以前は、昼間テレビを見ることはめったになかったのだが、近頃、妻が韓国映画の「チャングム」を見るので時々一緒に見ることがある。 民放なので自然と”コマーシャル”も見ることになる。
そして思ったのだが、今世間に出回っているサプリメントはいったいどれぐらいあるのだろう。 昼間テレビを見る人たちの多くが「高齢者」のせいなのか、「健康増進」や「若さを保つ」という”お題目”の商品がやたらと目に付く。
サプリメントというのは”薬”ではなく、”食品”でもない。 要するに「栄養補助食品」なのである。 それでは栄養補助食品とは何かということになる。
よく判らないので早速インターネットで検索してみる。 すると、辞書検索結果として以下のように出てくる。
「 ビタミンやミネラルなど不足しやすい栄養素を補うための食品。栄養素を凝縮し、錠剤や飲料の形にしたものが多い。サプリ。栄養補助食品。健康補助食品。」
要するに、本来は普通の食品から摂取するべき栄養素を「簡単に摂取できるように形を変えたもの」というようなことになる。
ところが、昼間のテレビコマーシャルを見ていると、広告にでてくる”その”サプリメントを摂らないと「歩けなくなる」、「立てなくなる」、「目が見えなくなる」、「肌が弛んでくる」、「老化が早くなる」などといったような「強迫観念」にとらわれそうになる。 見ている方にしてみれば、多かれ少なかれ”思い当たる”ことばかりを指摘されるのである。
高齢者なら「衰えて当然のこと」までも、それがいかにも”怠慢”のせいのように思わされてしまう。 そして、そのサプリメントを摂れば「衰えを防止できる」かのように思わされる。
摂らないよりは摂ったほうが良いのかもしれないが、その効果の程は明確ではない。 「プラス」をもたらすというよりも「マイナス」を減らすという効能をいっているもののほうが多いので、”効果”は出ているのか出ていないのかハッキリしないことが多いのではないだろうか。
要するに、”信仰宗教”のようなもので、「効果が出ている」と思えば効果が出ているのである。 ご婦人の「化粧品」などに良く似ている。
だから、”高価”なモノが多い。 これだけの値段なので効果があるに違いないと思うと効果が出てくるのだと思う。
「鰯の頭も信心から」という。 「信じ込む」ことほど恐いものは無い。 「サプリメント信仰」もほどほどにしておかないと、しまいに”茶の木畑”に迷い込んで、本道を見失ってしまって「どれが正道やら」「何がなにやら」判らなくなってしまう心配がある。