【現代と思想】~ジャーナリスト精神

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

福島県知事選で反原発運動を活性化し自民系候補を打破する

2014-09-26 13:40:46 | 社会・政治思想・歴史


櫻井智志


 10月26日に投開票される福島県知事選は、国政選挙以上の重要な意義をもつ知事選挙である。以下に箇条書きで特徴を列挙する。

①「オール福島」を政策の要点にあげた日本共産党に対して、自民党は奇策をもって候補者の擁立を進めた。自民党福島県連が擁立して出馬を声明した候補者を撤退させた。そして、民主・社民・連合が擁立した候補に相乗りして、与党の公明党も加わり、なんと自公社民の逆「オール福島」を実現させた。

②反原発運動の側から、医師で宮古市長を三期務めた熊坂義裕氏と元双葉町長井戸川克隆氏が立候補した。それぞれの候補に対して、日本共産党の議員や市民運動家から支持が寄せられた。熊坂氏には「新党改革」が支持を表明している。

③そんな中、日本共産党と「みんなで新しい県政をつくる会」は、熊坂義博氏を支持することを公表した。

④現在、保守中道の逆「オール福島」候補に、反原発運動からは二人が立候補している。

 以上の情勢の中で原発政策そのものに原発廃炉と原発再稼働と根本の政策が相対する陣営が同居している自民党は、福島県民の政治投票意識を低め、無気力無関心のまま投票率が低いなかでの企業組織、連合、創価学会などの組織票の絶対的固定票で乗り切り当選する戦略である。

 私は、熊坂氏と井戸川氏の候補一本化を必ずしも無理矢理進めるべきとは思わない。むしろ反原発運動派がひとりで逆「オール福島」派からの集中攻撃や政策以前の赤化候補誹謗中傷で取り囲まれていて、本来の選挙の意義が薄められる危険があると考える。

 熊坂氏と井戸川氏の候補一本化が成立すればそれに異論はないけれど、二人の候補出馬の現在9月26日現在において、あるプランをもっている。

 それは、反原発運動において両者の公開討論会、座談会で「福島から原発を考える」をシリーズで開き、福島から全国に反原発を発信し続けることだ。単なるスローガンや政治的アジテーションだけではなく、専門家もアドバイザーに招き、福島原発の現状、福島原発事故の原因、政府と東電の対応、チェルノブイリやスリーマイル島からの講師も招き、選挙をバネに反原発運動そのものの水準を高めていく。そこには原発問題にとどまらず、被災者県民の生活の救済や再建の具体策、福島原発労働者の超ブラック企業労働の労働権からの指摘と対策、甲状がんの危険と子どもたちの健康対策、徐染と地域づくり、地域経済再建の具体政策構築など。これらを反原発運動の側にいる熊坂氏と井戸川氏の勇気と英知をフルに発揮していただく。
 「オール福島」を福島県民の投票の数としか考えられない自公民社候補者陣営に対して、福島県民の生活と健康と地域再建などすべての福島再建策に係わる社会運動、専門学者、住民運動、反原発運動などの「オール」福島社会運動と考えることだ。
 なんとか波風立たず県民の動きも乏しいまま、低投票率当選をねらっている候補は、井戸川氏と熊坂氏とがたえず対話し討論し福島県民救済に立ち上がったうねりの前には、腰も立つまい。

 そのようなかつてなかった知事選運動=反原発運動を中核にしたオール地域再建運動がなされるならば、絶望と失意と困難のなかで投票どころではない福島県民のひとびとに希望と展望とをもたらしてくれるだろう。
 間違っても、熊坂陣営と井戸川陣営とが非難しあうことがあってはならない。以下に両氏の政策を掲げるが、ほぼ似た内容であることに驚く。
-----------------------------
◆熊坂義裕さんの公約政策
私の政策

私は、福島県民全ての知恵と力と勇気を結集し「福島の復興なくして日本の再生なし」の決意の下、以下のような「新しい福島県」の姿を、皆さんと共に目指して参ります。

基本政策:原発被害対策の総見直し
「原発事故子ども被災者支援法」の理念に則り、放射線を避けて暮らす権利を保障します。
原発事故による県民の健康被害を最小限に抑えます。
原発事故に関するあらゆる情報の全面開示
環境回復対策の強化
避難者及び帰還者の生活再建支援
津波被災地域における防災機能の強化と復興の推進
被災者賠償訴訟の積極的な支援
基本政策:原発に依存しない経済社会づくり
原子力発電政策の見直し
「卒原発社会(再生可能エネルギー)」への転換
「卒原子力・再生可能エネルギー」のモデル地域
再生可能エネルギーの導入促進
基本政策:少子・高齢社会への対応強化
子どもを産み育てるための環境整備
人材育成と理数科教育の強化
最先端医療体制の整備
地域包括ケアシステムの確立
基本政策:未来につながる産業・雇用創造
再生可能エネルギー関連産業の誘致・育成
農林水産業の再生
「卒原発型産業構造」の構築
魅力ある福島の創造
医療関連産業の集積
------------------------------------
◆井戸川克隆さんの公約政策

いま日本の民主主義に求められていること (井戸川 かつたか)
●民主主義とはいったいなんでしょう?

