ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『なくもんか』

2009-09-23 21:44:05 | 新作映画
----ほんと、一週間は長かったニャあ。
いよいよ今日から本格再開。
でも最初に選んだ作品が、まさかこれとは…。
確かクドカンの脚本だよね。
「いやあ。シルバーウィーク直前に観た映画の中では、
これはなかなかのヒット作。
やはりクドカンはこうこなくっちゃ」

----ん?それってどういう意味?
「なんのかんの言っても、彼にはコメディが似合うってこと。
しかもこの映画は、主演に阿部サダヲを据えての“泣ける喜劇”。
フライヤーによると“笑える悲劇”でもあるんだけどね」

----そのフライヤーでは、
阿部サダヲが大きなハムカツをくわえて涙を流しているよね。
これってどういうお話?
まさか、食べ物の映画じゃニャいよね。
「(笑)。さすがにそれはないね。
あらすじを簡単に説明するとこうなる。
幼い頃、無茶苦茶な人生を送る父(伊原剛志)に捨てられ、
生き別れた兄弟。
阿部サダヲが演じるのは、この弟・祐太の方。
ハムカツ屋『デリカの山ちゃん』の初代夫婦(カンニング山口&いしだあゆみ)に、
実の息子のように優しく育てられ、
その恩返しとばかりに一生懸命に働く彼は、
いつも笑顔を絶やさず、しかし笑顔の裏で“堂々と(笑)”泣いている。
やがて祐太は二代目店主に。
そんなある日、家を飛び出していったまま行方知れずだった徹子(竹内結子)が
子供を連れて突然帰ってくる。
デブで不細工だった徹子は、まるで別人のような超美人に。
初代店主の『デブじゃなきゃ、嫁に貰ってほしいんだけどな』の遺言を思い出した祐太は、
数々の謎が残る徹子を問い詰めるでもなく受け入れ、
どさくさにまぎれてプロポーズ。
一方、弟の祐介(瑛太)は、
度重なる転校でもイジメられないために
身につけた生きる術“笑い”を武器に芸能界へ進出。
赤の他人の金城大介(塚本高史 )と組んで
兄弟漫才師・金城ブラザーズとして売り出す…。
あらら。自分で話しながら、いま気づいたけど、
これ、けっこう、話が入り組んでるなあ」

----フォーンも、そう思って聞いてた。
でも、あえて止めはしなかったのは、
ストーリーがオモシロかったから。
この後、どうニャるの?
「うん。金城ブラザーズは周囲の予想を裏切って大ブレイク。
だが、より人気があるのは、祐介の方。
ピンでドラマへの出演依頼がきたりもするようになる。
オモシロくない大介は、ニセの自伝を作って売り出すことに成功。
いわゆるタレント本だね。
一方、祐太のお店は、
徹子による『山ちゃん』エコ化宣言で大改革が行われる。
しかし、ラードの使用禁止や、自然食お惣菜の販売などが裏目に出て、
売り上げが落ち、さすがの祐太の顔も暗くなる。
しかし、謎の“お出かけ”から戻るといつもの笑顔に。
さあ、果たしてことの真相は?
そこに、突然、父親が名乗りをあげて…。
と、このくらいにしておこうかな」

----そうだよ。
いくらニャんでもさっきからストーリーばかり。
映画のタッチがよく見えニャい。
「ごめんごめん。
この映画、最初の方は、
まるでフランスの下町人情ドラマ風。
このままのスタイルで最後まで行くのかなと思ったら、
父親の出現で、一転して緊迫のすき焼きシーンへ。
子供たちに笑顔で牛肉を食べさせながら自分は決して箸をつけない祐太。
父親に対して怒り心頭の祐介。
一方、あくまでも笑顔を崩さない祐太だが…。
ぼくは、このシーンでのそれぞれの描き分け、
<表>と<裏>の見せ方に、
クドカンの人間観察の真髄を覗き見た気がしたね。
もともと、この映画はタイトルにも表れているように、
人前で泣き顔を見せないようにしている男のお話。
かつてのテレビドラマ『泣いてたまるか』のように、
“負けるもんか”という意志の強さを描いているものではない。
そう、主人公の祐太は、実はよく泣くんだ。
というか、涙もろい。
でも、みんなの前では無理して笑って…。
結果、いつの間にか笑いが顔に張り付いてしまっているんだね。
こういう役を演じさせたら、阿部サダヲは当代随一」

----ニャるほど。そういうお話か…。
ということは、最後はその仮面が剥がされるの?
「さあ、どうでしょう?
そこは知らずに観た方がいいかも。
あっ、この映画、ちょっと気をつけた方がいいのは、
主人公が阿部サダヲということも手伝って、
けっこう、きわどいシーンやセリフも散りばめられている。
特に後半、舞台が沖縄に移ってからは要注意。
でも、総じてパワフルな喜劇であるのは事実。
ぼくは好きだなあ」

----えいも、涙もろいからニャあ。


         (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「こういう映画は、男の方が好きだよニャあ」悲しい

隣の男の人はずっと泣いていた度

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2 コメント

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リアルな笑える悲劇 (ノルウェーまだ~む)
2009-12-15 21:53:47
えいさん、こんばんわ☆
クドカンワールド炸裂!でしたね。
阿部サダヲを知り尽くしているからこそ、100%彼を生かしきった作品というかんじでした。
私は泣ける喜劇というより、笑える悲劇として観ました。
ベタに泣かせないところが、すごくリアルでしたね。
■ノルウェーまだ~むさん (えい)
2009-12-16 21:18:18
こんにちは。

「笑える悲劇」と取られましたか?
あの『男はつらいよ』はどっちだったんだろう?
植木等、渥美清を継ぐ、平成の喜劇王といわれているだけに
ちらっと、あたまを横切りました。

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