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なぜ愛する娘は私の前から消えたのか?ペドロ・アルモドバル監督「ジュリエッタ」11月公開。

2016-09-16 09:27:10 | 作品レビュー
さてさて、昨日は都内某所でペドロ・アルモドバル監督、エマ・スアレス&アドリア―ナ・ウガルテ主演「ジュリエッタ」(16)を試写で観て来ました。
スペインのマドリードで暮らす美しい中年女性ジュリエッタ(エマ・スアレス)は、優しい恋人のロレンソとポルトガルに移住する準備に追われながらも幸せな時間を過ごしていました。
ところがジュリエッタはその日外出した際、自分の娘アンティアの親友だった女性ベアとバッタリ再会すると「あなたの娘・・・アンティアとイタリアのコモ湖で会ったわ!」と衝撃の事実を告げられます。
この瞬間からジュリエッタは自分の悲しく辛い過去に引き戻されます。ジュリエッタはロレンソにポルトガルには行かない事を一方的に告げると、1人安アパートに引っ越し、12年前に突如自分の前から姿を消したアンティアに自分の過去を語り始めるのでした。
それは30年前に遡り、古典の臨時講師だったジュリエッタ(アドリア―ナ・ウガルテ)が夜行列車で出会った漁師の逞しい男性ショアンと出会い情熱的な恋をし、やがてアンティアが生まれた事。
幸せな時間を過ごした3人でしたが、ショアンとジュリエッタの共通の友人で女性芸術家アバとショアンの関係を巡ってジュリエッタが激しくショアンを問い詰めた日にショアンが海難事故で命を落とした事。
その事で自分を責めて鬱病になったジュリエッタを成長したアンティアとベアが献身的に介護してくれた事・・・さらにジュリエッタの回想は続きます。
ところがそんなジュリエッタとアンティアの親子の時間は突如終わります。18歳になったアンティアがピレネーで瞑想するとジュリエッタに告げたまま音信不通になってしまったのです。
必死にアンティアの消息を探したジュリエッタですが、アンティアは2度とジュリエッタの許には帰って来ませんでした。それから12年という歳月が流れて行きます・・・。
アンティアの事を無理やりに忘れる事でそれまで生きて来たジュリエッタに、再び再会したベアが驚くべき事実を告げます。愕然とするジュリエッタ!!
そしてそんなジュリエッタの許に12年振りにアンティアから手紙が届くのでした・・・!!

母と娘の断絶をミステリータッチを織り交ぜて語るスタイルは斬新ではありましたが、私はこの映画のエンディングはちょっと監督の独りよがりが出てしまった印象で残念でした。
そこに至るまでの展開が観る側をグイグイと引き付けていただけに余計に勿体ないな、と感じましたね。
それでもスペインの女優さんはどの年代の女優さんもみなそれぞれ綺麗なのに改めて感激しましたし、特に若き日のジュリエッタを演じたアドリア―ナ・ウガルテは、以前にTVドラマ「情熱のシーラ」を母と一緒に毎週観ていて馴染みがあった事もあり、相変わらずの活躍振りが嬉しかったです。
この「ジュリエッタ」は11月5日から新宿ピカデリー、恵比寿ガーデンシネマでロードショー公開との事です。
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