デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
3.1.1. 理想的な水槽のサイズ
現在ショップで売られている規格水槽は、幅と奥行きに対して少々背が高すぎるものばかりである。照明の届く範囲を考慮して、幅と奥行きから理想的な高さを割り出すべきだろう。また極端に深さのある水槽は、その深さゆえに高い水圧がかかるため厚いガラスを使用しなければならないということを忘れてはならない。最近では規格水槽ばかりではなく、いわゆる「オランダ型」のものが多くなってきており、これは幅が広めになっている。
水槽を購入する前に、使用する照明を基準に水槽のサイズを決めるという方法も考慮すべきであろう。蛍光灯の場合、確かに様々なサイズが販売されているが、規格サイズ(60cm-20W、90cm-30W、120cm-40W、150cm-65W)以外のものは非常に高価である。そこでLumiLuxの検討をすることになる。これは照度にして30%ほど蛍光灯より高いが、規格化されたものしか販売されていない。
蛍光灯を使用する場合、当然ではあるが60cmの蛍光灯を幅60cmの水槽に使用することはできない。これは蛍光灯の左右にソケットを取り付ける空間が必要になるためで、基本的に水槽の幅は蛍光灯の長さよりも10cm長くなければならない。そのため蛍光灯を使用する際の「理想的な水槽」の幅は70cm、100cm、130cmそして160cmとなる。
水槽の寸法を表す時に[幅]や[高さ]を[深さ]と呼ぶことがある。本書では水槽の寸法をa×b×cと統一して記すことにする。a×bは水槽底面の長さ×幅(つまり水槽底面の面積)を表す。cは水槽の深さだ。照明の効果を最大限享受し得る理想的な水槽の寸法例は、70cm×45cm×30cm、100cm×50cm×40cm、130cm×60cm×45cm、160cm×65cm×50cmとなる。水量を割り出すにはa×b×cを1000で割ればよい。例えば160cm×65cm×50cmの水槽では、水量は520ℓである。
1ℓの水は1kgの重さがあるということは周知の通りだ。従ってこの例の場合水の重さは520kgである。経験上、水槽を稼動させるときの重量はこの20%増しとなる。これは砂や岩、さらにフィルターなどの周辺設備の重量が加わるためだ。よってこの水槽の総重量は110kgほど増加して、最終的には630kgとなる。この重量には水槽を乗せるキャビネットの重量は含まれていないので注意して欲しい。
一般の家庭では1平方メートルあたりの許容荷重は150kg程度しかない。水槽、特に大きく重たいものを設置する場合には、自分の家を建てた建築家に、あらためて自分の家に関する様々な質問をすることが必要となる。部屋の真ん中に大きな水槽を設置する場合は、特に念入りに補強をしなければならない。水槽の重量が部屋や家全体に深刻な影響を与えることがあるからだ。一般的に水槽は壁沿いに設置するのが望ましい。
この写真は以前よく用いられていた水槽(右)と
理想的な水槽(左)のサイズを比べたもの。
現代の水槽では底床土まで光が届く。
ブログ内検索キーワード
照明 ガラス 蛍光灯 照度 フィルター キャビネット 底床土
←前のページ 次のページ→
「理想的な淡水水槽」目次へ
Dupla&HOBBY exclusiv ブログトップへ