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「理想的な淡水水槽」 11.3. 「理想的な水槽」に適さない魚 後編


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

11.3. 「理想的な水槽」に適さない魚 後編


※「理想的な水槽」に適さない魚 前編より続く


和金や琉金など金魚の仲間も、以下の2つの理由から我々の推奨する「理想的な水槽」のシステムには適さない。

1. 「理想的な水槽」の水温(通年25℃前後)での飼育に適していない。
2. 栄養補助の目的で柔らかい水草を食べてしまう。

リング状の模様を持つTetraodon biocellatus(ハチノジフグ)などの淡水フグと呼ばれる仲間は、通常水槽内のスネールを退治するために短期間水槽に導入されるが、この魚たちも水草の葉を噛んで丸い穴を開けてしまう「水草の敵」である。

Monodactylus argenteus(ヒメツバメウオ)とScatophagus argus rubrifrons(レッドスキャット)についても言及しておかなければならないだろう。この両者は海水から淡水までの広い水域に生息しており、飼育する際には水槽に塩分を加えてやらなければならない。しかし水槽に塩分を加えると、水草の成長は阻害される。また彼らは生息地では藻やコケ、あるいは植物を食料としているため我々の水槽には不向きである。

この章で述べた「理想的な水槽に適さない魚」のリストは決して完全なものではないため、読者には専門の文献を参考にしてもらいたい。それらの文献には魚たちの習性について、より明確に、そしてより詳細に述べられているはずだ。

我々の水槽システムに魚を導入する際には、その魚の習性を十分に理解しておくことが望ましい。現在ではその他にも数千にもおよぶ魚が入手可能であり、もし読者が好む魚が本書の推奨魚リストに掲載されていなくても、がっかりする必要はない。アクアリアナーを満足させ、水草と共存可能な魚を導入して素晴らしいコミュニティを水槽内に作り出せる可能性は無限にある。ここで「理想的な水槽」に適した魚種を選択する際のヒントを少々述べておこう。

1. 同じ水槽の中に、他魚をつついたり捕食したりするような魚がいてはならない。

2. 種類あたりの魚の数を多くする。つまり1つの種類の魚を多く入れる方が、20種類の魚を少しずつ入れるよりもはるかに見栄えがよい。

3. 導入する魚が成魚になった時の大きさを考慮して水槽の大きさを決定する。大型エンゼルフィッシュの成魚を高さ35cmの水槽で飼育するようなことは避けなければならない。

4. 通常購入する魚は未成魚であることが多く、水槽の中で我々が考える以上に速く成長するということも考慮しておかなければならない。

5. 水温は魚よりも水草に適合させる。

6. 水量1ℓあたり1cmの魚が入れられるという原則を守ること。ただし成魚を飼育している場合にはこの原則はまったく当てはまらない。魚の食欲とそれに伴うエサの量は成長とともに減少し、水槽にかかる負担が軽くなるためである。


Tetraodon biocellatus(ハチノジフグ)は水草を食害する
スネールを食べるが、この魚自体も水草をかじる。



金魚は「理想的な水槽」には不向きである。






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