ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

『ブランカニエベス』

2013-11-27 18:29:56 | 新作映画
(原題:Blancanieves)


----この『ブランカニエベス』って、
いま話題の作品だよね。
スペイン映画と聞いたけど、
このタイトルってどういう意味?
「スペイン語で『白雪姫』。
観る前までぼくは
映画の一部にその要素が入っているのかなと…。
ところが、これはもうウソみたいに『白雪姫』そのもの。
なにせ、小人たちから毒りんごまで登場するんだから」

----ということは
悪い継母も出てくるの?
「もちろん。
よく知られた物語との大きな違いは、
ヒロインが王女ではなく、
闘牛士の娘ということ。
それとエンディングくらいかな」

----モノクロでサイレントなんだよね。
どっちかと言うと
アートフィルムって感じなのかニャ?
そうだったら観るのがキツそう…。
「ノンノン。
まったく逆。
というか、
そこが今日、フォーンに話したいポイントなんだけど、
アカデミー作品賞を受賞した『アーティスト』と言い、
この『ブランカニエベス』と言い、
サイレント映画の基本に忠実に映像化がされている」

----それって
セリフが字幕で出るってこと?
「もちろんそれもあるけど、
もっと重要なのは、
カットとカットの切り返し、
つまりモンタージュによって映画を見せていること」

----モンタージュ??
「そう。
映画は、最初音声を持たなかった。
そんな中、
映画で語られる物語、
あるいは状況、感情を分り易く説明するには、
このモンタージュというのは実に有効なんだ。
たとえば、この『ブランカニエベス』で言えば、
牛と向かい合う闘牛士、
そしてそれを見守る闘牛士の妻、
あるいは他の観客などを
細かくカットバックすることで、
サスペンスフルに、
しかもそれぞれの心理をもスリリングに描き切っちゃう」

----ニャんだか、
それって映画を作る上で
当たり前のような気がするけど…」
「ところが、そうでもないんだ。。
これはぼくが10代の頃に読んだ映画の本に書いてあったんだけど、
このモンタージュなる手法は、
作者の主観としての映像のみを見せ、
結果的に、ひとつの思想に観客を導いていくとして、
第二次世界大戦後、激しい非難を浴びるんだ。
ナチスもそうやって映画を利用した。
その反省の上に立ち、
現実を客観的に見つめることが必要ではないかと…。
そんな流れの中から出てきたのが
イタリアのネオリアリズム…」

----それって、今じゃ考えられない。
自分の考えをきちんと観客に伝えることを放棄しているみたい。
「(汗)まあ、そういう時代もあったということで…。
現在、世界の映画界を見まわしても、
このモンタージュを基本に映画を構築しているのがハリウッドのエンタメ系。
片や、作家性の強いアート系の映画は
じっくりと長回しで対象を見つめていく。
ぼくは、
どっちにもそれぞれのオモシロさがあると思うけど、
『アーティスト』『ブランカニエベス』は、
モノクロ、サイレントという映画の中で何かを語り伝えるには
モンタージュという手法がいかに有効かを再認識させてくれた。
しかも、それがとても分りやすくオモシロい。
ぼくはこの分りやすさに感動すら覚えた。
温故知新ってヤツだね。
『子曰く、故きを温ねて、新しきを知れば、以って師と為るべし』
もちろん、この『ブランカニエベス』
モンタージュだけではないモノクロ映画の表現も見せてくれる。
ドイツ表現主義を彷彿とさせる影を強調した映像などがそれだね。
議論を呼びそうなそのラストも含めて、
これはやはり“現代”の映画であることは間違いないね」



