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「理想的な淡水水槽」 10.7. 藻とコケ 後編


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

10.7. 藻とコケ 後編



※10.7. 藻とコケ 前編より続く


藻やコケを水槽から排除するために最初に行うべき行動の一つとして、藻やコケの組織、そして[藻やコケ]と[水草]との関係についてもっとよく知るということが挙げられる。まず初めに、藻やコケが水草よりも単純な構造をしている生物だということを理解しなければならない。原則的に藻やコケと水草は、光・水温・栄養素について同様の要求をする。しかし現在の水槽の環境が水草に適しているのか、あるいは藻やコケに適しているかを判断するための基準には、やはりわずかな相違がある。

類似した生存条件を前提にして考えれば、この両者は食物の競争相手であると理解することができる。つまり藻やコケを水草に寄生する生物だと考えるのは間違いである。なぜなら藻やコケは、たいていの場合栄養素や生活領域を求めて水草と争う関係にあるからである。

我々は本書で、意識的に可能な限り理想的な条件を持つ水槽を構想し、これについて述べてきた。これはなぜか。例えば水草はたった一つ水槽内の生存条件にわずかな欠陥があるだけで成長が鈍くなる。また水草の栄養素が一つでも欠ければ、他の栄養素をどれだけ補給しようとも水草は生長を止めてしまうのである(リービヒの最小法則)。水草が生長できなくなれば、次は藻やコケの出番である。藻やコケはどんどん増殖し、水草に対して完全に優位に立ってしまう。

そのため、水槽にとって最も危険な段階である設置直後は、藻やコケが繁茂するリスクが最も高まる時でもある。これは、水槽全体の機能がまだ完成途上にあり、生物学的な意味でのバランスがとれていないからである。水槽設置直後は、植えられたばかりの水草がようやく新しい根を伸ばすとても大事な時期であり、水草はこの時期を無事にやり過ごさなければならない。この時期の水草は十分な光合成を行うことができず、生命活動を全うする能力に欠けているのである。



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生物学的 光合成 生命活動



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