「あとは野となれ大和撫子」 宮内悠介 KADOKAWA 2017.4.21
中央アジアのアラルスタン。
ソビエト時代末期に建てられた砂漠の小国。
この国では、初代大統領が側室を囲っていた後宮を将来有望な女性たちの高等教育の場に変え、様々な理由で居場所を無くした少女たちが、政治家や外交官を目指して日夜勉学に励んでいた。
日本人少女ナツキは両親を紛争で失い、ここに身を寄せる者の一人。
後宮の若い衆のリーダーであるアイシャ、姉と慕う面倒見の良いジャミラとともに気楽な日々を送っていたが、現大統領が暗殺され、事態は一変する。
国の危機にもかかわらず中枢を担っていた男たちは逃亡し、残されたのは後宮の少女のみ。
彼女たちはこの国をーー自分たちの居場所を守るため、自ら臨時政府を立ち上げ、『国家をやってみる』べく奮闘するが……!
内紛、外交、宗教対立、テロに陰謀、環境破壊と問題は山積。
はちゃめちゃだけど、チャラくはない。
一気に読めた。
スゴい発想だなぁ。
後宮のヌシのようで、ナツキたちに反感を持ってるらしいウズマがなかなか。
そのウズマとアイシャの会話……
「"限られた土地のなかで、人は互いに我慢しあわなくてはならない"ーー」
「また、トルコかどこかの諺?」
「だから餓鬼は困る。たまには本も読んでおけ。カントの『永遠平和のために』だ」
「レントゲン」 風野潮 講談社 2013.10.22
図書館で見つけて、その場で久々に再読。
そうそう、廉太郎と弦次郎は、
誕生日の関係で同じ学年の兄弟だった。
弦次郎は言う。
「自分の気持ちは自分で口に出さんかったら、他人にわかってもらえるはずがないって、思たから。レントゲンみたいに、誰にでもわかるようにハッキリ映し出して見せることはできへんけど、それでもできるだけ正直に、思てること、言うてみた」
「クリスタルエッジ」シリーズも
また読もうかな。