真夜中のドロップアウトカウボーイズ@別館
ピンク映画は観ただけ全部感想を書く、ひたすらに虚空を撃ち続ける無為。
 



 「馬と後妻と令嬢」(2006/製作:関根プロダクション/提供:オーピー映画/監督:松原一郎/脚本:関根和美・水上晃太/撮影:下元哲/照明:代田橋男/編集:酒井正次/助監督:高田宝重/撮影助手:中泉四十郎、他一名/効果:東京スクリーンサービス/出演:佐々木麻由子・合沢萌・瀬戸恵子・飯島大介・なかみつせいじ)。助手勢を、計四名ロストする。お馬さんに関するクレジットは特には無し。
 馬主でもある資産家の野村(飯島)健作と、妾から後妻にジョブ・チェンジした絵美子(佐々木)の下に、馬の調教師を目指し渡英中の―野村とは前妻との間の―娘・悠里(合沢)が一時帰国して来る。トコロテン式に程なく、野村は競走馬の視察の為にケンタッキーへと渡米。厩務員の石倉学(なかみつ)、家政婦の近石茜(瀬戸恵子>メイド服は不着用)との四人だけの生活の中、絵美子はジワリジワリとした、悠里の自らに向けられた悪意に慄くのであつた。
 イメージ・シーン挿入の仕方が―まるで洋ピンのやうな感覚で―雑であつたり、潔くバッサリ省かれた件などもあつたりして、決して入り組んでもゐない筈の物語はその割に判り易くはないのだが、そのやうな瑣末は速やかにさて措き、旦々舎勢(浜野佐知と山邦紀)以外ではオーピー(旧:大蔵)にしては珍しい、エクセスとタメを張る、といふかまるでエクセス映画のやうな豪腕エロエロ映画である。
 「ロリ色の誘惑 させたがり」(2005/監督:高原秀和)以来、二作目にお目にかかる合沢萌。派手目なガイコツ系のルックスは全く令嬢然とはしてゐないものの、モデル並に伸びやかな肢体と<微かに偽乳疑惑が拭ひ切れない>トランジスタグラマー美乳とを駆使し、スケール感溢れるエロスを銀幕一杯に炸裂させる。全くその件の説明はスッ飛ばされてあるのだが、悠里は何時の間にか、石倉と茜とをマゾ奴隷として調教してしまつてゐる。下着姿でノートを叩く悠里。カメラが引くと、腰掛けてゐるのは四つん這ひになつた石倉の人間椅子!勿論両方共こなせるのだが、なかみつせいじはM演技の方がより達者であるやうに、私見では見受けられる。そのまま悠里はとんでもなくダイナミックな構図で自らに浣腸すると、今度は仰向けにした顔面に直接腰を下ろし、石倉に喰らはせる。凄まじいシークエンスだ。今度は茜が洗濯籠の中から、悠里使用済みの真つ赤なパンティーを探し出す。それを被るとキャミの上から熱いシャワーを浴び、オナニーに耽る。その時点で既にヤバい―何が―のだが、そこに更に悠里が現れると、嘲笑しながら茜をこつ酷く陵辱する。一体どうしたんだ、この映画?
 ところが恐ろしいことに、斯様な狂宴もまだまだほんの序の口。悠里が急に帰国したのは、茜からの手紙で父親が財産の全てを絵美子に遺す、旨の遺言を認(したた)めてゐることを知つたからであつた。そして悠里は終に、直接的な悪意を絵美子に向ける。居間で、絵美子を浣腸する悠里。大体が、オーピー映画での浣腸ギミックの登場がそもそも珍しい。肛門には浣腸、そして女陰には淫具。絵美子は苦悶する。キャメラがパンすると、悠里は今度は石倉と二人で茜を淫ら極まりなく玩弄する。更に加速、最加速。え、ギアつてトップのその先がまだあるの?ブレーキつて何?とでもいはんばかりに松原一郎はアクセルを力一杯踏み込む。前後との繋がりは潔く無視して、藪から棒に挿入される悠里の獣姦シーン!!!!!!!!悠里はまるで人工物のやうに黒い馬の長大な陰茎に舌を這はせ、人間では有り得ないくらゐにヌラヌラの、子供の拳程はあらう亀頭を口に含む。勿論、お馬さんにボカシは掛からない。そのまま放水並の射精を口内で受ける!偉いぞ、合沢萌。見上げた根性だ。近年、ピンク映画でお馬さんがテーマの獣姦ものといへば、2001年の「馬を飼ふ人妻」(監督:下元哲/脚本:石川欣/主演:朝吹ケイト)以来。但し、この時の馬の陰茎はフェイクであつた。因みに、「馬を飼ふ人妻」にもなかみつせいじは厩務員役で出演してゐる。ラストには、全く遣り口は同一の佐々木麻由子の獣姦シーンもある。佐々木麻由子も、お馬さんの迸らせる精を口内で受ける。小娘に出来て私に出来ない訳はない、女優魂が唸りを上げる。
 特に面白いこともなければ決して素晴らしい訳でも別にないが、加減知らずの豪腕エロ映画である、必見。

 さういふエクストリームなエロエロ、エロエロエロエロエロ・・・―以下省略―映画を撮り上げた一応新人監督・松原一郎、聞かぬ名前である。一体どういふ人物なのかと調べてゐたところ、別の誰だかの変名、との未確認情報が。一体誰なのであらうか。映画自体の出来栄えからして、監督することもある下元哲であつたとしても不思議ではないのだが、勿論確証は得られない。因みに、映画を撮る際はエクセスを主戦場としてゐる下元哲であるが、その際に脚本は関根和美が越境して書いてゐたりと、決して繋がりも無い訳ではない。依然調査中である。

 以下は地元駅前ロマンでの再見に際しての付記< お馬様の一物の真偽に関して。正直些か以上に不安を覚えぬでもないこともあり、殊にその点に注目して観てみたものである。あくまでプロジェク太上映といふ限りに於いて、矢張り生物(なまもの)に見えたのだが、俺はまんまと、綺麗に騙されてゐるのかなあ・・・・?


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