伏見顕正(あきまさ)の「時を斬るブログ」

日々のニュースや出来事を中心に率直な感想を書いていきます。また政治や景気などについて将来の予想や読みを書きたい。

【個人版民事再生法なう(2)】私が50歳過ぎて、どうやって再就職できたか?

2011-05-03 17:33:38 | Weblog
皆さんお元気ですか?新企画の(1)が意外と好評で、共感してくれた読者様が多かったので、早速の(2)をアップしたいと思います(笑)

タイトルの内容に行く前に、余談を一つ・・・・・
思えば、半年何て、あっという間に過ぎていきますが、昨年の秋から、現在までは、私の50年ちょっとの人生の中でも、もっとも劇的で、きりもみ急展開しながらジェットコースターの様に経過した半年でした。

前回お話ししたS先生に出会う1か月前、未だ猛暑の続く9月3日、私は祖父の代から付き合いが有り、お世話になっている弁護士のA先生の事務所に相談に訪れました。
勿論、個人版の民事再生法の弁護を依頼するためです。

しかし、瞬時に私の依頼は拒絶されました。先生は顔を真っ赤にして
「私は、そう言うのは嫌いだ(怒)自己破産だの、再生法だのと言うのは大嫌いだ。あんな、法律的手法が出てきたから日本の資本主義はおかしくなったんだ(怒)ああ言う仕事(個人版の民事再生法や自己破産)をする弁護士もいますよ!しかし、私はやりません(怒)」
気まずい沈黙が流れた後に、とどめは「それにしても、お前は何で働かないんだ?(怒)借金なら、会社に雇われて働いて返せ!職を紹介してくれる人がいないのなら、職安(古くてみじめなイメージですね、ハロワのことです)」に行って探せ(怒)」
A先生にこんなに厳しく叱責されたのは初めてでしたし、意外でした。普段は口数は少ないがユーモアも有って穏やかな人なのに・・・

まさに、フルボッコにされた気分でした。最後に恐る恐る「先生、相談料はいくらでしょうか?」と聞くと、笑って「法律論にしてはレベルが低すぎるから今日は無料だよ(笑)」落ちまでつきました(泣)

読者の皆様に注意してほしいのは、個人版民事再生法を手掛けてくれる弁護士と、やってくれない弁護士がいることです。それは、日本の民法学の戦後からのある種の歪み(ある大民法学者の呪縛)と、個々の弁護士のそれこそ生き方のスタンスの違いが有るからです。
A先生の渾身の大気迫に吹き飛ばされたかのように、私はA事務所を出ると、タクシーを拾って、まさにその足でハローワークに言って就活を始めたのです。
ハロワで就活をするのは、生まれて初めてでしたが、簡単な登録を済ませると、担当の女性のカウンセリングが始まりました。

担当者が「前の会社(大手の証券会社)を辞めた理由は何ですか?」
私「“燃え尽き症候群”と病気です。」
担当者「病気は何ですか?」
私「躁うつ病とひどい不眠症です。」
担当者「辞めてから5年間は何をなさっていたのですか?」
私「自宅に引きこもってリハビリに努めていました(笑)」
ここで、運良く担当者が機転を利かせてくれました。
担当者「う〜ん・・・前職を辞めてから5年間のキャリアのブランク(空白)が有るのでは、通常の「一般枠」では、採用は難しいですね・・・それに、退職の理由は病気だから、【障害者枠】で職探しをしてみませんか?」
私も、50歳と言う年齢と、5年間のキャリアのブランクを考えると「一般枠」では難しいと正直考えていたので、「それでお願いします」と同意しました。
すると担当者は、「それでは、障害者の専門のセクションにお連れしますから」と言って
誘導して、そのセクションの担当者に事情を説明してくれました。
新しい担当者は「【障害者枠】で職探しすると言う証拠に、この用紙に主治医の先生に記入してもらってください。」と用紙を渡されました。もう書式の名前も忘れましたが、ハロワの内部で必要な書類のようでした。数日後、かかりつけの神経内科クリニックの先生に記入してもらって、提出し、ハロワで就活を始めました。

不思議なセクションでした。ハロワの一般枠のフロアは、カウンセリングも順番待ちで、端末も空き席が無くぎっしりで、「人に酔う」と言った感じでした。
しかし、「障害者課」はカウンセリングの椅子も数席は空席で、職員の人も結構暇そうにしていました。
「これが障害者用の求人ファイルです。」と言って渡されたファイルを開くと、錚々たる大企業が結構求人しています。
「何でこんな有名会社が、障害者を求人しているんですか?」と率直に質問してみると
「それは、昭和34年に制定された社会福祉法と言う法律が有って、障害者の雇用促進のために、従業員数50人を超える事業所(工場や支店)は総従業員数の1.87%は障害者を雇用しなきゃいけないことになっているんだよ。充足率(1.87%)を満たさなくても別に罰則規定は無いんだけどね。充たせば国から助成金がもらえるから、大企業は結構積極的に障害者を雇用しようとしているんです。」担当者はわかり易く親切に教えてくれました。

私も、秘かに記憶に響くものが有りました。私は、慶應義塾大学の経済学部を卒業した後に、8年間NECと言う会社に就職していました。今は、結構落ち目で、かつての勢いは有りませんが、昭和60年代の前半は凄い勢いが有りました。関連会社も含めると、社員が15万人近くいたのです。
私は、本社の経理部で、経理マンとして次の証券会社に移るまで働きました。
有る時、横浜の工場を視察に行ったことが有りました。すると、経理部には、両腕で松葉杖をつかないと歩行できない男性社員や、手話でしか話せないろうあ者の女性職員がいました。案内してくれた横浜の経理部長に、「どうして、ああいう人たちがいるんですか?」と聞くと「いやあ〜法律が有って、自治体の要請で、各部何人か雇わなければならないんです。」と言っていたのを思い出しました。横浜の緑区の鴨居にあったその工場は、更地にされて売却されて今は跡形も有りませんが、当時は工場全体で3千人は従業員がいましたから、経理部で見かけたような障害者社員が、1.87%として、全体で26人はいた勘定になります。

