ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『この胸いっぱいの愛を』

2005-08-23 19:21:04 | 新作映画
※ネタバレ注(映画をご覧になってから読まれることをお勧めします)

「この映画って、宣伝が難しいだろうな」
----ん?いきなりの展開だニャ。どういうこと?
「つまり配給側としては大ヒットした『黄泉がえり』という言葉を使いたい。
しかし、あまりそれをやるとネタバレに繋がってゆく。
まあ、原作ものであるし、そこまで気を使わなくていいのかも知れないけど。
ここで喋る場合、どこまで話していいのか…?」

----でもキャッチコピーとかには、しっかり
<それは未来からの“黄泉がえり”だった。>って使ってあるよね。
「映画の内容を一言で説明すれば、
『黄泉がえり』の原作者・梶尾真治が
“もしも過去にとんで、ひとつだけでも何かをやり直すことができたら・・・。
今は亡き愛する人を、過去に戻って救うことができたら・・・”
という構想をもとに描いた小説「鈴谷樹里の軌跡」に
他の小説のエッセンスを入れて、
監督・塩田明彦が大胆に脚色した映画(公式ブログ引用)...ということになる。
ところが『黄泉がえり』でもあまりノレなかったぼくは、
今回もうまく映画に入り込むことができなかった」

----えっ?だってこういうファンタジーって好きじゃなかった?
「一つにはキャスティングの問題もあるのかな。
伊藤英明のように、心身どこにも瑕疵がないような俳優は、
こういう<過去の傷の修復>ものには似合わない気がする。
たとえば『いま、会いにゆきます』の中村獅堂だと、
竹内結子を相手におどおどしているのがよく分かる。
でも、伊藤英明だと、何をやっても決まりすぎるんだね」

----それって少し中村獅堂に悪くニャい?(笑)
「まあ、あのふたりは実際にも結婚したわけだし。
いいんじゃないの、これくらい言われても(笑)」

----これって<未来からの旅人>と書かれているけど、
過去の自分に会うというのは問題じゃニャいのかなあ?
確かタイムトラベルもののSFには、
同じ<時>にふたりの同じ人間が出会ってはいけないとかいう
ルールがあったと記憶しているけど…。
「そこが実はネタバレにも繋がるところなんだけどね。
理由が分かれば、なるほど納得。
ただ、前提が過去に戻った人たちが未来を変えようとしている話だから、
タイムパラドックスの問題については、
最初からあえて触れないところから始まっていると言ってもいい。
でも、それにしても泣けない映画だったなあ」

----まったく?
「う〜ん、泣けたのは意外かも知れないけど
宮藤官九郎のサブ・エピソードかな。彼はやはり巧い」

----彼も、いわゆるイケメンとは言えないよね。
分かった。だから共感してんでしょ?
「mmmmm………」
(byえいwithフォーン)

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13 コメント

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面白い (JEFF)
2005-10-09 13:19:14
このエントリー、面白かったです。

宣伝のことを考えたこと、今までに無かったなあ。
■JEFFさん (えい)
2005-10-10 00:17:43
こんばんは。



面白いと言っていただき、ありがとうございました。

ぼくは「宣伝」のことを考えながら見ることけっこう多いです。

映画のヒットって、作品力もありますが、

企画力、宣伝はもちろんのこと、

劇場のチェーンにも影響されることも。

もっともシネコンができて以前ほどではなくなりましたが…。

これからも多角的に書いていきたいと思いますので、

よろしくお願いします。
納得です (exp#21)
2005-10-10 10:16:01
レビュー拝見して。うなずいてしまいました。宣伝難しかったでしょうね。柳の下にはいませんでした。
■exp#21さん (えい)
2005-10-10 18:04:34
こんにちは。



exp#21さんのブログ拝見いたしました。

確かにこの映画がきっかけで、

少し邦画の方向性が変わるかもしれませんね。

でもヒットしたらそのまま行くでしょうね。

火曜日に発表される週末の興行ランキングが気になります。
良かったです・・ (nicoco)
2005-10-10 22:18:20
伊藤くんを今まで良く知らなくて・・。演技を

観たのは初めてでしたが、大変爽やかで良かったです♪とても彼の演技が良かったため、泣いてしまいました・・。笑・・TBさせていただきました♪
■nicocoさん (えい)
2005-10-11 23:29:09
こんばんは。



伊藤英明、初めてでしたか?

ぼくは個人的には

尾崎豊の歌をモチーフにした『LOVE SONG』が

いちばんよかったです。

もし、機会があったら観てください。
宮藤官九郎さんは、ステキ。 (あかん隊)
2005-10-12 00:37:08
こんばんは。「泣くぞ」と思って行ったので、ちゃんと泣いてきました(爆)。せっかく謝ることができたのに、またお花の鉢が割れてしまいました。>宮藤官九郎さんは、良かった!

TBいたします。

※またまた、興味深い映画をご紹介いただきました。ありがとうございます!上映劇場までお教えいただき、恐縮です。観賞後、当該のレビューへ参ります。
■あかん隊さん (えい)
2005-10-12 10:11:08
こんにちは。



泣くまいと思ったのに、

官九郎にはやられました。

彼の演技は幅がありますね。



※さてご紹介した『天空の草原のナンサ』で思い出したことがあるので、

この場で少し書かせてください。

いまちょっと不思議なのが

いろんな作品にいろんな方からTBいただいているのに、

『亀も空を飛ぶ』への反応が弱いこと。

この作品の衝撃度は今年のトップレベル。

おそらく『エレニの旅』とベスト1を競うと思われるのですが、

やはり「岩波ホール」のみというのが弱いのかな。

(少し私信気味になりました)
ランキング2位。 (Ageha)
2005-10-14 14:14:11
ステルスには負けましたが、

どうやら結構お客さんはいってるようですね。

水曜日の11時45分のシネコンは

2,30人ってとこでしたけど。



宣伝そのものがどうがんばっても

それネタバレやんというフレーズばかりで。

どういうふうに消えるのかという興味だけで

内容は予告だけでわかっちゃってるってどうなんでしょうね。

何?成仏するためのタイムトラベルだったのかと・・・。(すいません、はっきり書いて)
■Agehaさん (えい)
2005-10-14 18:43:51
ヒットはしているようですが、

『いま、会いにゆきます』には遠く及ばなく、

最終的には『黄泉がえり』の半分くらいの興収と予想されているようです。

『黄泉がえり』は当初3週間限定ロードショーの予定が

思わぬヒットで拡大公開となったわけですが、

やはりあれは異例でしたね。
はじめまして (shin)
2005-10-14 22:40:41
TBさせて頂きました。

私も、この映画、ちょっとノレませんでした。

宮藤官九郎さんのエピソードの件も同感です。

でも上映時間の比率からいえば、ごくわずかのこのエピソードが一番良かったというのも、作品としては悲しい話ですね。
思った以上に… (any)
2005-10-18 01:08:15
えいさん、こんばんは。

この作品、確かに宣伝は難しかったでしょうね。

『黄泉がえり』という言葉をどこまで使うかが確かにポイントですね。

『黄泉がえり』から考えるとタイムスリップした理由も分かりそうなもんですが、単純な僕は途中まで全然気付かなかったので(笑)思った以上に楽しめました。

■anyさん。 (えい)
2005-10-18 18:13:37
こんばんは。



ぼくも正直言うと、

タイムスリップした理由が明かされてから、

「ああ、なるほど」(笑)。

ところが、その後生まれた感情が、

「なあんだ、そういうことだったのか」。

まったくかわいげのないヤツです。

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