研究・論文作成のためのブログ

医学部で臨床医をしつつ大学院に進学し、博士号の学位を取るまでをつづります。

OpenOffice

2005年10月31日 | 日記・備忘録
オープンソースで開発されていたOfficeスイートのOpenOfficeが2.0のメジャーアップデートを発表した。
OpenOfficeはMicrosoftのOfficeと互換性が高く、しかもオープンソースであるため以前から注目されていたが、そろそろ実用的になってきた気がする。

まだ私も試用していないのでなんともいえないが、雑誌などの評価を見る限りは日常使用では問題なさそうである。Powerpointのプレゼンはアニメーションや一部のオブジェクトのレイアウト崩れを起こすらしい。

あと最新のDOS/Vマガジンで、DVDから起動できるLinux、KNOPPIXの特集を組んでいた。バージョンは4.0で、私も試しに起動してみたところ特に問題なく動作し、いろいろなソフトもプリインストールされていてけっこう楽しい。


「お先に失礼!」する技術 という本

2005年10月24日 | 日記・備忘録
今本屋さんの店頭に「お先に失礼!」する技術 という本が並んでいます。
手にとってみるとけっこう面白いことが書いてあるので買って読んでみました。

ちょっとおしつけがましいところがある気もしましたが、著者がいわんとしていることは伝わってきますし、非常に重要なことを言っていることもあります。

医者はあまり「お先に失礼」することを意識しなくてもよいわけなのだけど、会社で「お先に失礼」できない状況というのは容易に想像できるし、この著者はそういう問題点を浮き彫りにさせることに成功していると思います。


ACOGのNews Releases ~肥満について

2005年10月21日 | 日記・備忘録
アメリカの産婦人科学会(ACOG)のホームページを、最近チェックするようにしている。
産婦人科医がどのように診療をするのがよいかというガイドラインを提示していることがある。

最近見た記事では、アメリカで肥満が深刻な社会問題となっており、「肥満」と定義される(BMI 30以上)人はアメリカ人の1/3にも及ぶという。

その記事の中にこんな一文がある。
ACOG recommends that ob-gyns evaluate all women for obesity by calculating their BMI and offering appropriate interventions or referrals.

つまり、BMIを調べて肥満とされる女性については、産婦人科医は適切な介入か紹介をすることがすすめられる、ということである。

私の所属する大学病院には、肥満を専門とする内科医がおり、肥満外来というのをやっている。生活習慣病が問題となっている現代、今後はそのようなアプローチで診療をするということも必要と思われる。


大学病院の外来

2005年10月20日 | 日記・備忘録
毎週水曜日は大学病院で外来の手伝いをしている。
スタッフ(正規雇用の医師)の外来で横に座り、伝票の作成やカルテの記載などを手伝う係りだ。beschreiberともいう。

昨日は外来が特に混んでいて、初診の患者さんだけで20人以上が来て、予約の人も含めると60人近くの診察があったことになる。朝から始まった外来が終わったのは5時半だった。

とてもとても忙しいときに思うことは、なぜ日本国民は大学病院を「3時間待ち3分診療」と批判するのにこんなに来院するのだろう、ということだ。
アメリカで産婦人科にかかるためには紹介状が必要で、いきなり病院に行っても診てもらえないことになっている。まず症状をホームドクターに伝え、ホームドクターが必要と判断したら紹介状を書いてそれをもって受診する、というシステムだ。
ところが日本では誰でも大学病院を受診することができる。
ちなみに私の所属する病院では、紹介状なしでかかると5000円の費用が必要となるが、それでも初診の患者さんの半数は紹介状なしで受診している。つまり、5000円払ってでも大学病院で診てもらいたい、と感じているわけである。

日本人の大病院指向は根強く、またガンに関して言えばその傾向はさらに強くなる。
しかし大学病院や癌の専門病院が、スクリーニングのかかっていない母集団を全て検診していたらパンクというか破綻である。
乳ガン検診にしてもそうである。見落としばかりが強調されるため、国民は検診ですら専門病院を訪れる。

忙しい外来、みなさんは根気よく待ってくださっているけれど、そのような背景も少し理解して受診していただけたらと思う。


あと半年間でどのような実験をするか?

2005年10月18日 | 日記・備忘録
履修審査の際、審査の先生方から受けた指摘。
私が研究テーマとした蛋白質について、

・卵巣での検討がなされていない
・癌での発現はどうか

という点である。

これらについては今のラボでできることではなく、臨床検体を用いた実験が必要であり、医学部での実験が大前提となる。
大学院生活、残り半年間どのような実験をするか、再考するときがきている。


履修審査終了す

2005年10月11日 | 日記・備忘録
大学院の履修をきちんとしました、という事を確認する審査が今日大学のほうで行われ、なんとか無事完了した。

私は当初の指導教官が定年退職して、新しい指導教官になった事と、もともと外の研究室で実験していた事もあり、大きな波風はたたずに終わった。

正直なところ、自分の仕事はあまりいいデータではないし、自分としても満足はしていないが、とりあえず論文は投稿したし、一区切りついたと思う。

木曜日から3日間、北海道に家族で旅行に出かける。

論文の投稿

2005年10月07日 | 日記・備忘録
この数ヶ月、自分の学位という命運をかけて育ててきた論文を投稿した。
実は、共同研究先の先生の指導に従って月曜日にJCEMに投稿したものの、わずか3日で戻ってきてしまった。リジェクトだ。内容がふさわしくない、というエディターの判断だそうだ。
もともと駄目もとで出してみたので、戻ってきたときは残念だったが、戻ってくるのも早かったので良かった。
すぐに論文の形式を書き直し、今更ながら見つけた間違い(汗)も修正して、今度は本命のJSBMBに投稿した。JSBMBはオンラインサブミッションではないため、紙の原稿を用意して、Fedexで投稿。渋谷のkinko'sで写真データを出力して、ファイルをまとめ、そのままkinko'sで受け取ってもらう。便利なものだ。

ショックな出来事

2005年10月02日 | 日記・備忘録
もう10月に入った。
実は自分にとってちょっとショックなことがあり、しばらくブログの更新ができなかった。
ちょうど先週、カナダ人のポスドクに見てもらって論文をほぼ完成させ、最終的にチェックして問題がなければ月曜日にラボのボスに見せて、投稿しようと思っていた。チェックしているとき、ふと自分の研究テーマについて検索をしたところ、新しい論文が出ている。それが、まるで自分の論文につけたタイトルと同じタイトルなのだ。んっ?と思って見てみると、まったく同じ実験をやって活性を見つけたという論文であった。
competitiveな研究分野の場合、このようなことはよくあることらしいが、自分はステロイドという少しマイナーな領域で、その中でもさらにマイナーとされる分野だったためまさかそういうことはないだろう、と思っていたがまさに自分の身に起こってしまったのだ。
結局、論文の内容を大きく変更せざるをえなくなり、一週間書き換えをしていた。
それでもなんとか形にして(データは半分くらい減ってしまった)、ボスのところに持っていった。ほとんど見ないかと思ったら少し見てくれて、ここがわかりにくい、とかここは(査読者から)コメント来そうだのう、と指摘してくれた。指摘点をなおして、いよいよ週明けに投稿である。
投稿したからと言って論文掲載がなされるわけではもちろんないのだが、まずは投稿まで行かないとはじまらないので。