民主主義とは、国会議員に全てを任せるものではありません。
国会議員は、国民の代わりに政治を行う代務者です。

全ての代務者(代議員、公務員)は、「ウソ・偽り」を許されると勘違いを横行させることではありません。 任せられる者と任せる者との信頼関係の下に隠蔽や偽りがない代務を行うことを原則として、 任せられた者は任せた者の意向を勝手にできない約束ができていることが大切です。 従って、この信頼を壊した者は代務を辞めさせる権利が、任せる側になければなりません。 「信頼」に大きな権限を与え、代務者に資格基準を求め、品性、品格、正義がなければならない。 国民のデモを取り締まる権限を代務者に与えてはいけません。裁判官にも国民の厳しい監視が必要です。 公正な判断をしたか評価する機関を国民が持つことで、国際的評価を得ることができます。

これは今回の福島原発事故から学んだことです。 原発事故はいまだ収束していません。それなのに、安倍総理は原発再稼働を進め、外国に原発を売りつけようとしています。 総理の発言に裏付けがないとなれば恐怖社会になってしまいます。民主主義とはこのようなことではいけません。 代務者の発言は、国民の理解がなければならないのです。

民主主義に完成はないかもしれません。国民にも自制が必要であります。 公正な執務を求めるために、代務者に個人(企業)の利益を求めることに制約も必要です。 すべて国民の見えるもの、理解ができるものに限らないと大きな混乱をきたします。

代務者と国民、互いの立場を尊重してこそ民主主義は完成するものだと思います。

●福島原発事故の反省

事故の原因ははっきりしています。 経営者による経営の失敗です。会社を経営する者の責任は、会社を潰させない、維持し発展させなければならない。 株主に配当を出さなければならない。リスクは小さいうちに解消しなければなりません。
しかし、今回は小さなリスク(津波・地震の防御対策)を解消しませんでした。 これを見抜けなかったことはすなわち経営者に課せられた責任を全うしなかったということです。 その場しのぎの、あるいは現場を見抜く眼力の無さが招いた事故です。結果として世界中に放射能を、陸、海、空に放出させてしまいました。
東京電力は自分たちの至らなさから事故を招いたにもかかわらず、とんでもない行動に出ました。 企業としての社会的責任を国民に押しつけているのです。なんという無知な経営者たちでしょうか。 東京電力は強大な力を罪滅ぼしに向けず、会社の生き残りに持っている力を使っています。 事故を防ぐことを怠り、罪を広く国民に課したことは大きな誤算となるでしょう。 これほどの巨大企業が反社会的企業であり続けることは認めるべきではありません。

今もなお避難生活を続ける福島県では、住民の苦しみは続いています。 わたしたちの双葉町は生活再建も、町機能も壊れたまま放置されています。 町は多くを失いました。自然、空気、歴史、空間、風土、匂い、風、海、川、鳥、動物、植物、四季、人々、未来、成長、音、動き、等々。 人間として生活する必須条件、お金に替えられない多くのものが奪われました。東電・国が「絶対に事故は起こらない」といってきた、信頼関係が一番失われたものです。

事故から学ぶことなく反省もなく、全国の原発を再稼働させることは、第二、第三の福島を生んでしまう恐れがあるのです。

福島原発事故の本質的な反省こそ、いま日本が向き合うべきことだと思います。

PDFダウンロード 「 いま日本の民主主義に求められていること (井戸川 かつたか) 」
私の信条六項目
詭弁を言わない
信義と信用を大切にする
代弁者としての姿勢を正す
子供たちを放射能から守る
家系の継承を守る
託された方への使命を果たす
井戸川かつたかの取り組み
原発事故被害者の声を国会へ届ける
子ども・被災者支援法の早期施行を求める
一般公衆の被曝限度1msv/y以内を求める
原発事故賠償に県民の声を取り入れる
時代遅れの原発は止める、頼らない
事故調査機関を民間に委託する
原発の負債を子孫に引き継がない
原発を推進する者に全責任と負担を求める
================================

 両者の見識にうたれるものがある。早急に両者の対話共存選挙競争の提案を公党や勝手連、確認団体が提起して両者の健闘を促してほしい。とくに十月九日までが決定的に重要である。その過程で、両者の間に理解と交流が開かれれば、県知事選そのものが体質変化を起こす。

