ラサで新たな大規模デモ=「数千人参加」−チベット亡命政府(時事通信) - goo ニュース
「兵士が僧侶に変装」 ダライ・ラマ14世が会見で反論(産経新聞) - goo ニュース
チベット情勢が、相変わらずひどい。
ところでチベットといえば、
迷宮旅社の東チベット記事は、途中で放り出して中断したままだ。
だけれど、今回のチベット事件で、思い出したことがあったので書いておこう。
2006年 3月10日。

場所は四川省、ガンゼ・チベット族自治州。
丹巴(ロンタク)の街の春鵬賓館を出た俺は、
チベット仏教サキャ派の名刹があるという塔公寺に行きたくて、
村を走っていた白タクのライトバンに乗ることにした。
俺が声をかけた車の運転手は、チベット仏教の僧侶。
チベット語の名前を失念してしまったんだが、確か漢字名を克早といった。
(なので、以下、不本意ながら中国語名で彼を呼ぶ)
克早は坊さんだが、車に乗る際にはけっこうシビアな価格交渉をやった記憶がある。

↑克早和尚
塔公への往路。
車の幅しかない未舗装の道路が、崖にべったり張り付いた恐怖の山道を、
俺は克早さんと2人でドライブしていた。
克「外から来た人よ、怖いかね? ウハハハww」
俺「あの〜。窓の下が崖なんですが」
克「地元の人間は慣れてるから心配無い。俺を信用しろ。
俺の身の回りで、崖から落ちて死んだ奴はおらん」
俺「……。」
このころは既に旅行1ヶ月目くらいなので、
自分の中でもすでに恐怖心がマヒしてきている。
俺は、けっこうノリノリで車に乗っていた。

↑世界の車窓から@標高3500メートル
克「あんた、何の音楽聴いてるんだ?」
俺「カナダのアヴリル・ラヴィーンって歌手です」
克「わしにも聴かせろ」
俺「…いいっスよ」
克「うほwww俺も乗る乗るwwwww」
俺「おい、前を見て運転しろwwwww」
こんな調子で楽しく移動していたのだが、
俺はこの車に乗ったときから、ある一点がずっと気になっていた。
車のなかに、某人物の肖像画が大事そうに貼られていたからだ。
俺「克早さん」
克「なんだ?」
俺「これ、ダライ・ラマの肖像画ですよね。
ってことは、あなたもゲルク派なんですか?」
克「……。」
克「……なぜ、知ってるんだ?」
なにげなく聞いたつもりだが、克早和尚が声のトーンを落として返事をしてきた。
彼の頬から笑みが消えていたので、
慌ててカバンから日本のパスポートを取り出し、見せる。
克「……なんだ、日本人だったのか」
俺「驚かせてすいません。
俺は中国の公安じゃないから安心してください。日本人です」
克「なら安心だ。
いかにも、この肖像画はダライ・ラマ睨下だよ。
最近は、こうやって個人的に貼ってるぶんにはお咎め無しなんだ。
あの人がどこにいたって、チベット人にとって大事な人には変わりない」
俺「なるほど」
その後、「せっかくだからうちの寺に寄っていけ」と言われて、
こういう寺へ行き、チベットのツァンパをご馳走になる(ちなみに、塔公寺とは別の寺)。
↓

←庫裏の内部にて
盆地の中央にあったあの寺は、界隈でも有数の名刹らしく、
徒歩や乗馬のチベット人が山の向こうから参拝に来ているようだった。
本堂の内部は、運良くも中国からの破壊をまぬがれていて、
いちばん奥の部屋に、こっそりとダライ・ラマの肖像画が飾られていた。
当時は、非常にディープな体験ができて喜んでいたわけだが。
いまの俺は、日本でこういうニュースを読んでいる。
僧侶100人拘束か=警察が四川省のチベット寺院急襲−NGO(時事通信) - goo ニュース
>インドに拠点を置く非政府組織(NGO)「チベット人権民主化センター」は28日、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州アバ県で、中国治安部隊がチベット仏教寺院に踏み込み、僧侶ら100人以上を拘束した、と発表した。同センターによると、部隊は司法手続きを踏まずに僧侶らを連れ去り、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の肖像画や関連文献を持ち去ったという。
……克早さん。
今回の事件は発生してしまったけど、元気にしているはずですよね。
中国の公安に、いきなり逮捕されていたりはしないですよね?
俺が招待してもらったお寺と、あなたは無事ですよね?

