ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『バッシュメント』

2005-11-24 23:15:48 | 新作映画
----あっ、土屋アンナだ。しかも監督が「フックン」なんだって?
「そう、シブがき隊のね」
----う~ん。他の顔ぶれを見てもテレビでおなじみの人ばかり。
あんまり期待できそうにないなあ。
「確かにビミョーだね。
見方によっては悪ふざけにすぎないとも言える。
でもまた別の見方をすれば、
映画への愛がつまっている作品とも言える」

----へぇ~っ。どんなところが?
「たとえば冒頭は、
傷の入った色あせた昔のフィルム。
大林宣彦ばりの字幕が挿入され、
サイレントによって主人公の子供時代を紹介。
そこではヒロイン、樹里と兄・隆が
仲睦まじくサーフィーンに興じている姿が描かれる。
溺れかかった彼女を救ったのがイルカ……。
そして時代は現代へ。
後に<史上最悪の夜>と呼ばれた
横浜での一夜が描かれると言うわけだ。
しかもめちゃくちゃポップにね」

----ふうん。どんな風に。
「映像の方ではコマの時間を引き伸ばしたり、
時間軸を行き来したり。
美術の方もゲバラの写真を貼っているタクシーと言ったベタなものから、
テンガロン・ハットにアロハ姿の殺し屋、
果ては1955年製初代、赤のコルベットまで、
観る者の目を十分に楽しませてくれる。
でも内容は、本来ハードボイルドなもの。
そこに土屋アンナが、あのハイテンションでからむモノだから、
一風変わった仕上がりとなっている」

----ところでどんなお話なの?
「詳しく話し始めると、きりがないので簡単に。
子供の頃、隆は両親を殺して行方をくらましてしまった」

-----え~っ。仲良かったんじゃ?
「そうなんだよね。
で、樹里は兄への復讐を堅く誓っている。
そんな中、樹里はギャンブルのいかさまを見抜いてキレたことから、
店を壊した修理代1000万円を24時間以内に作ることを要求される。
ところがその金を作るために
組織のダイヤ取引現場からダイヤを強奪。
その組織のボスに仕えているのが名前を海人と変えた隆だった・・・というわけ」

----ほとんど、バカだ。その樹里ってのは…。
「まあ、漫画みたいなもんだね。
でも、この映画、フックンがいかにも楽しそうに作っている。
自分も楽しみ、観る人も楽しませようと言うのが
隅々からにじみ出ていて憎めないんだ。
なんと言ったらいいかな。映画と戯れてるって感じ。
ただ、録音がどうもね。
言葉が聞き取りづらくて、
必要以上に込み入った人間関係を理解するのが難。
本来、気楽な映画だけに、
そのあたりの技術はきちっとしてほしかった気がするな」

----そうそうタイトルの意味教えてよ。
「レゲエ用語でパーテイーを派手に開くこと。
確かに、映画そのものが派手なパーティーと言えるかも」

                  (byえいwithフォーン)

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