京都童心の会

ほっこりあそぼ 京都洛西の俳句の会
代表 金澤 ひろあき
俳句 冠句 自由律 詩 エッセイなど同好の人たちと交流

十六年

2017-04-24 08:16:36 | 日記
 十六年
          金澤 ひろあき
 一通の手紙から遠くへ行くことになった。
 田中陽さんとの手紙のやりとりで、六月十四日、京都から静岡県島田へ行くことになった。島田へは十六年ほど行っていない。
 十六年経ても、金谷から大井川を超え島田へ入る景色はほとんど変わっていない。だが、島田の駅舎は新しくなっている。駅前も整備されている。陽さん主宰の『主流』同人会・句会が開かれる会場「プラザおおるり」も、その頃は無かったのか、別の会場を使っていた。
 プラザおおるりへ行くと、高校生の催し物があるようで、ショートパンツやミニスカート姿の女子高生がたくさんいる。こういう若い人達が新しい俳句をひらく力に…と、二十年前ぐらいから考えている。今も地道に声をかけているが、「年齢にはこだわらなくてもよい。関心があるのなら誰でも。」というふうに最近は考えが変わった。「今いっしょにやっている人を大切にしよう。」とも思う。
 会場へ行くと懐かしい方々に再会した。田中陽さんは元気そうで、午前中の同人会で理想を熱く語っている。その理想を支える人に実務を任せると良いのだが…。『主流』と『俳句原点』発行。そして十一月の国民文化祭と、抱え込みすぎている感じがする。しかし、これらを熱い気持ちでやろうとしているのだから、支えねばなるまい。
 植田次男さん、鈴木和枝さん、山田智津子さんは、それほど昔と変わらない。漆畑利男さんが白髪になり、最初、漆畑さんだとはわからなかった。歳月を感じた。
 午後の句会で、伊藤眞一さん、田旗光さんがお見えになる。
  初日の出人はこんなにいい瞳(め)をする  伊藤 眞一 
十何年か前、この句に出会い、今も覚えている。口語俳句のまっすぐな美しさは心にしみてくる。私もそういう作句をしたことがあった。
 田旗光さんは、エッセイで主流評論賞。病に倒れてから生還し、しだいに「生」を散り戻していく一連の文章は重い。当日句会の句も、
  食卓に置く恍惚の母と紫陽花と    田旗 光
という重いテーマだった。「紫陽花」で少し和らげてはいるものの……。
 こういう重さというか、根の深さが『主流』の一つの特色かもしれない。
  部屋が暗い 遠い母国へ帰ったか   羽田 知行
  芒すすき 自分から枯れてゆくんだ 山本 芒原
  戦場の娼婦館跡アリジゴク      金澤 ひろあき
 と同時に、軽く戯画化するおもしろみも、『主流』の皆さんは持っている。
  飛行機の腹を見て恋のつづき     鈴木 和枝
  握手しようか 医者も風邪ぼくも風邪 普川 洋
 他の俳句会では、「ぼくの」などという措辞は使わないだろうし、ことによると訂正されるかもしれない。それが素直にしっくりと出てくる自由さが、『主流』口語俳句のよさだろう。
 最高点句は、
  線香の匂いをほめる少年をほめる   萩原 みさ子
 日常の中からいい場面をすくいとったような句。作句の根っこは、実はここなんだろうと感じさせてくれる。 句会の後、酒の席にならずに解散。これも以前と変わったなと感じたところ。
                             (旧作です)
ジャンル:
文化
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