猫の照れ隠し

ジャッスミンッ！　何してんの！？

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ビクッ


シンクタンクの中は立ち入り禁止だ。
前足をシンクタンクの中にいれていたジャスミンは、私の声で慌てて出て行った。

・・・のは、束の間のこと。



すぐまた戻ってきて、シンクタンクの中に興味津々。

今度は声をかけずに、何をするかじっと見ていた。

ありゃ！



とうとう、すっぽり入ってしまった・・・・。
叱るのをこらえて、ずっと見続けていると、ジャスミンも視線を感じたのか、目があった。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・


固まった。

それでも私が叱らないので、ジャスミンとしては、この後どうしたものか思案している模様。

私には、なんでジャスミンが流し台の中に固執しているのか、知っている。

すぐに近づきたかったが、私が立ち上がって近寄ったら、ジャスミンは逃げて行くだろう。
そこで、私はしゃがんだまま小人歩きをしてスススッと近寄る。



ほら、ね。

ジャスミンは、このみどりのスプーンをチョイチョイしていて、流し台の中に落としたのである。
カシャカシャと音がしていたから、見なくてもわかっていた。

ジャスミンは、このみどりのスプーンが大好き。
缶詰を出すときも、おやつの時も、このスプーンを使っているからだ。

私が近寄って来て、叱られないけど・・・写真を撮っている・・・・。
ちょっとバツが悪い猫。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　えっと・・・


次にどう出るかと見張っていると、突然蛇口に飛びついた。



え？



そう来たか？！　取り繕いが唐突☆！　もう私は笑いをこらえ切れない！



ジャスミンは蛇口と戯れて、必死でごまかそうとしている☆！　猫の知恵。

あまりにも可笑しくてククククク・・・♪と肩を揺らして笑いが漏れる。



あ、ごめん。　気ぃ悪くした？

開き直ったジャスミン！　大胆にも寝転がる。



「シンク内、立ち入り禁止！」の言葉を忘れて、シャッターを切り続けてしまった。


　　　　あ、排水溝のワカメの一片は、見なかったことに・・・。

猫と暮らしていると、笑いが絶えない。


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