私は、「これはいいや」と思いました。もう20年近く前の記憶ですが、NECの横浜で見かけた障害者社員も、障害者として一定の配慮を受けていたからです。
「50過ぎて、過労死やパワハラはごめんだ」と言うのが本音でした。
障碍者用求人ファイルを閲覧して、ビッグネームの住友生命の当地の支店に応募しようと思い担当者に頼みました。

担当者は電話してくれましたが、表情が曇り、電話はあっという間に終わりました。
「いや〜冷たかったよ・・・手帳を持ってないとダメだってさ(泣)」
「手帳ってなんですか?」
「障害者手帳のことだよ。あなた持って無いの?」
「持ってません・・・・」
住友生命は、障害者手帳を持っていることが応募の最低条件でした。
その日は、あきらめて帰り、翌日から、再度、ファイルに掲載された有名企業を、何社か
応募してみましたが、結果も理由も住友生命と同じ、手帳が原因で門前払いでした。

私は、ある“真理”に気づきました。これらの有名企業は、障害者の中から人材を求めているのではなくて、社会福祉法の充足率を達成し、国から助成金をもらうために、「障害者手帳を数多く集めたいんだ」これが企業の本音だと気付いたのです。
毎回企業に断られて疲れた担当者から「主治医の先生に手帳の申請を出してもらうことを頼んだらどうですか?」と奨められたことも有り、数日後、先生に精神障害者の手帳を発行してもらうよう申請業務を頼んでみました。
先生は「良いですよ、但し、あなたの病状から言って一番軽い級号だし、最終的に県が判断するから、万が一貰えないことも有るから、覚悟していてね」と言われました。
これが、昨年の10月の中旬で、先生の話だと最低1か月はかかると言われて、私は腹を括って、手帳が発行されるまで、就活は中断しました。

万が一を考えると不安な1か月でしたが、11月16日に、市から、障害者手帳発行の通知を貰って安心しました。
受領に市の福祉課に行くと、特典も含めて詳しく説明してくれました。私が、正直一番うれしかったのは、NHKの受信料が無料になることと、NHKのBSも無料で視聴できることでした。BSでメジャーリーグで活躍する日本選手の試合が見たかったのです。
そのとき既に、口座引き落としで1年間の受信料を払っていた私は、交渉にNHKに出向きました。NHKの担当者の女性は非常に親切に対応してくれて、11月から来年の4月までの受信料を日割りで返金する手続きを取ってくれました。単純ですが「公共放送って、やっぱり重要だな〜」と思いました。小泉政権の末期、極悪人の竹中平蔵は、NHKの民営化を企てていたからです。奴はビンラディンの様に5回は射殺すべきです(怒)

数日後、晴れて障害者手帳を持って、ハロワを訪れると、女性担当者のW氏が「伏見さん、もう手帳は貰えましたか?」と聞いてきました。「はい、貰えました」と答えると、「良かった、良い話が有るんです。」と言って、地元の地銀が、障害者だけを集めた特例子会社を設立する話が有るので応募してみないか?と言う話でした。手帳を貰ったとたんに、こうとんとん拍子に話が来て良いものかと一瞬戸惑いましたが、信用性抜群の地元の地銀なら間違いないだろうと思って、二つ返事で応諾しました。

当初、12月末に設立されるということでしたが、社内の事情で2月に伸びて、私も1月末に、めでたく採用通知を頂き、“わが闘争の【個人版民事再生法】”に突き進む基盤ができたのです。

その意味では「今すぐ、職安に行け(怒)」と怒鳴りつけてくれた弁護士のA先生に今では感謝しています。
ジャンル:
ささやき
キーワード
障害者手帳 民事再生法 社会福祉法 メジャーリーグ ビンラディン 特例子会社 精神障害者 元気ですか 燃え尽き症候群 ジェットコースター
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2 コメント

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Unknown (みるく)
2011-05-04 00:05:19
伏見先生、
またまた興味深い続編をこんなに早くupしていただいてありがとうございます。
すごく読み応えがありました。

実は、昨年、お付き合いしようと思った男性がいたのですが、
何度か会っていると、どうも精神障害のある方のようでした。
おそらくアスペルガで、先生のように社会的ストレスの犠牲になられたのではなく、生まれつきの障害の方のようでした。
しかし本人に自覚がありません。
その障害は一般では不可解な行動や言動があるので、一昨年前勤めていた会社を解雇されてしまったそうです。しかし本人は、自分が何故解雇されたかもわかっていませんし、その後の再就職もできていません。
私は、病院へ行って障害者枠での就職を勧めたのですが、自分で自覚がないので拒否され、それがきっかけで私もお付き合いをやめた、という経緯がありました。
素人なりにネットでその人の命式を見てみたら、今まで見たことのない「妨害殺」というものが出ていて、驚きました。

壮絶! (5niko)
2011-05-04 21:42:09
1に引き続き壮絶さに圧倒されながら拝読しました。

うちの会社も障害者採用はじめましたが
会社に段差もあるしバリアフリーじゃないのに
どうするんだろうという感じです。

国から助成金が出るとは知らなかったです。

何はともあれ伏見さんご就職おめでとうございます(o^∀^o)
シリーズ3も楽しみにさせていただいていますm(_ _)m

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