい赤身の中にキメ細やかに風味ただよう脂肪が入った見事な霜降り牛肉は、甘くてこくのある味わいです。


国内だけではなく、香港でもその評価が高い佐賀牛は、配合飼料の価格が高止まりのため、収益性が伸びないと
いう課題があるものの、佐賀県を代表する畜産物であり、県では、佐賀牛の出荷頭数を増やしていく計画です。


更に、JAさがの銘柄牛肉には、佐賀牛以外に以下のものがあります。(Wikipediaから抜粋・編集)

●黒毛和種の和牛が、JAグループ佐賀管内肥育農家で飼育され、肉質等級が「4」「3」「2」等級、かつ、
BMS「No.6」~「No.2」の場合に呼称が許される「佐賀県産和牛」 

●牛赤身が多く発育の早いホルスタイン種(乳用種)を母親に、きめ細やかな優れた肉質の黒毛和種を父親に
持つ肉牛の「交雑種」で、JAグループ佐賀管内肥育農家で飼育された佐賀交雑牛

●JA伊万里管轄域の「佐賀牛」と「佐賀県産和牛」、通称「伊万里牛
 (JAさが発足にJA伊万里が参加しなかったため)


そんな国内屈指の和牛ブランドをもつ佐賀県を訪れたときに食べたいのは、佐賀牛のステーキやしゃぶしゃぶは無論、
今、注目されている佐賀市のご当地B級グルメ「佐賀シシリアンライス」(写真参照)です。


佐賀シシリアンライスという、なんとも、イタリアっぽいネーミングの料理ですが、
どんなものかと思いきや、温かいライスに甘辛いタレで炒めた肉と生野菜をのせてマヨネーズをかけたものが
皿の上の盛られているという、カフェ丼のプレート版のようなものです。


昭和50年ごろに、佐賀市の喫茶店のまかない飯をメニューとして出したのが佐賀シシリアンライスのはじまりで、
今では、地元の20軒を超えるお店で食べることができるご当地B級グルメです。
なぜ、シシリアンライスという名前なのか、その由来は、トマトの赤、ゆで卵の黄色、きゅうりの緑が、
イタリアの国旗を彷彿させ、地中海に浮かぶシチリア島にちなんで命名した?!
というアバウトないきさつらしいです。


この佐賀シシリアンライスのPRを目的に佐賀市の市民団体「佐賀市はシシリアンライスdeどっとこむ」は、
今年の4月4日(シシリアンライスの日)に、 「佐賀シシリアンライス王国」の建国式を行ったとのことです。
お隣の福岡県・北九州市で今年行われる「B-1グランプリ」への初参加を目指しているということで、
その意気込みが感じられます。(多分、参加されることでしょう。)


私は7歳の頃に、武雄市の洋食レストランで生まれて初めて食べたビフテキの味の記憶をたどっているのですが、
レモンとガーリックバターの独特の風味と味わいのビフテキで、なかなか同じものを食べることができず、
今に至っています。


長崎県・佐世保市に近いところだったので、もしかしたら、「レモンステーキ」ではないか?
まあ、詳細は長崎県の牛肉のブログのときに書いてみたいと思います。

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ニュー・ジパング~福岡県・肉類編3(地鶏&銘柄鶏肉について)~

2012-03-27 17:51:47 | ご当地の銘柄肉

*ニュー・ジパングとは、日本の食文化の温故知新から、現在、未来の日本の食の在り方を模索することを
目的として書いているブログのサブテーマです。


博多、鶏肉といえば、「水炊き」というイメージが定着していますね。
別名、「博多煮」とも呼ばれるほど、博多から各地にこの「水炊き」は広まりました。


博多水炊きの歴史は古く、
長崎に生まれた林田平三郎氏が1897年(明治30年)、15歳で香港に渡り、英国人の家庭に
住み込みで料理の勉強をし、帰国後、そこで習得した西洋料理のコンソメと中国風鶏のスープをアレンジし、
1905年(明治38年)に博多水炊きを完成させたのが起源といわれています。


水炊きが西洋料理のコンソメの影響を受けているというのが、なんとも不思議な感じがします。


博多水炊きの生みの親である林田氏が博多の須崎に水炊きの店「水月」をオープンさせ、
当時開催された世界博を見に来た人たちから好評を博し、水炊きは全国に広まっていきました。
博多水炊きに使用する鶏肉は、宮崎県産、鹿児島県産の雄に限定されていたため、
その鶏を運ぶ列車は「水炊き列車」と呼ばれていたという話です。


博多水炊きは冬だけでなく、博多では年中食べられる料理で、行事や祭りがあった後によく食べられるそうです。


まず、鶏の濃厚なスープを薬味を入れて飲み、鶏肉や野菜をぽん酢につけて食べ、ぞうすいでしめる。
これが博多水炊きの食べ方です。


博多の水炊きの店として、全国的に有名な店のひとつに、「華味鳥」があります。


華味鳥さんの水炊きに使われている鶏肉(銘柄鶏 華味鳥)は、自社で養鶏されています。
華味鳥さんのHPによると、創業者の河津善陽氏が美味しい鶏肉を追求して自ら養鶏をはじめ、
現在の銘柄鶏 華味鳥が生まれました。