フォーンの一言「基本はとにかく『白雪姫』なのニャ」身を乗り出す

※難しそうと身構えないことだ度

コトリ・ロゴこちらのお花屋さんもよろしく。

こちらは噂のtwitter。
ツイッター
「ラムの大通り」のツイッター



blogram投票ボタン

ranking.gif人気blogランキングもよろしく

☆「CINEMA INDEX」☆「ラムの大通り」タイトル索引
(他のタイトルはこちらをクリック→)index orange
猫ニュー

『映画・DVD』 ジャンルのランキング
コメント (4)   トラックバック (8)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 『ザ・イースト』 | トップ | 『小さいおうち』 »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんばんは (ノラネコ)
2013-12-04 00:38:33
今年はスペイン映画やスペイン語権の映画作家が元気ですね。
これも童話+伝統文化という着想の面白さはもちろん、映像技法も白雪姫の再解釈の仕方も実に面白かった。
娯楽映画にはモノクロ無声映画ゆえの面白さがある事を再認識させてくれた事は、本作や「アーティスト」の大きな功績ですね。
よかった! (rose_chocolat)
2013-12-05 11:04:30
>それがとても分りやすくオモシロい。
『アーティスト』よりも私はこちらのほうが好きです。
やっぱりあの最後にはちょっと度肝を抜かれたという感じなんですよね。
素晴らしかったです。
■ノラネコさん (えい)
2014-01-03 21:48:02
こんばんは。
そうなんです。
モノクロ無声映画ゆえのオモシロさ…

この作品は
映画技法の、温故知新という気がします。
■rose_chocolatさん (えい)
2014-01-03 21:49:45
こんばんは。

あのラストは、ぼくも驚きました。
ただ、正直言うと
あそこで急にアーティスティックというか、
映画のトーンが変わった気がして…。
個人的にはすっきりしませんでした。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

8 トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。
ブランカニエベス・・・・・評価額1700円 (ノラネコの呑んで観るシネマ)
純白のマタドール。 「ブランカニエベス」とは、スペイン語で「白雪姫」の事。 グリム童話をベースに、舞台を二十世紀前半のスペインに移し変え、数奇な運命を辿った美しき女闘牛士の物語として再生させた異色のファンタジーだ。 スペインの伝統文化と誰もが知る童話...
【LBFF_2013】『ブランカニエベス』 (2012) / スペイン・フランス (Nice One!! @goo)
原題: Blancanieves 監督: パブロ・ベルヘル 出演: マリベル・ベルドゥ、ダニエル・ヒメネス・カチョ、アンヘラ・モリーナ 第10回ラテンビート映画祭 公式サイトはこちら。 映画『ブランカニエベス』 公式サイトはこちら。(2013年12月より新宿武蔵野館ほかに...
パブロ・ベルヘル監督・脚本『ブランカ二エベス(Blancanieves)』"白雪姫"+闘牛士+モノクロとサイレント (映画雑記・COLOR of CINEMA)
グリム童話白雪姫+闘牛士+モノクロとサイレントの独創的ミクスチュア作品『ブランカニエベス(Blancanieves)』監督・脚本はパブロ・ベルヘル物語・人気闘牛士の娘カルメンシータ(ソフィア・オリア)
ブランカニエベス (心のままに映画の風景)
1920年代のスペイン。 天才闘牛士アントニオ(ダニエル・ヒメネス・カチョ)は、アクシデントに見舞われ、牛に体を貫かれ瀕死の重傷を負う。 ショックで産気づいた妻は、娘カルメンシータを生むと同時に亡くなってしまった。 祖母(アンヘラ・モリーナ)に育てられ...
白黒サイレントで見せる闘牛士な白雪姫 (笑う社会人の生活)
29日のことですが、映画「ブランカニエベス」を鑑賞しました。 人気闘牛士の娘カルメンシータは継母にひどい目に遭わされながら育てられ、危うく殺されかける 「こびと闘牛士団」の小人たちによって助けられたカルメンシータは女性闘牛士として才能を開花させていくが・....
ブランカニエベス (いやいやえん)
【概略】 天才闘牛士の娘・カルメンは、邪悪な継母に虐げられて幼少期を過ごす。ある日、継母に命を奪われそうになった彼女は小人たちに救われ、見世物巡業の旅に出る。 ダーク・ファンタジー タイトルの「ブランカニエベス」とはスペイン語で「白雪姫」。そう...
ブランカ二エベス (映画に耽溺)
いやあ~~~別にホラー、ファンタジー好きの友人に勧められたって訳でもないのにDVDパッケージの妖しいオーラにやられて手にとったのが運の尽き これ、これ、まさしく「トラウマレベル」の作品だわよ~~~~!!!! 「ブランカ二エベス」はスペイン語で「白雪姫」って...
「ブランカニエベス」 (或る日の出来事)
白雪姫っていう意味か~。