【現代と思想】~ジャーナリスト精神

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

沖縄県うるま市長選 2017

2017-04-19 22:34:03 | 政治・文化・社会評論
 【うるま市長選に注目する理由】


    「沖縄と福島を根底から考える」
     「市民と立憲野党共闘の広場」
             櫻井 智志

1:
 自民党選挙対策委員長が、「詐欺行為に等しい沖縄特有の戦術」とフェィスブックに書き込めば、自民党国会対策委員長は「そういう側面もあるんじゃないか」と記者団に語る。異様な政治・選挙風景が、私たちの目の前にあらわれている。

 公党のしかも政権総理が総裁をつとめる自由民主党の、国会対策・選挙対策の実務最高責任者が相次いで、「詐欺行為に等しい」と誹謗し、「沖縄特有の戦術」と最大の差別・蔑視を公的にアピールし、同調する。

 これはもう、議会制民主主義という「くにのかたち」の崩壊である。

 私たちは、4月23日の沖縄県うるま市長選を、ひとつの市長選挙という枠組みとともに、その背景の自民党国政関与の根本的な「国民統治の正統性」を問うという課題に直面している。

 自民党選対委員長・国対委員長の相次ぐ、発言には、政権与党の公明党代表さえも「閣僚や政務次官の言動が国民に不信を与えている。緊張感がないと受け取られるようでは政権の安定はかなわない」と異例の苦言を呈した。安倍政権の政務三役から、地方創生担当相の「いちばんのガンは文化学芸員」発言、女性問題で辞任した経済産業政務官の衆院議員、そしてこの選対委員長発言らをさしている。


 23日に投開票が迫ったうるま市長選は、社民、共産、社大、自由、民進の各党が推薦する無所属新人の元沖縄県議山内末子氏(59)と、自民、公明両党が推薦する無所属現職で3期目を目指す島袋俊夫氏(64)との二人の激戦が行われている。沖縄では国会議員は自民党はゼロ、県会議員など自民党は少数派である。唯一県内各地の市長は、オール沖縄の翁長雄志県知事を肯定する市長と反対する市長は、反対派が多いという実情がある。そんな中でのうるま市長選は、沖縄県民の米軍基地の占有という不合理を拡大するか縮小するかという県民念願の課題にとっても、大切な市長選である。



2:
 古屋圭司選対委員長の「暴言」は、このような背景下での焦りだけではない。沖縄にとり、アメリカ軍と政権の動向が決定的に大きな影響を与えてきた。オバマ大統領からトランプ大統領にかわったアメリカは、軍縮政策から一転して軍拡路線、「強国アメリカ復活」が世界各地に波紋を投じている。安倍晋三日本国内閣総理大臣は、選挙結果がでると、トランプ詣でを率先して行い、様子を洞察している世界各国から顰蹙をかった。さらに、トランプ大統領がシリア国にミサイル弾をうちこむと、「トランプ政権の決意支持」というよく意味の不明な表明を行った。トランプ追随の安倍政権は、アメリカ追従路線が、軍拡路線追従ともなってしまった実態によって縛られている。

 沖縄県民の念願よりも、沖縄県の米軍基地をトランプ大統領下のアメリカ軍首脳の意のままにこなすためには、意にそまぬすべての政治的動きを封じ込めて、「忠犬ポチ路線=アメリカ・トランプ政権隷属路線」を貫徹する位置に立っている。

 古屋圭司氏や竹下亘氏が、政治家として極端なウルトラ・ナショナリストでも偏狭な軍国主義者とはいえまい。どちらかと言えば、通常の政治家である。その政治家たちがこのような発言を行う情勢に追い込まれていることは、戦前戦時下の政治家たちと比較して考察する必要があろう。



3:
 もうひとつ。山城博治さん初公判を現地から報告した月刊『紙の爆弾』沖縄取材班は、五頁にわたる叙述を五月号で行っている。「兄・正和さんの地裁前抗議行動」「弁護団と基地反対市民に聞く」「そして、裁判当日」の小見出しの報告。一読して山城博治さんの五か月にもわたる勾留は、なぜだったかがわかる。いくつか引用転載させていただく。

◎「弟は一昨年に悪性リンパ腫にかかり、治療を受けている身です。彼を独居房の中に閉じ込めて、潰れてゆくのを権力は待っているのて゜しょう。公権力を行使する者の行為としては、品位がなさすぎると思います。」兄・正和さん
◎「山城さんには前科がありませんし、公務執行妨害や傷害の対象とされている行為も一分から一分半ほどのもので激しいものではありません。威力業務妨害についても悪質なものではありません。そのような建機で五カ月もの長期勾留は人権侵害です。」川津知大弁護士
◎「今回の不当逮捕と長期拘留はズバリ”白色テロ”(権力が反権力側に振るう暴力)てす。」3年前に東京から基地建設に反対するため名護市に移住した市民・鈴木公子さん
◎「五か月以上勾留が続くというのは、想像もしない異常な事態だと思います。でもこれが異様というよりは、あ、警備は異様ですね。大量殺人者の裁判でもこうじゃないよね、と言いながら傍聴していたんです。」傍聴していた精神科医の香山リカさん
◎「山城さんへの不当逮捕・長期拘留は、運動潰しの国家意思に間違いあるまい。」沖縄取材班


4:
  自民党選対委員長古屋圭司氏、自民党国対委員長竹下亘氏らの強気の暴言は、自民党と安倍政権のこれからの国民統治の基本的姿勢を示している。沖縄平和運動センター事務局長への対処の仕方は、今後安倍政権とポスト自民党政権が、平和運動勢力の個人団体への対処の基本的政策の原点となることが懸念される。
 「うるま市長選」で、当選が最終ゴールとしても、「どのように闘うか、どのように日本全国が先駆的な沖縄県内市長選を応援するか」が重要である。自公政権とアメリカ軍・政府当局から予想されるさまざまな情報戦・心理戦・策略パラエティを克服していくか。それが大きな政治的闘いの重要な課題である。


補足:
 4月22日までの地方自治体選挙記事投稿は、今回は特別な態勢ですが、沖縄県うるま市長選に絞って、二つのサイトでお伝えします。 
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