2008.09.05(金)
ドミニカからのフライトでアンティグア・バーブーダへと到着。
今までは全ての島国に2泊づつだったが今回は1泊の予定だ。
というのも次の国はセントクリストファーネイビス、ここに行ってからまたここに戻ってこなければドミニカ共和国へとフライト出来ないので、先ず一回目のアンティグア・バーブーダ(以下アンティグア)では当初1泊、次に3泊の予定にしてこの間にセントクリストファーネイビスの2泊を入れるフライトチケットを持っているからである。
もっともドミニカからアンティグア経由でセントクリストファーネイビス行きのチケットも買えたのだが、チケット購入段階でどうしも格安航空会社のコネクションフライトが信用できず、このように1泊する買い方にしてしまったと言うこともある。
今にして思うと失敗だが、その為の最初の1泊、これはどうせ泊まるだけだからホテルも空港近くでそれ程高くなければそれでいいと思ってホテルを探すことにした。
アンティグアの空港
空港で聞くと空港近くエアポート・ホテルがあるという事だ。
私は早速値段を確認しに行く
これがそのエアポートホテル
『55ドル・・・』
これでエアコンやら朝食やらついていればまあいいが・・・
トイレシャワー付ではあるもののファン(扇風機)そして朝食なし・・・
私は少し逡巡した後、他に安宿を探すことにする。まだ昼頃、時間もあるし次に戻ってきた時の為の調査もしておきたい。
ホテルの人に聞くと歩いていけるところに他にアパートがあるらしい。
私は彼女に“そっちも見てそれからどうするか決めるよ。”と言ってホテルを後にする。
歩いていけると聞いていたアパートは以外に遠く、10分歩いてもまだつかない。
気温30度、湿度は90%を超えるカリブ海の島々、探す途中に面倒になり、一度首都であるセント・ジョーンズに出て観光案内所にホテルのリストを見せてもらおうと考え、バスを待つことにした。
バス停で待ち始めて2分ぐらいたったころだろうか。
ミニバンが急に私の目の前に来て泊まる。ミニバンには「エアポートホテル」のロゴが描かれている。
先ほど私が値段を聞いたエアポートホテルの受付のおばさんが降りて私に向かってくる。ただならぬ様相だ。
彼女は私を見るなり急にこう言葉を投げつけてきた。
「あなたっ!私の携帯を取ったでしょう!!机の上に置いてあったのが無くなったのよ!!あなたから後に誰も来てないからあなたが取ったとしか考えられないわ!!カバンを開けて見せなさい!!そうじゃないと警察を呼ぶわよ!!」
『・・・・』
『・・・・・・』
待て・・・状況証拠は彼女の言うように全て揃っている。
だが・・・俺が携帯をとってどうするのだ?
55ドルのエアポートホテル、アンティグアでは高いホテルではない。
だが、この値段を聞いて考え込むような客だから確かに携帯ぐらいとりそうだと思って疑っているのか?
彼女の推測はこういったところだろう。でも・・・・
人のカバンを開けて見せろとそんな言い方で言ってくるのか?
俺は何もとっちゃいない、それなのに最初から犯人扱いしてくるのか??
