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「理想的な淡水水槽」1.2.1.理想的な水槽 - その要求と課題
デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
1.2.1.理想的な水槽 - その要求と課題
「理想的な水槽」というタイトルの本を出すというのは、かなり思い切った試みである。我々の世界でいったい何が理想的で、何が理想的でないのだろうか。オスカー・ワイルドの言葉を信じるなら、理想的な水槽を作ることなど不可能にさえ思える。
しかし結局のところそれは、アクアリアナーがどのぐらい長く、そしてどのぐらいの緻密さで水槽に接していたかにかかっているのではないだろうか。水槽を所有していない人でも、植物が育つ水辺の光景やバランスの取れた食物連鎖によって生物が繁栄したり植物が繁茂するイメージを思い浮かべることができるだろう。水槽には何らかの要素が常に作用しているのである。
水中での生物の飼育は、思いつくあらゆる趣味の中でも最も多大な労力を要するものであると言える。つまり安心するということができないのである。それでも簡単に水中飼育というものを放棄することができないのは、それが他の簡単に行える趣味とはまるで違うものだからだ。既に述べたように、水槽を単なるプールではなく魚や植物のために自然に近い最適な環境を与えるものと考えるなら、自然を模した条件を作るための配慮、研究、そして常に注意を怠らない意思、そして何年もかかって得た経験なり実績の蓄積が必要になってくるのである。
アクアリアナーに要求されるこれらの事項は、元々生物が住む生活環境を変化させようとすればするだけさらに重要になる。魚や植物を地球の反対側へ、たとえばアマゾンやタイ、ニュージーランド、ボルネオあるいはマレーシアなどからヨーロッパへ移動させるなどということは想像を絶する大きな影響を生物に与える。
このような身勝手な人間の欲求に賛成を表明する場合、熱帯魚を飼うことへの興味と同様に、次のような義務が発生する。自然の生活圏から人間の勝手で遠ざけられた魚や植物に対して、アクアリアナーはそれらの生物を受け入れることが可能な、元々彼らが育ってきた生活圏と非常に近い環境を与えなければならないのである。
人工的に水槽内の環境を、動植物が生まれた自然の生活条件に近づけようとすればするほど、自分に課した義務に厳しく従うことになる。
明確に認識すべきことは、人工的な生活圏を形成する際に知識の不備があったり、誤った飼育法に従ってしまえば、その水槽はすぐに不完全なものになるということである。
植物を密集させ、的確な管理が施された水槽。
成長の速い植物が十分な酸素を供給し、水を浄化する。
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