ま、いいか

日々の徒然を思いつくままに。

「騎士団長殺し 第1部 第2部」

2017-06-16 23:45:17 | 

 

「騎士団長殺し  第1部  顕れるイデア編」

「騎士団長殺し  第2部  遷ろうメタファー編」

 

  村上春樹   新潮社    2017.2.25

 

その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。

夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。

騎士団長が顕れるまでは。


しかるべき時間の経過がおそらく私に、それが何であるかを教えてくれるはずだ。それを待たなくてはならない。そして辛抱強く待つためには、私は時間というものを信用しなくてはならない。時間が私の側についていてくれることを信じなくてはならない。

 

私は、免色の娘かもしれない秋川まりえの肖像を描くことになる。

 

  たとえどのような年齢であれ、すべての女性にとってすべての年齢は、とりもなおさず微妙な年齢なのだ。41歳であれ、13歳であれ、彼女たちは常に微妙な年齢と向き合っているのだ。

 

騎士団長を殺し、顔ながと向かい合う。

「おまえはいったい何ものなのだ?やはりイデアの一種なのか?」

「いいえ、わたくしどもはイデアなぞではありまけん。ただのメタファーであります」

「」ただのつつましい暗喩であります。ものとものをつなげるだけのものであります」

 

同じく、『騎士団長殺し』の絵に描かれていた

ドンナ・アンナは言う。

「ここにあるものは、すべてがみたいなものなのです」

「本物ではないということ?」

「本物がいかなるものかは誰にもわかりません」

「目に見えるすべては結局のところ関連性の産物です。ここにある光は影の比喩であり、ここにある影は光の比喩です」

 

第1部冒頭に、

いつか、顔のない男の肖像を描く、

というのがあった。

第1部には、それと関連したところがなかったが

第2部353ページ、

『永遠というのはとても長い時間だ』に

空白の顔の男が出て来た。

不思議な世界の川の渡し守として。

そして言った。

『いつかおまえにわたしの肖像を描いてもらうことになるかもしれない。もしそれができたなら、ペンギンの人形はそのときに返してあげよう』


『私』は妻・ゆずとの生活をやり直すことにし、

父が定かでない娘・室が生まれる。

 

 

ストーリーを追って、

ザクッと読むような作品ではない。

引き込まれ、一言一句とまではいかないものの、

丁寧に読んだ。

 

続きがありそうだ。

顔がない男の肖像を描くまでだろうか。

 

 

 

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