ドンドンこにしの備忘録

個人的な備忘録です。他意はありません。

「黎明に起つ」 伊東 潤

2024年03月11日 19時47分11秒 | 作家 あ行
黎明に起つ (講談社文庫) 2024.3.9読了。
伊東 潤 (著)

11年ものあいだ、京を荒廃させた応仁の乱。関東の地に新天地を求めた伊勢新九郎は、伊豆での激戦に身を投じることとなった。民を生かす世を希求する新九郎は守旧勢力を駆逐できるのか。若き日の挫折から覇権を打ち立てるまでの東国の雄・北条早雲を描く疾風怒濤の戦国小説。



6点。

「いくつになっても 江戸の粋」 アンソロジー/細谷正充・編

2024年03月06日 19時20分41秒 | 作家 あ行
いくつになっても 江戸の粋 (光文社文庫) 2024.3.6読了。
細谷正充 (編)

現代よりだいぶ早くに隠居し、余生を生きた江戸の人々。
悠々と生きる者、ひと癖ある知恵者、嫌われ者、虐げられた者。
己の場で、江戸のお年寄りたちが魅せる命と心の輝き。
そして次の世代に伝えてゆく、自らの意気と生き様とは。
名手たちによる短編3編と、書下ろし短編3編を収録。
笑えて、泣けて。年を取るのも悪くないと思えてくる、傑作ばかりの時代小説アンソロジー。
【収録作品一覧】
三筋界隈 青山文平
つはものの女 永井紗耶子
いくばくも 泉 ゆたか (書下ろし)
ひと夏  志川節子 (書下ろし)
ほおずき長屋のお豪 坂井希久子 (書下ろし)
五郎治殿御始末  浅田次郎
編・解説 細谷正充



浅田さんお目当てで読みましたが、まあ、期待したほどでは。5点。

「憑神」 浅田次郎

2024年02月29日 19時10分24秒 | 作家 あ行
憑神(新潮文庫) 2024.2.28読了
浅田 次郎 (著)

時は幕末、処は江戸。貧乏旗本の次男の身ながら、その才を見込まれて大身の入婿となった彦四郎。だが、跡継ぎを授かったとたん離縁され、実家に出戻るはめに。ある夜、酔いにまかせて小さな祠に神頼みをしてみると、なんと神様があらわれた。だが、この神様、神は神でも、貧乏神! 果たして、貧乏侍vs.貧乏神の行方は……!? とことんツイてない男が最後に選んだ真実の生きる道とは――。抱腹絶倒にして、やがては感涙必至。最近ツイてない、ツキが欲しいと思っている人、必読。


面白おかしく話は進み、感動のラストへ。7点。

「神よ憐れみたまえ」 小池真理子

2024年02月29日 19時06分46秒 | 作家 か行
神よ憐れみたまえ(新潮文庫) 2024.2.25読了。
小池真理子 (著)

昭和史に傷跡を遺す「魔の土曜日」。
その同日、少女の両親は惨殺された――。
拭えぬ悪夢を抱えた一人の女性の生涯を紡ぐ、魂の叙事詩。
昭和38年11月、三井三池炭鉱の大爆発と国鉄の多重衝突という二つの事故が同日に発生。「魔の土曜日」と言われたその同じ夜、12歳の百々子の両親は何者かに惨殺された。何不自由ない家庭に生まれ育ち、母ゆずりの美貌と音楽の才能を併せ持つ、未来を約束された少女を襲った悲劇。事件は拭いされない悪夢として胸のうちに巣食い、不運の連鎖が彼女の運命を揺るがしていく――。10年の歳月を費やし、一人の女性の数奇な生涯を描破した、著者畢生の大河小説。(解説・佐久間文子)



たぶん、最後の書下ろし長編になるんだろうか? ひしひしとその覚悟が垣間見える。堂々とした一篇。8点。

「センセイの鞄」 川上弘美

2024年02月19日 15時13分02秒 | 作家 か行
センセイの鞄 (新潮文庫) 2024.02.16読了。
川上 弘美 (著)