チベット人が、堂々とダライ・ラマに手を合わせられる日がはやく来ますように。
「兵士が僧侶に変装」 ダライ・ラマ14世が会見で反論(産経新聞) - goo ニュース
チベット情勢が、相変わらずひどい。
ところでチベットといえば、
迷宮旅社の東チベット記事は、途中で放り出して中断したままだ。
だけれど、今回のチベット事件で、思い出したことがあったので書いておこう。
2006年 3月10日。

場所は四川省、ガンゼ・チベット族自治州。
丹巴(ロンタク)の街の春鵬賓館を出た俺は、
チベット仏教サキャ派の名刹があるという塔公寺に行きたくて、
村を走っていた白タクのライトバンに乗ることにした。
俺が声をかけた車の運転手は、チベット仏教の僧侶。
チベット語の名前を失念してしまったんだが、確か漢字名を克早といった。
(なので、以下、不本意ながら中国語名で彼を呼ぶ)
克早は坊さんだが、車に乗る際にはけっこうシビアな価格交渉をやった記憶がある。

↑克早和尚
塔公への往路。
車の幅しかない未舗装の道路が、崖にべったり張り付いた恐怖の山道を、
俺は克早さんと2人でドライブしていた。
克「外から来た人よ、怖いかね? ウハハハww」
俺「あの〜。窓の下が崖なんですが」
克「地元の人間は慣れてるから心配無い。俺を信用しろ。
俺の身の回りで、崖から落ちて死んだ奴はおらん」
俺「……。」
このころは既に旅行1ヶ月目くらいなので、
自分の中でもすでに恐怖心がマヒしてきている。
俺は、けっこうノリノリで車に乗っていた。

↑世界の車窓から@標高3500メートル
克「あんた、何の音楽聴いてるんだ?」
俺「カナダのアヴリル・ラヴィーンって歌手です」
克「わしにも聴かせろ」
俺「…いいっスよ」
克「うほwww俺も乗る乗るwwwww」
俺「おい、前を見て運転しろwwwww」
こんな調子で楽しく移動していたのだが、
俺はこの車に乗ったときから、ある一点がずっと気になっていた。
車のなかに、某人物の肖像画が大事そうに貼られていたからだ。
俺「克早さん」
克「なんだ?」
俺「これ、ダライ・ラマの肖像画ですよね。
ってことは、あなたもゲルク派なんですか?」
克「……。」
克「……なぜ、知ってるんだ?」
なにげなく聞いたつもりだが、克早和尚が声のトーンを落として返事をしてきた。
彼の頬から笑みが消えていたので、
慌ててカバンから日本のパスポートを取り出し、見せる。
克「……なんだ、日本人だったのか」
俺「驚かせてすいません。
俺は中国の公安じゃないから安心してください。日本人です」
克「なら安心だ。
いかにも、この肖像画はダライ・ラマ睨下だよ。
最近は、こうやって個人的に貼ってるぶんにはお咎め無しなんだ。
あの人がどこにいたって、チベット人にとって大事な人には変わりない」
俺「なるほど」
その後、「せっかくだからうちの寺に寄っていけ」と言われて、
こういう寺へ行き、チベットのツァンパをご馳走になる(ちなみに、塔公寺とは別の寺)。
↓

←庫裏の内部にて盆地の中央にあったあの寺は、界隈でも有数の名刹らしく、
徒歩や乗馬のチベット人が山の向こうから参拝に来ているようだった。
本堂の内部は、運良くも中国からの破壊をまぬがれていて、
いちばん奥の部屋に、こっそりとダライ・ラマの肖像画が飾られていた。
当時は、非常にディープな体験ができて喜んでいたわけだが。
いまの俺は、日本でこういうニュースを読んでいる。
僧侶100人拘束か=警察が四川省のチベット寺院急襲−NGO(時事通信) - goo ニュース
>インドに拠点を置く非政府組織(NGO)「チベット人権民主化センター」は28日、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州アバ県で、中国治安部隊がチベット仏教寺院に踏み込み、僧侶ら100人以上を拘束した、と発表した。同センターによると、部隊は司法手続きを踏まずに僧侶らを連れ去り、チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の肖像画や関連文献を持ち去ったという。
……克早さん。
今回の事件は発生してしまったけど、元気にしているはずですよね。
中国の公安に、いきなり逮捕されていたりはしないですよね?
俺が招待してもらったお寺と、あなたは無事ですよね?

チベット人が、堂々とダライ・ラマに手を合わせられる日がはやく来ますように。

























