超級龍熱

香港功夫映画と共に

アメリカの夢、愛の奇跡! 『ロッキー』

2007-02-16 02:08:37 | 作品レビュー
これは1人の売れない俳優兼ライターが、ある日偶然観たモハメッド・アリ対チャック・ウェプナーのプロボクシング世界ヘビータイトルマッチにインスパイアされ、たった3日間で書き上げた脚本に、自らが主演した作品です。
この映画で主人公に扮した青年俳優は、以後一躍スターダムに伸し上がり、それはアメリカ映画、いや20世紀“最大の奇跡”と呼ばれました。


(1)「イタリアの種馬」

1975年の暮れ。米国はフィラデルフィアの3流ボクサー、ロッキー・バルボア(シルベスター・スタローン!)は、素質にも恵まれ強打を誇るボクサーでしたが、その普段の生活は節制とは縁遠い上に、とてもボクサーだけでは食えずに高利貸しのガッツォ親分(ジョー・スピネル)の借金取立て係で生計を立てていました。
安アパートに帰っても話し相手はコフとリンクという2匹の亀だけ。ロッキーはそんな自分が気がついたら既に30歳を過ぎている事に寂しさと焦りを感じる日々でした。
でも身体は大きくても気の優しいロッキーは、この下町の人々に深く溶け込み、腐れ縁の友人ポーリー(バート・ヤング)と酒場で愚痴を言い合ったり、ボクシング・ジムのオーナーのミッキー(バージェス・メレディス)にジムのロッカーを取り上げられたりと冷たくされながらも、何とか毎日を彼なりに生きていました。
そんなロッキーにも気になる女性がいました。ポーリーの妹でペットショップに勤める内気な女性エイドリアン(タリア・シャイア)です。
ロッキーは用もないのに毎日のようにペットショップに寄ってはショ~もないジョークを言って何とかエイドリアンの気を引こうとしますが、中々旨くいきません。
でも感謝祭の日に、ポーリーの仲介でロッキーは何とかエイドリアンをデートに誘う事に成功します。2人は無人のスケートリンクでお互いの事を話します。「よぉ~、俺はさ、親父にお前は頭が悪いから身体を使った仕事をしろって言われたんだよ」「私は母に逆の事を言われたの。貴方は体が弱いから頭を使う仕事をしなさいって!」2人はその後も手を繋ぎながら無人のスケートリンクを滑ります。
2人だけのスケートリンクでのデートを楽しんだロッキーとエイドリアンは、その夜ロッキーのアパートで静かに結ばれます。

(2)「アメリカの夢」

そんな頃、プロボクシングの世界ヘビー級王者、アポロ・クリード(カール・ウェザース)が自ら保持するタイトルマッチの防衛戦のためにフィラデルフィアにやってきます。ところが、もう試合まで僅かの時に対戦相手のマイクリー・グリーンが負傷し、アポロは苦肉の策として「いいか、この国はチャンスの国なんだぜ?建国記念日のこの日に世界チャンピオンの俺が無名のボクサーにタイトルマッチのチャンスを与える・・!どうだ?いいアイディアだろう?」と発案し、興行側はすぐさま対戦相手の人選に入ります。
そして無数のボクサーの中からアポロ自身が選んだのが<イタリアの種馬>ことロッキーでした。でもアポロのトレーナーであるデューク(トニー・バートン)だけは「チャンプ、コイツはサウスポー(左利き)だぞ?サウスポーだけは止めたほうがいい!」とロッキーとの対戦に危機感を覚えますが、自分のアイディアにすっかり酔ったアポロは聞く耳を持ちませんでした。
そして、この日からロッキーの生活は一変します。大金のファイトマネーが約束され、テレビに出演したり、ロッキーを妬んだポーリーとエイドリアンが喧嘩になったり、とロッキーは周囲の変化に戸惑います。
そしてある晩、ロッキーのアパートにミッキーが訪ねてきます。
ミッキーは「ロッキー、ワシは今度の試合でお前のマネージャーになりたいんだ!ワシの長年の経験をお前に授けたいんだよ!」とロッキーに申し出ますが、ロッキーは「今頃何だってんだよ?俺がアンタの助けが欲しかったのは10年前だったんだぜ?それなのにアンタは何時も俺に冷たかった・・俺のロッカーまで取り上げたじゃないか!」と激しくミッキーを拒絶し罵倒します。
でも・・ロッキーに突き放され1人寂しく寒空の下を帰っていくミッキーの後ろ姿に、アパートを飛び出て走り寄るロッキーの姿がありました。2人は暫く肩を組んで歩き、最後にはガッチリと握手を交わします。そう、固い絆で結ばれた名コンビの誕生でした!

