寺子屋ぶろぐ

日記から身近な法律問題の解説まで。

自筆証書遺言の身だしなみ⑰‐1(遺言執行者って?)

2010年07月06日 | 自筆証書遺言

遺言執行者(イゴンシッコウシャ)です。
この言葉からイメージするとおりの仕事をする人です。
遺言の内容を実現することを仕事とします。

また、遺言執行者になるために特別な資格は要りません。
しかし。

民法1009条
「未成年者および破産者は、遺言執行者となることはできない。」

と定められています。

そんな遺言執行者ですが…。

民法1006条1項
「遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定…することができる。」

民法1010条
「遺言執行者がいないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。」

という訳で。
遺言書に「遺言執行者を○○とする」と記載することができます。
その記載がない、又は記載があってもその人が既に死んでいた等の場合には、相続人等の利害関係人が、家庭裁判所に、遺言執行者選任の申立てをすることができます。

そして。

民法1007条
「遺言執行者が就任を承諾したときは、ただちにその任務を行わなければならない。」

この条文から読み取れることは2つです。
①遺言執行者になったら、直ぐ仕事にとりかからなければならない。
②遺言執行者は、就任を承諾しないことができる(「就任を承諾したときは」)。

②の意味も含んでいるため、こんな条文もあります。

民法1008条
「相続人…は、遺言執行者に対し、相当の期間を定めて…就職を承諾するかどうか…催告をすることができる。…その期間内に相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。」

「就任すんのかしないのか早く決めてよ」と言えるって事ですね。

次回は、遺言執行者と相続人との関係についてご説明します。

…「自筆証書遺言の身だしなみ⑰‐2(遺言執行者って?)」につづく。