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香港功夫映画と共に

怒涛のヌンチャク、香港に上陸!孟飛&倉田保昭主演「小拳王」

2017-02-15 19:26:23 | 作品レビュー
倉田保昭さんが邵氏公司作品に出演する傍ら、張徹が出資している独立プロ「南海公司」で撮った貢敏導演、リー・フォアマンこと孟飛主演「小拳王」(72)の貴重な現地公開時のポスターです。
この映画、昔に観た時に独立プロ作品とは思えない力の入った演出と、どう見ても張徹ワールド“盤腸大戦”全開(^_^;)の鮮血塗れのシーンが強く印象に残った作品です。
タイでロケーションを敢行しているこの「小拳王」、まだ少年の面影が残る孟飛と若々しい悪役振りが躍動感一杯の倉田さんの激闘が素晴らしく、何故にこの映画が日本で公開、またはビデオ化しなかったのか理解に苦しむ秀作です。
ただこの映画で最も注目すべきは劇中で倉田さんが孟飛相手にヌンチャクを駆使して大暴れする事で、最後は倉田さんのヌンチャクを腹部に叩き込まれた孟飛が哀れ悶絶死(つまり張徹お約束の“盤腸大戦”)し、その友人の孟飛の仇をタイ人拳士のナード・プーワナイが討つべく、倉田さんに敢然と闘いを挑む!という展開です。
実は本作「小拳王」が香港で公開されたのが72年の3月10日で、リーさんこと李小龍がヌンチャクを使用する「ドラゴン怒りの鉄拳」(72)が同年の3月22日に公開されています。
つまりほんの僅か2週間の差で、香港映画で本格的にヌンチャクを使用した武打星は李小龍ではなく倉田さんである、という事になります。これは改めて特筆すべき事でしょう。
思えば、この「ドラゴン怒りの鉄拳」撮影中のリーさんを友人の陳羅拔と共に訪れた倉田さんがリーさんと初対面した時、倉田さんは日本から持参した木箱に入った木製のヌンチャクをリーさんに披露したのは余りにも有名すぎるエピソードです。
この時、リーさんが倉田さんのヌンチャクに強い関心を示した事で、倉田さんは後日にまたヌンチャクを進呈する事を約束したそうですが、それがリーさんが「~怒りの鉄拳」で使用した握り部分を黒のテープで巻いた撮影用ヌンチャクかどうかは不明です。
ただ倉田さんは嘉禾影業のセットにリーさんを訪問する前日、実は木箱に入ったヌンチャクではなく、別の“お土産”をリーさんに進呈するべく用意していました。
この“お土産”、果たして倉田さんが本当にそれを用意していたのかどうか。今度、倉田さんにお会いした時にご本人に確認し、それが事実だった際は当ブログで皆さんに是非お伝えしたいと思っています。
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