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香港功夫映画と共に

「RE:BORN」キャラクター大百科⑩ 黒田敏郎(TAK∴坂口拓)

2017-08-07 10:26:15 | その他

「RE:BORN」キャラクター大百科⑩ 黒田敏郎(TAK∴坂口拓)

長年香港クンフー映画を中心に評論活動をしている私こと龍熱ですが、坂口拓の名前は勿論以前から知っていました。
私が最初に観た坂口さんの映画は「デストランス」でしたが、他にも「VERSUS」や「地獄甲子園」などもチェックしていましたし、日本では数少ない本格派のアクションスターとの印象でした。
その坂口さんが2013年に俳優を引退したと聞いた時は「えっどうして?」と驚いたのですが、その後に下村監督のFacebookで坂口さんが再び俳優として復帰し、下村監督との名コンビで「RE:BORN」なる新作に主演する事を知ったのでした。
その「RE:BORN」で久しぶりに再会した坂口さんは俳優として、そして恐らくは1人の人間として様々な経験を積んだ事で、その全ての面でいわゆる円熟の境地に達している印象を受けました。
それは坂口さん扮する敏郎が自分に迫る敵を冷静沈着かつ容赦ない戦闘術で撃破する“ファイティングマシーン”である“動”の部分とは別に、敏郎が小さなコンビニの店員として働く“静”の部分で垣間見ることができます。
それが行きつけのバーで店主の角川(角田明彦)や愛するサチとの他愛ない会話を楽しむ敏郎であり、コンビニ泥棒に「金を出せ!」と迫られアッサリ金を渡し、後で自分の財布から「えっと三千円だっけか?」と金を取り出し飄々とレジに戻す敏郎であったり、過去に苦しむ自分を救済して貰おうと女医の松本先生(長谷部瞳)の許に日々通う敏郎の姿でした。
普段は呆れるほど無愛想で、それでいて愛する者には誰よりも深い愛情を注ぎ、その自分たちの静かで平和な暮らしを奪おうと迫る敵は容赦ない戦闘術を駆使し徹底的に撃退する。
私は坂口さんがスクリーンの中でこの“静”と“動”という2つの顔を持つ敏郎を見事に演じ切っている姿を観ながら「もしかしたらこの黒田敏郎こそが素の坂口拓なのではないか?」と錯覚さえするほど敏郎というキャラクターは坂口さんと深く深く重なって見えたのでした。
それはまさに“表現者”坂口拓としての最高のパフォーマンスでしたし、本作「RE:BORN」で日本が世界に誇る“サムライ・アクター”TAK∴こと坂口拓はここに完全復活を果たしたと言っていいでしょう。
これまで私も含めた日本のアクション映画ファンは、香港映画や韓国映画が次々と製作するハイレベルなアクション映画をただジッと見上げ続けるだけでした。
私が長年に渡って親交があるイギリス人やアメリカ人のアクション映画のオーソリティーである友人たちも、私との会話で倉田保昭さんや千葉真一さんらレジェンドの主演作品には強い関心を示しますが、私が「この新しいジャパニーズアクションも観てみたら?」と薦めても、彼らのリアクションは「いやノーサンキュー」「また今度にするよ」との返答の繰り返しでした。
そんな彼らの反応に顔では苦笑いしていた私ですが、いま思うと私の心の奥底は1人の日本アクション映画ファンとして悔しさと寂しさで一杯だったんですね・・・。
でももうそれも終わりです。私が今度彼ら海外の友人たちとジャパニーズ・アクション・ムービーの話題になった時、私は彼らに胸を張り、飛び切りの笑顔でこう言いたいと思います(^_^)。
「ユーたちはまだ「RE:BORN」を観ていないのかい!?」

“再生”なくして“創造”なし。下村勇二監督と坂口拓の最強コンビはこの「RE:BORN」で俳優坂口拓自らを“再生(RE:BORN)”させ、日本のアクション映画を“再生(RE:BORN)”させ、そして私たち日本人アクション映画ファンの心を“救済(RELIEVE)”してくれました。
あとは皆さんが来月8月12日に新宿武蔵野館に馳せ参じ、この“零距離戦闘術”アクションの歴史の目撃者となるだけなのです。

さて、全10回に渡ってお届けして来ました「RE:BORN」キャラクター大百科、如何でしたでしょうか。
私も今回の連載ではこれまで知らなかった日本のアクション映画の世界に触れたり、これまで出会う事がなかった日本アクション映画ファンの方々と知り合えた事がとても嬉しかったです。
来月12日には私も皆さんと同じようにチケットを購入し、新宿武蔵野館に馳せ参じたいと思います(^_^)。
最後になりましたが、今回の連載では下村勇二監督には何時も貴重な情報やアドバイスを頂きました。
また脚本を担当された佐伯紅緒先生にも快くキャラ情報を提供して頂きました。お2人に厚く感謝します。ありがとうございました。
そして、この「RE:BORN」キャラクター大百科を最後まで読んで下さった沢山の「RE:BORN」応援団の皆さん、本当にありがとうございました!!

敏郎「馬鹿野郎!・・・俺はなぁ、もうとっくに死んでるんだよぉぉ!」

★下村監督の一言「TAK∴(坂口拓)完全復活!…リボーン(生まれ変わる)したのだ。ここから全てが生まれ変わり、新たな戦いが始まる」

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