(3)「Gonna Fly Now・・!」

こうして世界タイトルマッチに向けて、ロッキーのトレーニングが始まりました。
生卵5個(!)を飲み干して、まだ早朝誰もいない無人の街をロッキーは走り出します。ところが、これまでの煙草や酒の飲み放題の不摂生が祟り、何とか美術館に辿り着いたロッキーは、その美術館の長い階段をヨロヨロと登るのが精一杯で、すっかり疲れきって家へと帰ったのでした・・。
そんな時、またもポーリーがエイドリアンとロッキーの仲に嫉妬し、兄妹は大喧嘩をしてしまい、その日を境にエイドリアンはロッキーのアパートで一緒に暮らす事になります。
ロッキーとミッキーの世界タイトルマッチへ向けたトレーニングは激しさを増し、ロッキーはジムでの厳しいトレーニングで日に日に全盛期のコンディションを取り戻し、全身に力が漲ってくるのを感じていました。
そこにオズオズとポーリーがやってきて、ロッキーがタイトルマッチで着るガウンに自分が勤める生肉会社のロゴを入れてくれるように頼んできます。気のいいロッキーは、そのポーリーの申し出を承諾します。親友同士の仲直りでした。
翌朝、ロッキーはまたも無人の街を走り出します。(ここであの「ロッキーのテーマ」が流れます!)
身体中に闘志が充満したロッキーは、世界タイトルマッチに挑む自分を応援し次々と声をかけてくれる下町の人々の声援を全身に浴びながら市場を走りぬけていきます!
市場から波止場を駆け抜けたロッキーは少しずつ走るスピードを上げ、最後には全力疾走でゴールの美術館に辿りつきます!
前回はヨロヨロで這うように登った美術館の階段を、ロッキーは踊るように飛び越え、一気に階段を登りきると澄み切った大空に両手を突き上げ何度も何度も飛び跳ねます・・!Gonna Fly Now!・・もう後は世界タイトルマッチを待つのみです!

(4)「ロッキーの誓い」

タイトルマッチ前夜。ロッキーは自分のアパートで明日に控えたアポロとの世界タイトルマッチのプレッシャーと1人闘っていました。
そんなロッキーを優しく励ますエイドリアン。ロッキーはエイドリアンに静かに語り始めます。
「俺のこれまでの人生はロクなもんじゃなかった。でもそんな俺にも最初で最後のチャンスがやってきたんだ!明日のアポロとのタイトルマッチで俺は例え頭を叩き割られようが・・マットに這い蹲ろうが・・最終ラウンドの15ラウンドが終わっても、まだ俺がそのままリングに立っていられたら・・その時こそ俺がただの負け犬じゃなかった事を証明できるんだ!」
そして、ついにアポロ・クリード対ロッキー・バルボアの世界ヘビー級タイトルマッチの日がやってきます。
控え室でポーリーが用意した赤のガウンを着たロッキーは、同じように真っ赤な帽子を被ったエイドリアンと一緒でした。ロッキーの目の前のエイドリアンは、あの以前の内気な女性ではなく、見違えるほど美しい女性になっていました。
「試合が終わっても、そのまま待っててくれよな?」「頑張って・・!」エイドリアンは控え室を出て行くロッキーをジッと見送ります。

試合場は超満員。リングサイドにはガッツオ親分、ポーリーたち友人が駆けつけ、ロッキーが常連の下町の酒場でも店内一杯に人が集まり店のTVに釘付けでした。
静かに入場したロッキーに続き、ジョージ・ワシントンを気取った派手なコスチュームでリングに姿を見せたアポロは盛んに「I want youuuu!」とロッキーを挑発します。特別ゲストのジョー・フレージャー(本人!)の登場を経て、ついに運命のゴングが鳴ります!
ロッキーはユックリとアポロの待つリング中央に歩み出ていきます・・!

