いうのはいい案だ

レイに聞こえるように言い、葉卓悅Bioderma月が吹き出した。
確かに、飄々としていつも余裕のレイだが、蓮とは付き合いが長いからだろうか。彼といると少し幼く見える。
さて。皆出てしまいましたが、作戦会議を続けましょう」
って言っても手詰まりだよね」
ですね…。カナンに時期戻りますが、やはりラストリゾート』を根こそぎ燃やしてしまうというのが計画阻止には一番いいんじゃないでしょうか？」
だよね…。でもそうしたらレイチェルさんが…」
彼女をリサ先生に見せるというのはいい案だと思いますよ。何も特効薬が作れなくても、精神状態を良くする方法はあるはずです」
うん…。もう一度蓮さんに提案してみるね」
そうしましょう。」
オレからも言っておくよ。…あれ？」
どうしたの？」
レイはモニタを見つめながら一点を凝視している。
来月、雨宮製薬の創立記念６０周年パーティーがあるって…」
レイが続ける。
パーティー？」
船上パーティーだって。何か卓悅冒牌貨におわない？」
プンプン匂いますねぇ、それ…」
何が起こるの？」
まだ分からない。これについてちょっと情報を集めよう。王子…」
はい。行ってきます。」
王子はレイの言わんとしていることをすぐさま理解したようで、さっさと部屋に向かってしまった。
どうしたの？」
こういうのは王子の人脈の出番さ。占い結果にかこつけて占い部屋にターゲットを呼び出す。適当な占いをしながら情報を引き出すのさ。まぁ、詐欺の基本だね」
え。でも王子の占いって本当に卓悅冒牌貨
当る…んだよね」
そりゃね。それであれだけ有名になったんだから。でも、その知名度と信頼度を利用させてもらってるってわけ」
レイの発案だよね、それ…」
葉月は呆れたように溜息を付きながらレイを見る。
うっわ、傷つくなぁ～。」