華味鳥の肉は、色がみずみずしく、もも肉は華やかなピンク色であり、鶏肉特有の臭みが抑えられ、
はっきりとした旨みと歯ごたえがあるという特徴があり、まさに「水炊き」 のために開発された銘柄鶏です。


特に、良質な鶏をつくるのには良質の餌が必要という考え方のもとに、華味鳥は、「華味鳥専用飼料」という
独自の飼料が与えられています。


その飼料の中身がすごくて、華味鳥の「水炊き」(参照:写真)のブランドが確立されたのもうなづきます。


具体的には、60℃以下で3日間圧縮処理をし、防腐剤を抜き、塩分調整を行わず抽出されたスーパーコンブエキスと、
ハーブなどを原料として野生の酵母菌の作用を生かした植物エキス。この独自の方法で抽出した発酵液をオカラ、
米糖等の原材料に吸着させ、さらに長期発酵させることにより、酵素、酵母、アミノ酸などの効果を
生かした飼料に作り上げています。


華味鳥は鶏肉にしか含まれていないという活性酸素の解毒作用のあるアンセリンとカルノシンが、
ブロイラーよりも100g中の含有量が120mgも多いという事実から、美容や健康にも良い鶏として紹介されています。


アンセリンは動物の筋肉中に含まれているペプチドで、β‐アラニンとメチルヒスチジン2種類のアミノ酸が
結びついた構造をしています。抗疲労効果や活性酸素除去効果等生理機能があり、肉の旨味成分や
運動能力とも関係あるペプチドとして近年注目され、研究開発がすすめられています。
海洋生物ではマグロ、カツオ、サケ、サメなど、陸上動物では鳥類の筋肉に多く含まれています。


他方で、カルノシンはβ-アラニンとヒスチジンからなるペプチドで、乳酸の生成を抑制する働きがあるので
疲労回復に効果があるとされています。また、体内の余分な糖分を体外に排出する働きや抗酸化作用などもあると
されています。カルノシンは、地鶏やキジ、うさぎのもも肉に多く含まれています。あと、豚肉、牛肉にも含まれています。
生活習慣病予防に注目されているペプチドとしてサプリなどの商品も開発されています。


動物の肉を食べると太る、体に悪いというイメージがありますが、決して、鶏肉、豚肉、牛肉等を食べることが
体に悪いわけではなく、動物性脂肪や動物性たんぱくの過多摂取が問題だということでしょう。
美味しいから、ついつい食べ過ぎてしまうのはよく分かるんですよね。
摂取量や部位を意識して食べれば、普段、お肉を食べても大丈夫だと思います。


さて、話を華味鳥に戻します。


よく、鶏の飼料に鶏臭さを押さえるために、ハーブやお茶の葉を飼料に入れて与えることが多いのですが、
それにひと手間ふた手間をかけて、植物エキス(発酵液)を作って与えるところが華味鳥専用飼料のこだわりだと思いました。
人間のダイエットでも「酵素食」ダイエットなるものが流行っていますが、華味鳥は先にそれを実践しているのですね~。
どうりでヘルシーで美味しく、味の濃い肉に仕上がるはずです。


博多までいって華味鳥さんの水炊きを食べるといっても遠方に住んでいる方は難しいので、
そんなときは、ネット通販でのお取寄せが便利です。


福岡県を代表する地鶏「はかた地どり」は九州で一番最初にJAS地鶏の認定を受けた正真正銘の地鶏です。


はかた地どりは、国内の在来種(昔からいる地鶏)の中で、最も美味だと言われている軍鶏と、旨味成分であるイノシン酸を
多分に含むサザナミを祖父母に持ち、これに肉づきのよい白色プリマスロックをかけあわせたものです。

地鶏ならではの噛みごたえ、噛むほどに増す旨味に加え、肉質がきめ細やかでサクッとした歯切れのよさが特徴です。


20年以上、歴史をもち消費者から愛され支持されてきた「はかた地どり」が2010年9月にリニューアルされました。
福岡県ご当地料理「博多水炊き」や「筑前煮(がめ煮)」にもっと合う美味しい地鶏をというコンセプトのもとで開発され、
新しいはかた地どりは、従来のに比べて10%、ブロイラーに比べて40%、旨味成分であるイノシン酸の
含有量が多く、美味しさが更にアップした地鶏ということでプロモーションされています。


先週、日テレの「秘密のケンミンSHOW」で、福岡県の筑豊地方の人はちらし寿司に鶏肉を入れるという話題が 
取り上げられていました。「かしわ飯」という鶏肉の炊き込みご飯をよく食べる土地柄という話も聞いたことがあります。
私もかしわ飯のおにぎり、「かしわおにぎり」が好きです。


福岡県は鶏肉消費量が第2位(2008年 総務省家計調査)の県であり、博多水炊きやがめ煮という伝統的な
鶏肉ご当地料理を全国的に広めた県です。
舌の肥えた県民を満足させる鶏肉を提供し続けるには、これからも、もっと、美味しい地鶏や銘柄鶏が開発され、
その美味しい鶏肉を使った新しいご当地料理が生まれることを期待しています。

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