この記事をはてなブックマークに追加

沖縄からうまれた国際的人権運動の実相

2014-09-22 19:51:10 | 社会・政治思想・歴史
或る知識人への返信

櫻井智志

 私はアメリカの権力が、リンカーン以来の議会制民主主義やルーサーキング牧師の非暴力主義などの民主主義的伝統があると思っています。
 芝田進午氏は『人間の権利 アメリカ革命と現代』(大月文庫1977年)で、ジェファーソンの起草した独立宣言以来のフランス革命など人権思想の伝統にあると述べています。同時にアメリカには先住民を虐殺し西へ西へと侵略と虐殺を続けてきた悪しき伝統があります。これがリンカーンを暗殺し、キング牧師を暗殺し、現在の軍産複合体の基盤の潮流と感じております。
 オバマ大統領は前大統領の共和党のブッシュの経済破綻を任期中には収束できないと、民主的ジャーナリストは最初から危惧しましたが、現実のものとなりました。オバマ政府は安部晋三に失望を公言していました。その安部をこうものさばらせているものは、アメリカ軍産複合体の仕業と私は考えています。
 沖縄は、安部政府と闘いアメリカ軍産複合体とも闘っています。しかし、沖縄県民は日本国政府と本土の国民をものりこえています。本土ヤマトンチューに対する失望はそうとうなものであることを、「世界若者ウチナンチュー連合会代表」の玉元三奈美さんの東京新聞9月21日朝刊の『あの人に迫る』インタビュー12面一面全体の記事を使った力作によって知りました。
 玉元さんたちは、その失望さえものりこえて、世界にちらばる沖縄県にルーツがあるウチナーンチョをたぐりよせ。交流拠点とした「平和な島」を取り戻すために奮闘しています。「沖縄のジャンネダルク」とも称される玉元さんらは、琉球大数理学科在学中に、「世界若者ウチナーンチュ連合会」七カ国八支部をまとめました。「世界若者ウチナーンチュ大会ブラジル」を成功させ、翌年には北米大会を開催。今年の夏にヨーロッパ大会も開催し、来年夏にフィリピンでアジア大会開催を予定しています。2016年夏には世界大会の五回目を沖縄で開くそうです。沖縄の方言を継承する「しまくとぅば連絡協議会」事務局次長を担っているそうです。こういう若者を輩出している沖縄県民は、アメリカに屈しないとともに、日本政府をみやぶり、本土国民に依存どころか醒めた目でしっかりとした認識をもっていますね。
私たち以上に、沖縄県民の実践は国際的なレベルにあるものと認識しました。

この記事をはてなブックマークに追加

東京都知事選から福島県知事選に継承されたもの

2014-09-21 18:22:09 | 社会・政治思想・歴史


櫻井智志

 十月九日に告示され、二十六日に投開票される福島県知事選は、自民党が民主・社会・連合に公明党とともに相乗りしたことで、「逆オール福島」の態勢がしかれた。一方、反原発陣営は宮古市で市長を務める医師の熊坂義裕氏と元双葉町長の井戸川克隆氏が出馬を表明したことで、反原発陣営が分裂しそうになっている。

 日本共産党福島県委員会のホームページhttp://jcp-fukushima.de-blog.jp/を見ると、八月中旬に「みんなで新しい県政をつくる会」の方針http://jcp-fukushima.de-blog.jp/blog/files/14_8_12.pdfが掲載され、そこではオール福島の視点が述べられている。けれど九月二十日現在の選挙戦の情勢に対応するなにものも書かれてはいない。


  “脱原発”の熊坂義裕を応援する全国勝手連 結成記者会見
https://twitter.com/kurahonn/status/512538419654688768
そんな中、都知事選で細川氏と宇都宮氏にわかれてそれぞれの選対に入った弁護士の河合弘之氏と海渡雄一氏とが、木村結さんや新里宏二弁護士とともに発起人となって、「“脱原発”の熊坂義裕を応援する全国勝手連」を結成して記者会見を開いた。それを聴きながらはっとした点を列記したい。

①自民党の高等戦略で自社公民の態勢が敷かれれば、敗北主義の気分に陥った反原発・抜本的でチェルノブイリなどから学んだ福島原発事故対策はその時期を決定的に失う。
②細川護煕氏は都知事選の疲れを癒して福島知事選の運動には参加しない。小泉純一郎氏は「新エネルギー」開発対策に取り組んでいて、福島知事選には対応しない。
③卒原発を掲げた嘉田前滋賀県知事は、現知事の三日月氏への支援忠告に取り組み、遠く離れた福島県の知事選に実効的な運動ができないので、直接福島知事選に加わらない。
④福島県の知事選に東京で勝手連を結成して動いているのは、熊坂候補から河合氏らに呼び掛けがあり、その動きに連動して福島県内で多数の勝手連が立ち上げられていく。

 私は「みんなで新しい県政をつくる会」「オール福島」から「全国勝手連」と進む選挙の文脈から、日本共産党や「県政をつくる会」は、熊坂義裕氏を支援していると思い込んだ。しかし、「県政をつくる会」は熊坂氏を支持表明してはいないと忠告の市民からのご意見をいただいた。その後に井戸川克隆氏が出馬表明した。井戸川氏は前回の参院選で谷岡郁子氏が党代表を務めた「みどりの風」から比例区で立候補された。しかし、予想外にみどりの風が得票が少なかったために、当選できなかった。