私は彼女を見る。どう見てもの頭の中は混乱中だ。言いたい事もあるがここは先ず嫌疑を晴らすのが先だろう。それにこんな暑いところでごちゃごちゃと先に言い返すのも面倒だ。どう考えても彼女の要求は失礼だが、ここは一度俺じゃないことを完全に分からせてから改めて言い返してやればいい・・・
私は2つ持っているうちの小さなカバンを先ず開ける。中の物をどんどんと出す。もちろん彼女の携帯などある訳が無い。
彼女は私のポケットを見て「そこも出しなさい」と・・・
『はぁ~』
ため息をつきつつ、私はポケットの中身を見せる。もちろんある訳が無い。
後は大きなカバンだが・・・
ここで私は彼女に一言、言うようにした。
『あなたの状況は完璧に理解している。だからこうして協力をしてあげてる。だが、一言言わせてくれ。俺が仮に犯人であったとしてもあなたの聞き方は常軌を逸して失礼だ。何故、“疑って申し訳ないですが、どうかカバンを見せてください”と言えないんだ!!』
「でもあなたの後に誰も来ていないのよ、だから・・・」
『今言ったようにそれは理解している、それにあなたは混乱しているからこうしてまず俺の疑いを晴らそうと協力してあげているんだ。俺が犯人ならいい、でも俺が犯人じゃなかったらどうしてくれるんだ?なんで一言プリーズをつけて言わないんだ!!あんたホテルの人間だろう、仮にも客になるかも知れない人間に対して最初から犯人扱いしてくるのか?』
私はそういいながら最後の大きなカバンを開け始める。
サイドポケットも開き、彼女に私で無いとはっきりと分かる形にする。
ここに来てようやく彼女も“少なくとも私ではない”と得心がいったようだ・・・
小さな声で「ソーリー・・・」と言ってきた・・・
『ふぅぅぅ~・・・』
ここで私はさらに言葉を足すことを決める。人を疑うだけ疑って、「ソーリー」だけで終わらせられたのならたまったものじゃない。
過去145カ国、私は一度として“盗んだ”と人に疑われたことなど無い。もちろん“盗んだ事”も無い。こんな事は初めてだ。彼女が私を疑った気持ちも良く分かるが、疑いが晴れた今。キチンと謝罪をしてもらわなければ私のこの傷ついたハートは癒せない・・・
『Excuse me but...(失礼だが・・・)』
その時にセント・ジョーンズ行きのバスが来た・・・
これを逃すと次の便がいつ来るか?それはわからない。
『はぁぁぁぁ~(溜息)』
私はこの際は彼女からの謝罪よりも自分の次の行動を選ぶことにした。
このうだる暑さの中、人を説教してまたバスを待ってなどもう面倒でやってられないからだ。
この後セント・ジョーンズに行き、そこで聞いたおそらく島内最安の宿(といっても30US$)に泊まる事となる。
だが今回のこの一連の出来事・・・
エレガントの名を欲しい儘にするこの“プロフェッショナル”がこうして疑われるなんて・・・
アンティグア・・・
私はこの後セントクリストファーネイビスに行くとはいえここにまた戻り、3泊してからドミニカ共和国へフライトする。
ということは、ここが私にとって東カリブ海最後の国である。
全て2泊の日が東カリブ海の島国で合計4泊するのはここだけだ。
だからこそ、ここでは目一杯いい思いをしたかったのに・・・
アンティグア・バーブーダ。
その始まりは、私にとってほろ苦いものとなった・・・
ドミニカからのフライトでアンティグア・バーブーダへと到着。
今までは全ての島国に2泊づつだったが今回は1泊の予定だ。
というのも次の国はセントクリストファーネイビス、ここに行ってからまたここに戻ってこなければドミニカ共和国へとフライト出来ないので、先ず一回目のアンティグア・バーブーダ(以下アンティグア)では当初1泊、次に3泊の予定にしてこの間にセントクリストファーネイビスの2泊を入れるフライトチケットを持っているからである。
もっともドミニカからアンティグア経由でセントクリストファーネイビス行きのチケットも買えたのだが、チケット購入段階でどうしも格安航空会社のコネクションフライトが信用できず、このように1泊する買い方にしてしまったと言うこともある。
今にして思うと失敗だが、その為の最初の1泊、これはどうせ泊まるだけだからホテルも空港近くでそれ程高くなければそれでいいと思ってホテルを探すことにした。
アンティグアの空港
空港で聞くと空港近くエアポート・ホテルがあるという事だ。
私は早速値段を確認しに行く
これがそのエアポートホテル
『55ドル・・・』
これでエアコンやら朝食やらついていればまあいいが・・・
トイレシャワー付ではあるもののファン(扇風機)そして朝食なし・・・
私は少し逡巡した後、他に安宿を探すことにする。まだ昼頃、時間もあるし次に戻ってきた時の為の調査もしておきたい。
ホテルの人に聞くと歩いていけるところに他にアパートがあるらしい。
私は彼女に“そっちも見てそれからどうするか決めるよ。”と言ってホテルを後にする。
歩いていけると聞いていたアパートは以外に遠く、10分歩いてもまだつかない。
気温30度、湿度は90%を超えるカリブ海の島々、探す途中に面倒になり、一度首都であるセント・ジョーンズに出て観光案内所にホテルのリストを見せてもらおうと考え、バスを待つことにした。
バス停で待ち始めて2分ぐらいたったころだろうか。
ミニバンが急に私の目の前に来て泊まる。ミニバンには「エアポートホテル」のロゴが描かれている。
先ほど私が値段を聞いたエアポートホテルの受付のおばさんが降りて私に向かってくる。ただならぬ様相だ。
彼女は私を見るなり急にこう言葉を投げつけてきた。
「あなたっ!私の携帯を取ったでしょう!!机の上に置いてあったのが無くなったのよ!!あなたから後に誰も来てないからあなたが取ったとしか考えられないわ!!カバンを開けて見せなさい!!そうじゃないと警察を呼ぶわよ!!」
『・・・・』
『・・・・・・』
待て・・・状況証拠は彼女の言うように全て揃っている。
だが・・・俺が携帯をとってどうするのだ?