(5)「死闘!」

第1ラウンド。アポロは鋭いジャブを何度もロッキーの顔面に叩き込みながら、時には笑みを浮かべて余裕の攻撃を続けます。
ところが、試合開始直後・・ロッキーの左フックがアポロの顔面を捉え、アポロが衝撃のダウンを喫します・・!騒然とする場内!全員総立ちで狂喜する下町の酒場!まさに無敵を誇ったアポロ・クリード生涯初のダウンでした・・!
何とかアポロは立ち上がりますが、アポロのトレーナーのデュークの不安が的中し、サウスポーのロッキーの変則的なスタイルに苦しむアポロは以後のラウンドでも苦戦の連続となります。誰もがただの“楽勝マッチ”と予想していた試合が“壮絶な死闘”へと変貌していきます・・!第3ラウンド、第6ラウンド、第8ラウンド、第10ラウンド・・と2人の激闘は続きます。
ロッキーもアポロの強打で鼻をヘシ折られ、ラウンドが重ねられていく内に、ロッキー、アポロ両者の顔は鮮血に塗れ醜く歪み、目はシャッターを閉じていきます。
そして第14ラウンド、会場の観客はロッキーの予想外の善戦に大興奮となり、その歓声は控え室のエイドリアンにも聞こえてきました。
エイドリアンはオズオズと控え室を出ると・・そのままリングへと通じる通路へとやってきます。
そして、そこでエイドリアンが見たのは・・アポロの強打を浴びマットに叩き着けられ、必死に立ち上がろうとしているロッキーの姿でした・・!
「もういい!ロッキー、そのまま寝てろ!寝てるんだ!」セコンドのミッキーの声にもロッキーはロープを掴み必死に立ち上がろうとしています・・!エイドリアンは思わず目を閉じますが・・再び目を開けるとリング上をジッと見つめます。
既に限界状態であるロッキーは、カウント9ギリギリで立ち上がると、唖然と自分を見つめるアポロに再びファイティング・ポーズを取ります。そしてロッキーは接近して来たアポロの脇腹に渾身のボディ・ブローを何発も叩き込みます!その瞬間第14ラウンド終了のゴングが鳴り、残すは最終第15ラウンドのみとなりました。