 反原発連合の実質的で有能な弁護士二人は、都知事選での分裂を克服して、福島県知事選では共闘して取り組む。ただ新たに出馬したことで、熊坂氏と井戸川氏は反原発の支持票を分かち合うかたちが作られつつある。さらに、日本共産党と「県政をつくる会」は、いまだ沈黙したままである。もっとももうひとつ重要な沖縄県知事選に日本共産党は全面的に論陣をはり、実践にいそしんでいる。

 これから福島県知事選挙告示までに、熊坂氏・井戸川氏・日本共産党支持候補と三極の陣営が急速に動くことが考えられる。沖縄県がかかえている問題は日本の国民の憲法と平和運動の今後を占う重要な方向性をもっている。その点で共産党の動静は了解しうる。ただ、福島県知事選は、事故をおこした原発が今もくすぶっており、排水は高度の放射能を海にまき散らし続けている。それは職光連鎖を通じて諸外国もそうとう困難な大問題として、国際問題である。まして、2020年東京五輪に向けて、全く実態と反する原発収束をまくしたてた安倍総理の国際公約によって、オリンピックに実際を知る多くの外国人たちは、原発事故の処置に対応する日本国政府の詭弁と対応のまずさを感じるだろう。こ の間も東京近辺の都市で震度五の地震で首都圏では人々を驚かせた。保者政治家でも構わない。まず原発の事故措置に国の内外の英知を集めて、最も困難な生活を送っている県民の生活水準保障生活政策を実行することだ。
 それには反原発派と原発再稼働派という全く矛盾する自社公民推薦候補では、当選するだけでその後は何もできまい。

 党勢拡大や赤旗購読者を増やすことの外側で、日本共産党は絶対に負けられない、なぜなら生命保障と直結しているからだ、福島県知事選挙に、熊坂氏や井戸川氏と胸襟を開いて、福島県知事選勝利の展望を福島県民、日本国民、国際社会の世論にアピールしてほしい。ずるずると告示日を迎えるようなことは絶対ないと信じているが。国土が放射能で汚染され、放射能による子どもたちの甲状腺がんが発生し、後から広島や長崎のような被害者が続出させないこと。いま、何が最も大切なのか。
 都知事選だけが知事選ではない。福島と東京と全国と沖縄と。連鎖する諸問題に、未来の歴史の検証に堪えうる政治的実践。

いま、反原発派は、そして私たち国民と在日外国人は、最も困難で重要な岐路に立たされている。福島で勝利して沖縄県知事選を迎えようではないか。そのために小生もできることは実行したい。

この記事をはてなブックマークに追加

福島県知事選と真田幸村

2014-09-15 12:05:25 | 社会・政治思想・歴史
 8月に出した方針は、いわば沖縄型の闘い方。9月に自民党は県連が推した候補をおろし、民主・社民・連合に相乗りして、逆沖縄型の戦術を採用した。状況はかなり厳しいと思うのだが、そろそろ「新しい県政をつくる会」も日本共産党も最終コーナーの見取り図を示す時期と思う。自社公民が組んでも、必ずしも選挙に負けるとは限らない。政策、戦術だ。福島原発の被害で苦しむ県民に立脚し、広報宣伝をきめ細かく県民の間に入っていくこと。失望で苦しむ県民の心のひだにわけいって生きる展望を示す具体案を示し続けること。

 真田幸村・昌幸親子は、信州上田城で数万の徳川秀忠の軍勢をけちらかして、ついに秀忠は関ヶ原にまにあわず家康にかんかんにしかられたと聴く。選挙はこんなものかとあきらめず、真田幸村の精神を現代に踏襲することだ。

この記事をはてなブックマークに追加

「みんなで新しい県政をつくる会」と福島県知事選

2014-09-14 14:49:07 | 社会・政治思想・歴史
自民党が民主・社民に相乗りして福島県知事選は、大政翼賛型になるのか懸念される。
もうひにちは少なくなりつつあるが、それでも以下に転載した見解が方向性として最も妥当と考える。
以下に引用・紹介します。
=======================
「みんなで新しい県政をつくる会」が8月12日に発表したアピール
日本共産党福島県委員会も加わる「みんなで新しい県政をつくる会」が8月12日に発表したアピールは以下の通りです。
国にはっきりモノ言える県政実現へ、「オール福島」の願いで大同団結を
ーー 県民のみなさんへのアピール ーー
2014年8月12日  みんなで新しい県政をつくる会
県民のみなさん
 「みんなで新しい県政をつくる会」は6月16日、「福島県知事選挙にたいする考え方と政策提案 県民一人ひとりの復興で、子ども・いのち・くらし輝く県政を」を記者会見し発表しました。その内容は、一つに、原発事故の収束と県内原発の全基廃炉に、国が全責任を果たすことを求める、二つに、県民一人一人の復興のために全力をあげる、三つに、憲法を守り生かして、復興を進める、という柱で内容を示しました。そして「提案」では、「思想信条や政治的立場、原発事故前の原発政策への立場の違いを乗りこえて、福島県を代表するにふさわしい県知事の実現に向けて努力」すると述べて、この間、多くの団体・個人と対話してきました。この取り組みを通じて寄せられた意見も踏まえ、次の4つの点が「オール福島」の願い、県民共通の願いとして集約できると考えます。
 県民共通の願い、「オール福島」の一致点
①国は、事故収束宣言を撤回せよ。事故収束に国が責任を果たせ、県内原発はすべて廃炉を国が決断せよ。
②原発事故前の福島を取り戻すために、国と東電の加害者責任を明確にせよ。その立場から徹底した除染、完全賠償に国の責任を果たせ。国による支援の打ち切りや線引き、分断は許されない。
③原発事故の被害から、子どもと県民の健康を守るために、健康診断・健康管理、地域の医療体制確立に国が全責任を果たせ。
④復興は県民一人ひとりが復興してこそ。暮らしと生業の再生が土台であり、県民一人ひとりに寄り添った長期にわたる国の復興支援策を求める。