55ドルのエアポートホテル、アンティグアでは高いホテルではない。
だが、この値段を聞いて考え込むような客だから確かに携帯ぐらいとりそうだと思って疑っているのか?
彼女の推測はこういったところだろう。でも・・・・
人のカバンを開けて見せろとそんな言い方で言ってくるのか?
俺は何もとっちゃいない、それなのに最初から犯人扱いしてくるのか??
私は彼女を見る。どう見てもの頭の中は混乱中だ。言いたい事もあるがここは先ず嫌疑を晴らすのが先だろう。それにこんな暑いところでごちゃごちゃと先に言い返すのも面倒だ。どう考えても彼女の要求は失礼だが、ここは一度俺じゃないことを完全に分からせてから改めて言い返してやればいい・・・
私は2つ持っているうちの小さなカバンを先ず開ける。中の物をどんどんと出す。もちろん彼女の携帯などある訳が無い。
彼女は私のポケットを見て「そこも出しなさい」と・・・
『はぁ~』
ため息をつきつつ、私はポケットの中身を見せる。もちろんある訳が無い。
後は大きなカバンだが・・・
ここで私は彼女に一言、言うようにした。
『あなたの状況は完璧に理解している。だからこうして協力をしてあげてる。だが、一言言わせてくれ。俺が仮に犯人であったとしてもあなたの聞き方は常軌を逸して失礼だ。何故、“疑って申し訳ないですが、どうかカバンを見せてください”と言えないんだ!!』
「でもあなたの後に誰も来ていないのよ、だから・・・」
『今言ったようにそれは理解している、それにあなたは混乱しているからこうしてまず俺の疑いを晴らそうと協力してあげているんだ。俺が犯人ならいい、でも俺が犯人じゃなかったらどうしてくれるんだ?なんで一言プリーズをつけて言わないんだ!!あんたホテルの人間だろう、仮にも客になるかも知れない人間に対して最初から犯人扱いしてくるのか?』
私はそういいながら最後の大きなカバンを開け始める。
サイドポケットも開き、彼女に私で無いとはっきりと分かる形にする。
ここに来てようやく彼女も“少なくとも私ではない”と得心がいったようだ・・・
小さな声で「ソーリー・・・」と言ってきた・・・
『ふぅぅぅ~・・・』
ここで私はさらに言葉を足すことを決める。人を疑うだけ疑って、「ソーリー」だけで終わらせられたのならたまったものじゃない。
過去145カ国、私は一度として“盗んだ”と人に疑われたことなど無い。もちろん“盗んだ事”も無い。こんな事は初めてだ。彼女が私を疑った気持ちも良く分かるが、疑いが晴れた今。キチンと謝罪をしてもらわなければ私のこの傷ついたハートは癒せない・・・
『Excuse me but...(失礼だが・・・)』
その時にセント・ジョーンズ行きのバスが来た・・・
これを逃すと次の便がいつ来るか?それはわからない。
『はぁぁぁぁ~(溜息)』
私はこの際は彼女からの謝罪よりも自分の次の行動を選ぶことにした。
このうだる暑さの中、人を説教してまたバスを待ってなどもう面倒でやってられないからだ。
この後セント・ジョーンズに行き、そこで聞いたおそらく島内最安の宿(といっても30US$)に泊まる事となる。
だが今回のこの一連の出来事・・・
エレガントの名を欲しい儘にするこの“プロフェッショナル”がこうして疑われるなんて・・・
アンティグア・・・
私はこの後セントクリストファーネイビスに行くとはいえここにまた戻り、3泊してからドミニカ共和国へフライトする。
ということは、ここが私にとって東カリブ海最後の国である。
全て2泊の日が東カリブ海の島国で合計4泊するのはここだけだ。
だからこそ、ここでは目一杯いい思いをしたかったのに・・・
アンティグア・バーブーダ。
その始まりは、私にとってほろ苦いものとなった・・・