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「理想的な淡水水槽」 6.5.1. トリクルフィルター

デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

6.5.1. トリクルフィルター


トリクルフィルターは以前からあるアクアリウムのろ過器(フィルター)のひとつだが、最近その性能が見直されてきている。この章ではトリクルフィルターの利点について説明する。

(1)は水の導入部である。アクアリウムの水がオーバーフロー管の上部、または底部から落ちてここに送られてくる。最上部に設置されたウール(2)で比較的大きなゴミを取り去られた後、水はパンチ板(3)を通る。多くの穴があけられたパンチ板は、水をドライろ過槽全体に均等に流す役割を持つ。ドライろ過槽にはバイオカスケード(4)が充填されている。水はバイオカスケードのボディ外側や複雑な骨組みの中を滴り落ちて、回り道しながら下へ向かう。ドライろ過槽の底部には大きめの穴が開いたプレートが設置されており、ろ過槽の底にたまる水にバイオカスケードが浸ることはない。しかしこのプレートは絶対に必要なパーツというわけではない。

ろ過槽の底部にはエアポンプに接続されたエアストーン(5)がある。エアストーンから送られる空気によって、落ちてくる水によって上から下へと運ばれる空気の動きとは逆に、ろ過槽のすべての部分を通って上昇する空気の流れを作り出すことができる。水の蒸発を防ぎたいのであれば、(1)の取水口に蓋(フタ)をすればよい。この時排気口として最低限必要な大きさの穴をフタに開けておくようにする。エアストーンから供給された空気は、セパレーター(6)があることにより必ずドライろ過槽内を通過し、上昇していく。

平板フィルター(7)の中で水中の沈殿物などが取り除かれる。さらにポンプ(9)の取水口にスポンジ(8)などを設置しておけば、汚濁物がポンプ内に入り込む心配はなくなる。

このろ過システムで重要な役割を果たすのがDuplaフロートスイッチである。内蔵された正確な電気式水位センサーが水位の異常な低下を感知し、即座にポンプの電源を切るため、ポンプの空回りを防ぐことができるのだ。

このろ過槽を最初に稼動させる前に、ろ過槽底部の貯水部を水で満たしておかなければならない。それからポンプのスイッチを入れると貯水部の水が水槽へ運ばれ、水槽内の水がオーバーフロー管を通りろ過槽へ落ちてくるという循環サイクルが始まる。貯水部の容量は、ポンプが停止した場合に水槽から落ちてくる水を貯水部だけで受け止めることができる大きさが少なくとも必要となる。またオーバーフロー部などに物理ろ材を設置すると理想的である。この際平板フィルターが最も効果が高いだろう。ドライフィルターの非常に高いろ過能力のおかげで、我々は余裕を持ってオーバーフロー部に物理ろ材を設置したり、物理ろ材を吟味したりすることができる。物理ろ材は使用期間が長くなると、様々な汚濁物質により水が通る際の抵抗が増していくため、水は物理ろ材の中をゆっくりと進み、そしてまた拡散される。物理ろ材の新鮮な空気が供給される部分には好気性バクテリアが繁殖し、活動のエネルギーとして酸素を硝酸塩から奪う。その後、残った硝酸塩の構成要素は窒素として水槽の外へ放出され、硝酸塩の分解がほぼ完成する。




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