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「理想的な淡水水槽」 8.2.2. 天然の土壌に学ぶ


デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」

8.2.2. 天然の土壌に学ぶ


この章で述べてきた水槽の底床土に関する問題を解決し、水槽の中で最もよい結果をもたらす底床土とは一体どんなものなのだろうか。ここで再び、多くの水草の故郷であり、彼らが健康に成長している熱帯の小川を詳しく見てみよう。

熱帯の河川や湖沼において水草を取り巻く典型的な環境については本書の9章10章でもう一度詳しく触れるが、水草が多く見られる場所について一言で言えば、鉄分を多く含む土壌がある所、ということになる。特徴としては土壌の色が赤茶色で、岸が傾斜している。

ここでアクアリアナー諸君に警告しておかなければならない。酸化が進んだ底床土がある水槽の中では水草がよく育つという「伝説」と、自然の水辺から得られた実際のデータとを比べてみるべきだ。ここでかの悪名高い、錆びた釘を水槽に沈めるという話を思い起こさない者がいるだろうか。熱帯河川の底床土の構成要素や化学的な現象について何も知らなくとも、鋭いアクアリアナーであればこのたとえ話を聞いて真実を知ることだろう。

水草が自生する熱帯河川では、植物は砂利と粘土の底床に根を張り、枝や葉、さらに底床から栄養を吸収する。砂利と粘土の間には多くの中間層が存在し、特定の土壌のモデルを選ぶことは容易ではない。時として、多くの植物の根や枝で構成される頑丈な網状組織の中で、あるいは川底の石と石の間で成長する水草がある。これらは手で損傷なく引き抜くことは出来ないが、スコップなどの道具があれば採取して観察することができる。

我々が調査を行った水草が自生するすべての河川について言えば、理想的な地下水の流れによって、底床への良質で永続的な通水があることが確認できた。一方、腐ったり、黒化している土壌では水草を見ることはできなかった。

残念ながら水槽内においては、自然界と同じ底床への通水を求めることは出来ない。水槽の構造上仕方のないことだが、底床土付近の水は淀んでいる。そのため底床土が酸欠を起こし、黒ずんで劣化してしまう傾向がある。このような底床土に植えられるということは、すべての水草にとって死を意味する。そしてこの状態になった底床土は、もはや救うことはできない。この底床土を水槽から取り去り、新しいものを補充するしかないのである。


理想的な水槽の底床は天然熱帯紅土(DuplaRit G)と
クオーツサンド(石英砂)を混ぜて作る。混合はバケツの中で行うとよい。






水槽最底部には24Vの低電圧ケーブルヒーター
(Dupla Flex)を設置する。そしてその上にクオーツサンドとDuplaRit Gを
混ぜ合わせたものを敷く。最後にクオーツサンドを上から敷けば完成だ。




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