真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「ゼロ・ウーマンR 警視庁0課の女/欲望の代償」(2007/製作:株式会社竹書房・新東宝映画株式会社/配給:新東宝映画株式会社/監督:藤原健一/脚本:田中貴太・藤原健一/企画:加藤威史《竹書房》・衣川仲人《新東宝映画》/企画協力:石橋健司・赤荻武・木村淳・山崎伸介・吉住幸高/原作:篠原とおる 劇画『警視庁0課の女』《リイド社刊》/プロデューサー:寺西正己/ラインプロデューサー:浅木大/アシスタントプロデューサー:石川恭子/撮影:中尾正人/照明:安部力/編集:酒井正次/殺陣指導:吉沢季代/ガンエフェクト:近藤佳徳/バイクスタント:佐野新世/音楽:VANA/スチール:仲居挙子/ヘアメイク:おかもと技粧/衣装:沢柳陽子/撮影助手:佐久間栄一・吉田明義/助監督:羽生研司・松尾大輔・小南敏也・冨田大策/制作担当:蜂谷元浩/音響効果:シネマサウンドワークス/企画協力:株式会社リイド社・CINEMA-R/製作協力:フィルムワークスムービーキング/出演:三浦敦子、範田紗々、三浦誠己、木村圭作、木庭博光、森羅万象、町田政則、吉沢季代、針生場志夫、葉月螢、粟島瑞丸、山崎栄、森了蔵、菅野隼士、武藤正人、石井儀一、福田久、ベンジャミン・アイソー、ヌーリ・ナミニ・ダボット、工藤俊作、菅田俊)。
 ♪ヒャ~、ヒャッヒャッヒャララ・・・(伝はつてるのか?)、御馴染みの新東宝カンパニー・ロゴにて開巻。
 深夜の女子房、二人の女囚が激しく睦み合ふ。気配を察し、房の前に看守が現れる。看守のことなど気にも留めずに、二人の女は激しく情を交し続ける。気を取られた看守の隙を突き、若い方の女が鉄格子の隙間から看守の首を取るや、片手で締め落とす。用意しておいたオープンカーで逃げると、もう一人の女(葉月)の仲間と合流。さうしたところで、看守を締め落とした女・レイ(三浦)は、女と二人の仲間を容赦なく撃ち殺す。銃声を聞きつけ駆けつけた刑事・早見(三浦)に、レイは自らが刑事であると告げる。(捜査)一課にも二課にもお前のやうな刑事は居ないといふ早見にレイは答へて、「居るわ、0課にね・・・」。決めのポーズ取りで立つレイを画面左側に置き、デカデカとしたタイトルがジャーンと踊るカッコいいタイトル・イン。
 政財界要人暗殺事件が連続する、革命思想を武力による実行に移さんとする、過激派の凶行であつた。捜査を始める早見に対し、官僚主義的な上司(工藤)からはお約束の横槍が入る。
 何でだか新世紀もとつくに開けて七年にならうこの期にも、依然看板としての訴求力を失つてゐないらしい、いはゆる篠原とおるモノの新作映画である。篠原とおるブランドの通用力に関しては日本映画界の七不思議に数へても構はないやうな気もするが、上映館数の高が知れてゐることも想像に難くはない今作ながらに、映画はちやんとフィルムで撮つてゐることに関しては、当たり前のこととはいへひとまづ評価しておきたい。
 とはいひつつも肝心の中身の方はといへば、グラビア・タレントとAV嬢とが繰り広げる腰も据わらぬアクション、の真似事で味つけた、パーフェクトに類型的な物語ではある。比較的楽しみながら観てゐたものの、改めて振り返つてみると、特に何処が面白かつたのかはサッパリ見当もつかない。新味の無い脚本と必要とされる筈のスペックを満たさない脆弱な布陣を前に、藤原健一が持てる堅実を駆使してどうにか形為ししめた低目の水準作である。もう少しマトモな脚本を手にすれば、藤原健一はもつともつと素晴らしい映画を撮り得るやうにも思ふのだが。昨今沈滞気味の新東宝の切り札は、この人辺りになるのであらうか。
 “芸能人”を売りにした訳の判らないAVで一世を風靡する(?)範田紗々は、レイと対峙する、最強の暗殺者・ユキ。線は細過ぎるものの一応それなりに魅力的な表情を出せなくもないのだが、殆どマトモに動けもしないところは三浦敦子と同様。あと、この人この張り具合はフェイクか、何が。二枚看板は一応濡れ場は数こなすのだが、物語の展開に埋もれてしまひ、桃色の破壊力はといふと些か頼りなくなる辺りも苦しい。藤原健一の、全体のバランスを崩さない、あるいは軸足をずらさない堅実が、それはそれとして悪い方向に作用してしまつてゐるともいへる。

 木庭博光は、早見に理解を示す上司・田村。木村圭作は、ユキの哀しい過去の端緒でもある米軍機墜落事故を揉み消した代議士・中井(これがどの人か判らない)の秘書、を辞して神の道に進んだ滝沢。さりげなくツッコミを入れておくと、神父つて自殺してええんかいな?森羅万象はユキの父親でもある、警視副総監。クライマックスでは、中井共々ユキに薬で眠らされた上海岸に連れ出され、ジジシャツ、股引の後ろ手には手錠といふ情けないことこの上ない(下か)姿で、命乞ひしながら1/4ケツはみ出させて逃げて行くところを後ろから撃ち殺される、などといふ感動的にみつともない死に様を遂げる。粟島瑞丸は過激派のリーダー・浅野、吉沢季代はワン・シーンに何となく登場するレイ以外の0課の女。東映感、あるいは東映臭漂はせるヘッポコ外人大部屋風俳優は、米兵役。
 町田政則は、要人のリストと引き換へにユキとセクロスしてゐるところを、惨殺させる土建屋の菅谷。一太刀浴びながらも、必死に反撃を試みる熱演を見せる。重厚感がバクチクするドス黒い迫力を充溢させる菅田俊は、0課の中ボス。登場するだけで映画のグレードを一桁上げる、流石の貫禄を披露。理想と現実との狭間に苦悩する青い早見に対し、「国家警察とは、権力だ」、「権力とは、暴力だ!」なる逃げ場の無い名台詞を吐く。


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