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「理想的な淡水水槽」 8.1. 底床土に関する論争


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

8.1. 底床土に関する論争


どのような底床土が水草水槽にとって理想的かということについては、古くから議論が交わされている。このテーマは熱帯魚の研究が始まった頃から存在し、そしてお互いにほとんど相容れない2つの意見が対立している。一つは、水草が根から栄養分を吸収しているというものである。この意見に従えば、水草は栄養分に富んだ底床土を必要としているということになる。肥沃な底床土を与えることにより水草は確実に成長すると考えられるため、場合によっては牛やウサギなどのフンを底床土に混ぜるといったやり方が推奨されることもある。もう一つの意見はこれとはまったく正反対の見解を示す。根はあくまで水草本体を安定させる足として機能しており、栄養分の吸収は葉が行うと主張しているのだ。つまり水槽の底床には、よく洗浄された清潔な砂さえあればよいということになる。

細かな点で底床土についてはさらに様々な意見が存在する。果てしない議論は数え切れない処方を生み、提唱者の性格や考え方によってその処方は世の中に広められたり、あるいはあくまで秘密のまま保たれたりする。この種の「秘訣」とでも言うべきものは、ある一定の条件の下ではうまく機能するが、長い目で見ると残念ながらよい手本とはならない。過度に「肥えた」あるいは「痩せた」底床土の提唱者が自分の考えのもとに行う実験は、彼らが長い間正しいと考えてきた意見を世の中にただ示しているに過ぎない。

長年の議論の間に、様々な試みによって底床土の構成要素は水草の成長に非常に重要な役割を果たすことがわかってきた。従っていかなる場合においても、底床土は水草のための栄養分を含んでいるものを使用するということが「理想的な水槽」における底床作りの前提条件となる。


タイ南部のクリプトコリネが自生する小川



1の小川から採取した土。
粘土や水草の葉、根などが含まれている。
この土からは、非常に多くの鉄分が検出された。




1の小川から採取されたCryptocoryne cordata。
根は茶色に見えるが、実際はそうではない。
根を包む鉄分の多い「ころも」のような土が
水草の成長に非常に重要なのである。




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