 この四点が、思想信条や立場の違いを超えて県民が一致して願う「オール福島」の声ではないでしょうか。この「オール福島」の願い実現のためには、その責任を果たすべき国に対してはっきりとモノ言う県政の確立が必要であることも、県民みなさんの共通の思いではないでしょうか。

県民のみなさん
 いま見過ごすことができないのは「オール福島」の願いに、安倍政権は、背をむける態度をとっていることです。
 福島原発の事故原因すら未解明なのに、「エネルギー基本計画」を閣議決定して、原発再稼働、海外への原発輸出を進めようとしています。再稼働のために規制庁職員を71人増やす一方で、事故収束対応は10人増にとどめ、現場は依然として東電任せの状態です。IOC総会の「ブロック、コントロール」の国際公約の発言、事故現場での「国が前面に立って事故収束にあたる」とした安部首相の公約はどうなったのでしょうか。
 県民世論に押されて、第一原発の5・6号機の廃炉を東電に要請したのは安倍首相でした。県民は、「すべての原発廃炉」を願い、県議会で全会一致の決議、市長会、町村会、町村議長会と相次いで決議をあげています。しかし、安倍政権は、第二原発の廃炉については「事業者の東電の判断だ」として、県民の願いに背を向けています。
 賠償では「県原子力損害対策協議会」(全市町村含む二〇八団体)が繰り返し要望しても、国は、賠償の打ち切りと差別を持ち込み、県民を分断しています。さらに放射線量の基準値まで変えて、県内の除染方針を変える動きを強めており、多くの県民と市町村からは反発の声が広がっています。
 以上のように、「オール福島」の願いを阻み、最大の障害となっているのが、安倍政権の原発再稼働、福島切り捨ての政治ではないでしょうか。石原伸晃環境大臣の「金目でしょ」の発言は、安倍政権の福島切り捨ての姿勢を象徴的に示しました。「福島の再生なくして日本の再生なし」の公約は空々しいではありませんか。
県民のみなさん
 原発事故から3年5ヶ月、いまだに12万6千人を超える県民が避難生活を強いられ、震災関連死は1743人(8月8日)と、直接死を上回り増え続け、県内の全産業が損害を受け続けています。原発事故の影響で学校も休廃校に追い込まれ、避難区域を解除しても生活環境は深刻なままです。福島県の現状は、長期にわたる支援が不可欠です。その最大の責任は原発政策を推進した国にあると、多くの県民が思っています。
 県知事選挙の候補者が誰になるかは大変重要であり、様々な動きが報じられています。しかし、原発事故後、初の県知事選で何よりも重要なことは、県民の切実な願いは何か、その願い実現には何が求められているのか、そのためにどういう県政が必要なのかといった、肝心の政策や提案、判断基準が、県民の前に示されていないことです。
 私たちは、四点での「オール福島」の願いという一致点で、すべての県民、あらゆる団体、政党が大同団結することを改めて呼びかけます。
 「オール福島」の願いの一致点で団結して、安倍政権の言いなりとなる県政を許さず、安倍政権に対してはっきりとモノが言える県政の実現こそが必要ではないでしょうか。その実現のために力を尽くして参ります。
 四点での「オール福島」の願いでいまこそ大同団結して、新しい県政の扉を大きく開こうではありませんか。
==============================

まだ三週間あります。
日本共産党や福島の「みんなで新しい県政をつくる会」の健闘にエールをおくります。どうぞご健闘を重ねて困難な情勢のなかでもよりよい候補選出を期待してやみません。

この記事をはてなブックマークに追加

福島県知事選を闘う安倍政権の巧妙で奇っ怪な高等策略

2014-09-12 20:10:34 | 社会・政治思想・歴史

櫻井智志

 当初自民党県連は、元日銀福島支店長の鉢村健氏を擁立した。しかし、自民党本部は、滋賀県知事選、名護市議選の自民敗北にようやく危機感をもち、福島県連の意向を聞き入れず、自治省、総務省の官僚で副知事に出向していた内堀雅雄氏に目をつけた。

高等策略
①副知事だった内村氏には、民主党と社民党の福島県連、連合福島が出馬を要請していた。その内村氏に自民党本部は相乗りすることを決めて県連は承知した。これに与党の公明党がどのような形であれ、事実上自公の共闘を生かすと、自社公民の体制ができる。

