デュプラメソッド「理想的な淡水水槽」
9.1.2. 流れのない水
流れのない水の例として、スリランカにあるいわゆる「ため池」が挙げられる。これらはその大部分が人工的に設計され、貯水池としての役割を果たしている。このようなため池の歴史は、古いものでは紀元前にまで遡る。その後歴史は様々な文明を経験した。我々の耳に「ため池」という言葉はあまり心地よく響かないが、アクアリアナーにとってはいくつかの連想を思い起こさせる言葉でもある。ため池→貯水池→水槽といった具合に。
これらのため池には、我々が水槽内で大切に育てている水草が存在している。驚くことに、Hydrilla verticillate(クロモ)、Aponogeton(アポノゲトン)、Utricularia(ウトリクラリア)、Myriophyllum(ミリオフィラム)、Bacopa(バコパ)、Rotala(ロタラ)、Limnophila(リムノフィラ)、さらにOttelia alismoides(ミズオオバコ)、Ceratopteris thalictroides(ウォータースプライト)、Trapa maximowiczii(トラパ・マクシモビッチ)、Limnocharis flava(リムノカリス・フラバ)、Elodea(エロデア)、Sagitaria(サジタリア)などが束になって生息しているのである。
もちろんこれらのため池には、浮き草や湖沼棲の植物も多く存在する。例えばNymphoides aquatica(バナナプラント)、Nymphoides indica(ガガブタ)、Nymphaea stellate(タイ・ニムファ)、Pistia stratiotes(ウォーターレタス)、Salvinia auriculata(オオサンショウモ)などや、スイレン科の植物などが見られる。
典型的な「流れのない」環境であるスリランカのため池。
水槽用水草として知られる多くの植物が生い茂り、
成長の速い有茎植物も多数見られる。このため池には
クリプトコリネの仲間が棲息する小川の水が流入しているが、
ため池の中にクリプトコリネの姿を見ることはできない。
この写真はスリランカ・ポロンナルワ近くの巨大な
人工湖=ミリニヤ湖における河川工事技術を示している。
池の中にはBacopa、Blyxa、Ludwigia、Salvinia、Pistia、
Limnophila、Aponogetonなどの植物が多く見られるが、
これらの植物の多くはスリランカ原産ではない。
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