(6)「最終ラウンド」

アポロは苦痛に顔を歪めながらコーナーに戻ると、セコンドのデュークに呻き声を発します。「チャンプ?どうした?」「あいつ・・俺の肋骨を折りやがった・・!」「何だって?」デュークは愕然としながら苦痛に満ちた世界王者の顔を見つめます。
一方、ロッキーもコーナーに戻ると、ミッキーに「ミッキー・・目が塞がって見えない・・切ってくれ!」と頼みます。ミッキーはレフリーに判らないようにカットマンのアルにロッキーの瞼を切らせて視界を確保させます。
ロッキーは最後のラウンドに挑むために立ち上がると、ミッキーに「絶対に止めないでくれ!」と頼み、ミッキーも「ああ、判ってるさ!」と応じます。
第15ラウンド、最終ラウンド開始のゴングが鳴ります。
ユックリとリングの中央に進み出たロッキーとアポロはジッと睨み合いますが、すぐにアポロがフックでロッキーをグラつかせます。
ところがアポロはそのまま苦しげに脇腹を押さえて動きを止めます。そこをロッキーが猛攻を開始します!何度となくロッキーの左フックがアポロに決まり、場内は無敵の世界チャンピオンの大苦戦に騒然となります!激しい打ち合いの果てにロッキーが最後の力を振り絞った左フックがアポロの顔面に入った瞬間、試合終了のゴングが鳴ります!
「いいか・・リマッチ(再戦)は無しだぞ?」「ああ、俺もさ!」
アポロとロッキーが2人だけの会話を一瞬交わした後、リング上には関係者が雪崩れ込み大混乱となります!両目が塞がり疲労困憊状態のロッキーには何本ものTV用マイクが突き出されコメントを求めようとしますが、ロッキーはそれには目もくれず一心不乱に叫び出します!「エイドリアン?・・エイドリアァァァン!」
大歓声に包まれた場内でも、何故かこのロッキーの叫び声は観客席遥か後方のエイドリアンにもハッキリと聞こえていました。
「ロッキー?・・・ロッキー!」エイドリアンは人込みを掻き分けながらリング上のロッキーに向かって歩き出します・・!
リング上ではこのアポロ対ロッキーの世界タイトルマッチが判定に持ち込まれた事に騒然となり、全ての人間が判定の行方に聞く耳を立てています。特にフラフラで立っているのがやっとのアポロは祈るような表情で、判定が出るのを待っていました。
エイドリアンは擦れ違う人たちと何度もぶつかりながら懸命にリングに向かって歩き続けます。一瞬自分の被った真っ赤な帽子が落ちても気にせずエイドリアンはそのままロッキーに向かって歩き続けます・・!
「エイドリアァァァン!」ロッキーの絶叫は続きます。もう誰もロッキーを見ていませんでした。誰もがマイクを持ったリングアナウンサーの読み上げる判定の行方に注目していたからです。
「エイドリアァァァン!」それでもロッキーは叫びます。何度も!・・何度も!
そのロッキーの傍らで、アポロがアナウンスが告げた判定に小躍りして両手を突き上げています。
世界タイトルマッチの勝敗が決したその時、エイドリアンはリング下に辿りついていました。エイドリアンは自分が見上げるリングサイドで、警備の警官と掴み合いになっているポーリーに声をかけます。
「ポーリー?」その瞬間、ポーリーは後ろ手でサッとロープを掴み上げ、妹をリング内へと招き入れます!(大拍手!)
エイドリアンは無数の人々で大混乱のリング上に駆け上がると、自分を待つロッキーに向かって力いっぱい走ります・・!
ロッキーもエイドリアンの姿に気ずき人を掻き分けながら、とうとうロッキーとエイドリアンの2人はリング上で見詰め合います・・!
「帽子は・・どうした?」そう優しく問うロッキーに、エイドリアンは今まで言いたくてもどうしても言えなかった言葉をロッキーに思い切り叫びます!「あなたを愛しているわ!」
ロッキーはエイドリアンのその言葉に、ジッとエイドリアンの目を見詰め返しながら応えます。「俺も・・お前も愛してる!」
エイドリアンはそのまま血に染まり汗に塗れたロッキーに力一杯抱き着き、ロッキーも最愛の女性を力一杯抱き締めます・・!
ロッキー・バルボアは世界タイトルマッチには敗れました。でも自分自身との誓いを見事に果たし、いま世界中で一番愛する女性を抱き締めながら、ロッキーは彼の人生で最高の幸せを噛み締めていたのでした・・!

              世界ヘビー級タイトルマッチ

          ○アポロ・クリード(15R判定)ロッキー・バルボア●


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2 コメント

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Never give up! (yuuki)
2007-04-19 21:58:22
初めてロッキーを見た時の感動が蘇ります。前半のロッキーがミッキーに引退を勧められたり、ファイナルにも登場するマリーにタバコを止めろと説教してもまともに聞いてもらえず悪態を吐かれたり冴えないロッキーの姿を丁寧に描いているから余計に後半のシーンが感動しました。ぜひファイナルも楽しみにしています。必ず見ます
Never Give Up!  (龍熱)
2007-04-20 01:03:46
yuukiさん、

こんばんわ!
おお、あの女の子が
『ファイナル』では立派
に成人して登場する
そうですね(号泣)。
私も今週末には必ず
観に行く予定です。
もう今から超楽しみです!!

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