②経産相になった小渕優子氏は、就任のインタビューで「私の考えは別として」と断り、政府閣僚の一員として安倍総理に従順であることを表明した。就任直後から何度も福島県に入り、素人ぽさは見えるが、県民にとって今までの事なかれ政府担当者と比べると、やや異質な印象をうける。福島県知事選にとって、小渕氏のイメージ効果を最大限に安倍総理は利用するだろう。

③内村氏の原発政策は、県内のすべての原発廃炉であるという。無理矢理全国の原発を再稼働させ、原発そのものを外国に売り歩く死の商人をしている安倍総理総裁をトップに仰ぐ自民党は、どこで政策をすりあわせるのか。あまりに選挙対策の小手先だけで済ませようとする卑怯な謀略としか言いようがない。そのような卑劣さを高等戦略と言うほど、政策理念も政策の論理も滅茶苦茶としか言いようがない。


④あれほど反原発を叫んでいた小泉・細川元総理は、なんら福島知事選にコミットしていない。都知事選であれだけ派手にアピールした大都市型イメージ戦の効果がないと見たのか、社民、民主が自民と相乗りした段階で、いかなる政治勢力が小泉・細川両氏と提携して県知事候補を擁立しえようか。あえてあげれば、小沢一郎氏と生活の党くらいなもので、小沢氏の民主党と合流して野党共闘をという路線は、今の段階では、全く現実性が薄い。

意見
 以上のような段階で、日本共産党は共闘を重視して、今まで他の政党との連携を工作しつつようすを見ていたと推測する。日本共産党は名護市議選でもトップ当選を果たした。沖縄県知事平和勢力のブレインであり、実践力でもある。反原発連合などの市民団体は、政党の中でも日本共産党への信頼は高いものがある。日本共産党、民主主義団体、市民団体、これらの渦の中から、どのような選挙戦になるのか。
 だが、福島県民は口先だけで耳障りのよいことを言うだけで、現実的具体的に復興の成果のない自公政権に疲れ切って希望はもっていない。さらに県民の中にも階層別に異なった実態がある。福島原発の収集作業にあたっている原発労働者は、「蟹工船」のような過酷な労働条件で、危険手当も下請け、第二次下請け、第三次下請けと下部に行くほど危険手当のネコババで直接放射能とむきあっている労働者の健康・労働条件は最悪の環境である。福島県民に希望をもたらす県政を実現する上で、政府政権が本当は最も問われているのだ。
 もう候補者を立てるのには時間もそれほど余裕はない。それでも、何度も県外から福島に入って復興にむけて励ましている人々や全国で反原発支援運動を実践している人々のちからは政治的にも非力ではない。

 今後、反原発市民団体と日本共産党や新社会党、緑の党など反内村・反安倍勢力の政治的力量を全国の民衆が応援し高めていくことがひとつの作戦となろう。

 

この記事をはてなブックマークに追加

民主党の位相と全国の地方選挙

2014-09-10 21:54:01 | 社会・政治思想・歴史

櫻井智志


  孫崎享氏は、自らのブロマガで「民主党は、国民期待の受け皿になれるのか」と題して以下のように述べている。

============================================
 今、国民は幾つかの重要政策で安倍首相の政策とは逆を望んでいる。
1:原発の再稼働は望まない
2:集団的自衛権には反対である、
3:消費税アップには反対である(どこまで反対か不明であるがその他)
4:TPP参加問題
5:沖縄での普天間基地の辺野古移転問題がある。
 野党として、こんなに戦いやすい時期はない。争点は明確だ。安倍政権と対峙すれば国民の大多数の支持を得られる。
 では民主党はそれが出来るか。出来ない。
1の脱原発をみてみよう。
 東京都知事選挙で細川候補と宇都宮候補は脱原発を掲げた。桝添氏は原発推進派とみられていた。この中。真っ先に桝添氏を支持したのが連合東京である。私は地方で講演することがある。労働組合関係の人々にも会う。何故労組が脱原発を鮮明に出来ないのかと問うと出来ないという。労働組合の最近の動きで特徴的なのは、電力会社の労働組合が、労組団体の主要ポストを次々に獲得しているという。電気企業関係労組もどちらかというと原発支持が多い。労働組合が全体として脱原発になれないから民主党も脱原発の路線を出せないという。
 集団的自衛権を見よう。民主党内には前原氏や長島氏のように米国との協力を強く主張するグループがいる。彼らの力が強いのは、普天間基地の辺野古移転の時の動きを見ればよい。彼らがいる限り、安全保障で対米自立はない。TPPも同じ構図だ。
 私はある時、労働組合系のリベラル派に聞いた。「何故リベラルな人が民主党を脱して、独自の路線を行えないのですか」。
彼の答えはこうだ。
 小選挙区制がある。戦いは厳しい。いわゆるリベラルと言われる候補者で、連合の支援なくして、自民党議員に勝てる人はほとんどいない。脱連合ができない。脱連合が出来なければ脱民主党も出来ない。