ひとり通いの居酒屋で37歳のツキコさんがたまさか隣あったご老体は、学生時代の国語の恩師だった。カウンターでぽつりぽつりと交わす世間話から始まったセンセイとの日々は、露店めぐりやお花見、ときにささいな喧嘩もはさみながら、ゆたかに四季をめぐる。年齢のはなれた男女の、飄々として、やがて切々と慈しみあう恋情を描き、あらゆる世代をとりこにした谷崎賞受賞の名作。



おとぎ話だけど(普通に考えたら気持ち悪いとか)。あらゆる世代をとりこにした谷崎賞受賞の名作。とか解説に書いてあるけど、とりこになったのは老人(男)だけなんじゃないのか。選考委員もそのあたりが多くてとか。まあ、読んでみて良かったからなんでもいいけど。8点。

「沈黙のひと」 小池真理子

2024年02月09日 20時04分00秒 | 作家 か行
沈黙のひと (文春文庫) 2024.1読了
小池 真理子 (著)

亡き父が遺した日記には娘への愛、家族との不仲、そして恋人との心の交流が記されていた。生と死、家族を問い直す魂を揺さぶる傑作! 吉川英治文学賞受賞、小池文学の最高峰!



沈黙の中にどんな思いが秘められていたのか、人の心の中は覗いてみなければわからない。8点。

「無花果の森」 小池真理子

2024年02月09日 19時59分52秒 | 作家 か行
無花果の森 (新潮文庫) 2024.1読了
小池 真理子 (著)

小雨の降りしきる午後、夫の暴力に耐え切れなくなった新谷泉は、家を飛び出した。隠れ場所を捜し、ごくありふれた地方都市に降り立った彼女は、狷介な高齢の女性画家に家政婦として雇われることになる。降り続く雨のなか、時間だけが静かに流れゆく日々を過ごす泉は、思いがけない人物と出会う……。追いつめられ、全てを失った男女の愛と再生の物語。芸術選奨文部科学大臣賞受賞。



いいんだよ、老齢の女性画家も、おかまも、、、8点。

「東京アクアリウム」 小池真理子

2024年02月09日 19時55分00秒 | 作家 か行
東京アクアリウム (角川文庫) 2024.1読了
小池 真理子 (著)

夜景が美しいカフェで親友が語る不思議な再会に震撼する表題作、施設に入居する母が実家で過ごす最後の温かい夜を描く「猫別れ」など8篇。人の出会いと別れ、そして交錯する思いを描く、珠玉の短編集。



そう、短編もうまい。7点。

「ポトスライムの舟」 津村記久子

2023年12月22日 14時52分15秒 | 作家 た行
ポトスライムの舟 (講談社文庫) 2023.12.22読了。
津村 記久子 (著)

29歳、工場勤務のナガセは、食い扶持のために、「時間を金で売る」虚しさをやり過ごす日々。ある日、自分の年収と世界一周旅行の費用が同じ一六三万円で、一年分の勤務時間を「世界一周という行為にも換金できる」と気付くが――。ユーモラスで抑制された文章が胸に迫り、働くことを肯定したくなる芥川賞受賞作。



現代の勤労者小説、さすがの芥川賞受賞作。8点。

「池上彰と考える、仏教って何ですか?」 池上彰

2023年10月19日 19時22分04秒 | 作家 あ行
池上彰と考える、仏教って何ですか?  電書 2023.10.19読了。
池上彰 (著)

仏教の誕生、日本への伝来から、葬式や戒名の意味、新興宗教までーー。仏教にまつわる疑問、基礎知識について池上 彰がわかりやすく解説。さらに、チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ法王とインド・ダラムサラで対談、仏教の原点について聞く。それらを通して仏教とはどういう教えなのか考える。
私たち日本人は、現実に仏教的な世界観の中で生きて、死んでいくのです。その世界観を知ることは、自らのアイデンティティを再確認し、心穏やかに生きるための大きな力になるのではないでしょうか? 仏教を知ることは己を知ること。そして、日本を知ることです。(池上 彰)



仏教とは何か、池上氏がわかりやすく解説してくれる。ほんとに入門書。ものたりなかった。5点