
「ファンなら名古屋クアトロで観るべき!」ということばを聞いたのは、帰ってきてからだ。
わたしのなかで、Fleet Foxesの人気はますます大きくなっていたので、
先行発売を逃してしまった東京公演のチケットを、買う自信がなかった。
ちょっとさみしい誤算が、名古屋に行った理由のひとつ。
それと、数々の伝説ライヴを生んだ会場で観るのもアリかもしれないと思ったから。
ひさびさに新幹線に乗り、何年振りかの旅行気分だった。
「入りが悪い、遅い」というウワサ通り、狭い会場なのに一向にひとが集まってこない。
なんだか、こちらが申し訳ない気分になりながら、心配だったのも確かだ。
いつもなら少し後ろで落ちついて観るほうだけど、
そんなバカなことしてる場合じゃない!と前の方に陣取った。
観客も段々増えてきた。そしてステージの幕開け。。。
なんと表現してよいのだろう。
あとでいろいろなひとの感想を見てみると、同じようなことばが出てきていた。
そう、今まで観てきたどのロック・バンドのライヴとも全く違う感じ。
こころは興奮していて、それこそ3mくらいのところにメンバーがいて、
頭のなかが、アドレナリンで満たされているのだけれど、
叫ぶでもなく、からだをゆさぶるでもなく、
「すべての音を、漏らさずにぜんぶ聴きのがしたくない、
できればこのハーモニーと、いっしょになってしまいたい」と思ったのだ。
(インチキ英語のスラ歌でコーラスに参加したよ)
出てくることばは、ただ「うつくしい」のひとこと。
今までロックのライヴで、「うつくしい」なんて思ったことあったっけ?
あったかもしれないけれど、これほどうつくしく素晴らしい音楽の時間はなかった。
「目をつむって聴いているとCDみたいなんだよね、もちろんいい意味で」
と、ダンナは言った。
それほどの完成度の高いハーモニーと演奏に、ちいさな会場はすっぽり包まれた。
たぶん会場中、すべてのひとがしあわせを感じていたのではないだろうか。
至福の時間の余韻は、いまだにずっと残っている。
ドラマーは脱退してしまったし、メンバーのサイド・プロジェクトも始まっている。
Robinは「次はまったく違うサウンドになると思う」と言ってたっけ。
次回こうしてお目にかかれるのがいつになるのかわからないけど、
ずうっとこの日の気持ちを思い出して、ひたすら待っていられる、と思った。(R)