残念ながら、民主党が受け皿になるのはほど遠い。

========================================================

 私はこう考える。

 民主党はいざという全国各地の地方選挙で、自公と一緒に各地の首長選で圧勝している。いざ進歩派風なことは言うが、実際に自公に一貫して対峙し続ける政党ではない。
 一説に、小沢一郎氏を民主党が招き、反安倍で一致できる勢力を糾合することで安倍政権を打倒できるという見解がある。以前の私なら、それは統一戦線に近いと思い賛成したかも知れない。しかし、今の民主党はだめだ。国民は「何を言うか」ではなく「何をするか」で政治家を見ている。今から思えば結果的には自分の売名行為で反拉致問題キャンペーンに力を注ぎ、やがて政党を渡り歩き国政選挙に何度目かに当選した政治家がいる。今は一体何をしているか。その場その場で思いつきで人気を獲得しても、誠意ある地道な一貫した行為の持続が政治家ならば、市民運動のアドバルーンと政治家の倫理とは複雑な関わりをもちそれを十分に体得した政治家を望む。菅直人や辻元清美など市民運動から政治家になった政治家に展望を期待したい。
 本来なら、心を広くもち多くの良心ある政治家を認める取り組みを支持したい。だが、安倍自公政権は、選挙の結果さえ、民意を無視して、官房長官が「とっくに終わったことだ」とは・・・・安倍政権とは自公両党よりも、「安倍晋三」熱狂支持独裁政権でしかない。
 民主党についていくのでなく、民主党のまとも派が民主党を割っても、無所属で反安倍派の全国的な共闘に入ってくるかたちしかない。私は、沖縄県の統一地方選挙を見ていて、厳しい中で闘い続ける沖縄県民と連帯できない本土の政治家と政党は、やはり統一戦線を形成できないと思った。むしろ自民党沖縄県連の中から自民党本部の弾圧をはねのけて、沖縄民主主義戦線に結集する自民党員の動きに本当に驚かされ、感銘を受けた。
 政治には汚れた駆け引きや側面があるという。政局は流動的でも、多数の戦死と侵略戦争が終わり、戦後民主化の焼け跡闇市の空に飢餓と貧乏のなかで国民がこれからに垣間見たものは、今の安倍自公政権の政治施策が日々破壊している「積極的平和破壊主義」政治の窮状ではない。

この記事をはてなブックマークに追加

日刊ゲンダイのゲリラジャーナリズム精神が衝く

2014-09-03 21:28:46 | 社会・政治思想・歴史


「お友達内閣」先鋭化 安倍改造内閣党三役の惨憺たる顔ぶれ

2014年9月3日

 安倍首相が3日、内閣改造と自民党の役員人事を行った。安倍首相は「日本を取り戻す戦いの第2章」と大仰な言い回しを繰り返したが、一体、何のための改造なのか。閣僚や党三役の顔ぶれを眺めると、あらためてそれを問いたくなる。まず、留任大臣の多さだ。官房長官、財務、外務、文科、国交、経済再生と主要閣僚が軒並み続投。経済や外交がメタメタなのに、麻生太郎財務相(73)や甘利明経済再生相(65)ら無能な経済閣僚や外交オンチの岸田文雄外務相(57)をなぜ交代させないのか。
 アベノミクスのメッキが剥がれたうえ、4月の消費税増税で経済指標はボロボロ。景気後退がハッキリしてきた。2日に発表された8月の国内新車販売台数は、前年同月比9.1%減という大幅マイナスだった。こうした経済悪化の兆候はもうずっと前から出ていたのに、「緩やかな景気回復が進む」と能天気に言い続けてきたのが甘利経済再生相だ。麻生財務相は麻生財務相で、来年10月からの消費税10%を「予定通り」と繰り返し、財務官僚の代弁者をやっている。この2人が留任では、この国の景気が上向くことはない。「アベノミクスの取り巻きの内閣参与・本田悦朗静岡県立大教授や、指南役とされた山本幸三衆院議員までもが、<消費税増税10%は17年4月まで延ばした方がいい>と言い始めました。彼らが変心せざるを得ないほど、経済状況は悪い。アベノミクスの本質が問われている大事な時期に、いままでと同じメンバーを選ぶとは、何のための改造なのですか。無策としか言いようがありません」(経済評論家・斎藤満氏)

■お飾りと安倍シンパがズラリ
 岸田外務相も最悪だ。安倍首相の“圧力外交”のせいで冷え込んだ中韓との関係を修復する力量もなく、漫然と外相のイスに座っている。外務省は早々と安倍首相に岸田外務相留任を求めたとされるが、「何でも言いなりで使い勝手がいいから」(外務省関係者)というのが理由だ。揺れるウクライナ情勢など、米露のはざまでますますタフな外交交渉が求められるのに、お飾りみたいな大臣ではどうしようもない。

 その一方で、新任閣僚や新任党幹部には、お友達がズラリだ。それも、政調会長の稲田朋美氏(55)を筆頭に、戦後レジーム修正主義のウルトラ右翼を中枢に起用し、これまで以上にその路線を突き進む。安倍首相ベッタリの高市早苗氏(53)は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」の主要メンバーとして毎年8月15日に靖国で拝んでいる。そのうえ、政府がすでに見直さないと決めている河野談話について「来年(戦後70年)、安倍晋三首相が何らかの談話を出す。その内容に大いに期待している」と修正を求めるような発言をテレビでした。拉致担当に起用される山谷えり子氏(63)は最近、安倍首相の母親・洋子さんと一緒にモンゴルへ行き、安倍家の覚えがめでたい。稲田氏や高市氏と同じく靖国参拝を是とし、尖閣や竹島問題に取り組む領土議連の会長を務めるタカ派だ。


 英エコノミスト誌は<右派が入閣すれば、近隣諸国との関係が悪化する>と警告したが、その懸念がズバリ的中という陣容なのである。
「安倍首相は自分に忠実な人間ばかりを集めた。政調会長だった高市氏を閣僚にし、大臣だった稲田氏を政調会長にすることで2人を残したわけですが、彼女らに加え、山谷氏は自民党の中でも群を抜く極右ですよ。中韓をますます挑発することになるのは間違いないし、彼女たちは安倍首相を喜ばせるためなら、何でもするでしょう」(政治評論家・森田実氏)

 松島みどり氏(58)と有村治子氏(43)にしても、安倍シンパの“操り人形”だ。女性の積極活用の数合わせで起用された。小泉内閣と同数の「女性大臣5人」を華々しくPRしたいだけである。
「8年前の第1次安倍内閣であれだけ批判されたにもかかわらず、今回はさらに『お友達内閣』が先鋭化しました。女性の登用にしても、優秀な人材がいるわけでもなく、結局、“好き嫌い”で選んだ印象です。安倍首相のやりたい放題がさらに加速しそうです」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)
お友達といえば、第1次内閣で官房長官だった塩崎恭久氏(63)も再入閣する。これまで党の政調会長代理として政策面で首相を支えてきた“ご褒美”らしいが、前回、官僚と敵対するなど官邸崩壊を招いたA級戦犯を再び起用するとは…。

 安倍首相も懲りない男である。
論功行賞と派閥推薦ばかり…新味ゼロで右傾化進む改造人事
 その他の顔ぶれも新味ゼロというか、ひどいのばかりだ。というのも、残りは派閥のボスを味方につけるための人選がほとんどなのだ。
 山口俊一氏(64)は当選8回なのにこれまで一度も入閣できなかった待機組の代表格。当選5回が適齢期といわれるのに、8回を数えるまで大臣になれなかったのは、それだけ能力が低いのか、身体検査に難アリということだ。安倍首相の後見役の麻生財務相の猛プッシュが効いたのは間違いない。
 防衛・安保相に起用される江渡聡徳氏(58)は大島派の、農相の西川公也氏(71)は二階派のナンバー2の事務総長だ。そのうえ江渡氏は、第1次と第2次の両安倍内閣で防衛副大臣を務め、その後は衆院の安保委員長として安倍首相のタカ派路線を支えてきた。西川氏も安倍首相の意をくんで、TPP交渉で党内の反対派を強引に押し切った。いずれも論功行賞人事である。

■竹下復興相は小渕経産相とセット入閣
 復興相の竹下亘氏(67)は額賀派の推薦一番手だった。派閥は安倍首相が起用にこだわった小渕優子氏(40)と“セット入閣”を要求。安倍首相がそれに従ったことになるが、つくづく被災地も軽んじられたものだ。
「派閥をバカにしながら、そのくせ<爺さんたちがうるさいから>とばかりに推薦や要望をのむ。その目的は、祖父・岸信介の遺志を継いで右傾化を進めるために、<好きなことをやらせて下さい>というバーターです。改造は国民のためでも何でもない。ここまで心沈むような人事も珍しい」(山田厚俊氏=前出)

 結局、安倍首相の改造の理由はハッキリしている。派閥領袖の谷垣禎一氏(69)や二階俊博氏(75)を党三役にしたのもそうだが、支持率が低下するなかで、自分の求心力を維持したいだけなのだ。
「そして、来年の総裁選で再選されるために、ライバルの石破氏を幹事長から外し、排除するための改造でもあります。一度は拳を振り上げた石破氏がコケ、入閣したことは<もう弓は引きません>という敗北宣言ですよ。派閥領袖も取り込み、これで安倍首相は怖いものなし。これまで以上に思い通りやるでしょうね」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 こうして安倍首相は長期政権を目指す。そこには、国民のため、経済のため、外交のためという発想はどこにもない。無意味な改造でハシャいでいるのは安倍首相のお友達だけである。

==============================
私見
 大手マスコミの朝日・毎日・読売・産経と読み比べていないが、この内閣改造はいったいなんのために行われたのかを知る上で、日刊ゲンダイの記事は、権力に媚びず堂々と権力批判をついている。

この記事をはてなブックマークに追加