※2009年5月23日にこのブログで書いた記事です。
Perfumeが世界に向けて羽ばたくので、自分が初めてPerfumeを目の当たりにした時の感覚をここにもう一度記録します。遠い国の誰かも、初めてPerfumeに触れた時に、同じような衝撃に包まれたら楽しいなあ〜と思います。
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私が初めて生でPerfumeを体験したのが、2008年6月1日だ。「GAME Tour」の横浜千秋楽。
2007年の夏にPerfumeを知ったので、彼女たちのことをまったく知らない訳ではなかったが、実際のライヴ会場で何が行われているのかは、あまり知らなかった。
知らなかった、と言うよりも、あまりにも簡単に「予測」をしていた。
なんといっても「アイドル」のライヴである。
「可愛い」が随所に凝縮されていて、皆ではしゃいで拍手喝采!で終わるだろうな、と予測をしていた。
「凄い!」「凄い!」と2chにも書き込まれていたが、所詮はアイドルに毛が生えたくらいのモンだろう、と考えていた。
正直に言うと「完全に舐めきった姿勢」で彼女たちのライヴに足を運んだのである。
今となっては「奇跡!」としか言いようのない運で(しかも、Aの70番台という神番号!)、横浜千秋楽のチケットをゲットした私は、超晴天の中、のんびりとした気持ちと、「うへぇ!三十路を越えてんのに、アイドルのライヴに来ちゃってる俺、終わってるなあw」という恥ずかしさを以って、同じくPerfume初体験の女性と共に会場に到着した。
最前列を充分に狙える良番ながら、ライヴジャンキーの友人に教えてもらったPA卓の横のバー最前列に陣を張った。
床がここから一段高くなっているので、背の低い私にとってはこの上なく好都合だった。
ライヴジャンキーの友人のチビっぷりなどを思い出してニヤニヤしていた。
もう一度書くが、そのときでも私は「完全に舐めきった姿勢」であった。
開演までのSEがGuns N' Rosesの「Sweet Child O' Mine」から、Metallicaの「EnterSandman」に変わった。
すると、「EnterSandman」が急激に爆音に変わり、暗転した。
すでにこの時点から、なんとも言いようのない「不安感」はあった。
上手く説明は出来ないが、頑張って解説すると、「ひょっとしたら、自分は逃れようのない大きな底なし沼に、今、飲み込まれようとしているのか?」といった感じか。
「これから先に起きる現象を見たら、自分の中にある地軸が崩壊してしまうのではないか?」という不安だ。
暗転した直後は「Perfume First Tour 『GAME』」を見ていただければ解ると思う。
「アレ」が目の前で繰り広げられたのである。
イントロダクションの映像が流れている間、私は必死になって「完全に舐めきった姿勢」を制御しようともがいた。
この先にどういった展開が待っているのかは解らないが、ともかく私には「覚悟」がなかった。
イントロが終われば、きっと想像を絶するものを見せられるのだろう。
そんなことは聞いてなかった。
そんなことは誰も言ってなかったはずだ。
2chで「凄い!」って書いていた奴!「凄い!」だけじゃなく、もっと具体的に書けよ!阿呆が!
さっきまでは穏やかな初夏の日差しの中でのんびりとビールを飲んでいただろう?
観光客相手の不味い料理に不満なんかを述べていただろう?
ちょっと前までは「平和」そのものだったじゃないか。
それが今は前後左右どこにも逃げられない、暗いすし詰めの箱のバーの最前列で、事前の了解も得ずに得体の知れない、想定の範囲を軽く超えた情景を見せられるのだ。
自分自身の制御は、もはや不能だった。
「何でアイドルのライヴに来てこんな恐怖心を抱かなくてはいけないんだよ!」
逃げ出したかった。
しつこく書くが、本当に「覚悟」してなかったから。
人間は、理解が出来ない現象に対して激しい恐怖感を抱く。
イントロダクションの手ごたえだけで充分にその先の「恐怖」は想像できた。
とっくに手遅れだったが、「ごめんなさいすいませんごめんなさいすいません!」と頭の中で念じ続けた。
そして、生まれて初めて現実の3人が目の前に現れる。
だけど、その姿は顔までマントに包まれていて、誰にも見ることは出来ない。
一曲目の「GAME」が始まった。
マントを翻し、私が生まれて初めて見た3人は、真っ黒な衣装に身を包み、完全な無表情だった。
無表情というより、怒りで充満しているかのように見えた。
チラリとも笑っていない。
その日の私のように、「完全に舐めきった姿勢」で見にきた観客に対して、「オメエら!舐めきった態度で見に来てくれたね!これから地獄に落としてやるよ!」と言っているように見えた。
気が付くと、私は泣いていた。
恥ずかしさのあまり、隣にいる同行の女性に見られていないかと彼女の顔を見たら、彼女もタオルで涙をぬぐっていた。
身体の中のあらゆる感情が揺さぶられ、崩壊してしまった。
完全に更地となった精神に、新しい芽がありふれたスピードを越えて発芽していく。
まだ一曲目しか体験していないのに、35年間生きてきた中で、最も素晴らしいライヴ体験だと全身全霊で言い切れた。
その後は見ての通り。
あんなにもクールに、突き放すようにスタートしたライヴが、大爆笑の場面もあり、最終的にはPerfumeの3人を含めてその場にいた全員が感動して泣いてしまう結果になった(動画サイトのどこかを探れば、あのライヴのあとの3人のMCが聴ける…はず)。
夏の怪談でよくある光景だが、スタート時点での恐怖感の煽りを受けすぎると、感情が高ぶり、ほんのちょっとしたことでも大笑いしたりする精神状態になる。
それと似ているのかもしれない。
ともかく、あんな体験は他のどこでも得られないことだろう。
そして初期に感じた不安は的中し、私は「逃れようのない大きな底なし沼」に飲み込まれ、「自分の中にある地軸が崩壊して」しまった。
と、前置きだけで2,000文字を越えてしまったというか、前置きだけで充分に言いたいことを言ってしまったが、これが私の初の「Perfume×恐怖」体験だった。
「初の」と書くからには続きがあるのだが、それはもちろん武道館公演でのオープニングの「顔が見えないライティング」から「コンピューター・シティ」にかけての「故障」であり、先日の代々木公演での「edge」の演出だ。
初の全国ツアーでは、特にこの「恐怖演出」に気合いが入っていたと思う。
先にも述べたが、私のように「どうせアイドルのライヴだろ?」と高をくくっている人間は多かったのではないか。
運営側、というか舞台演出側はそのことをしっかりと把握し、完璧な迎撃システムを構築した。
舞台上の演出は、Perfumeの振り付け演出家のMIKIKO先生の発案だと思うが(ソースは脳内)、MIKIKO先生自身も「アイドルのライヴだと思って舐めたら許さんぞ!」という気概を以って舞台をデザインしたのだと思う。
その結果が「Perfume×恐怖」演出なのだと思う。
「アイドル」と「恐怖」。
私は他のアイドルをまったく知らないので比較検討は出来ないが、こういった斬新な切り口もPerfumeを唯一無二の存在に仕立て上げている、重要な要素なのだと考える。
代々木公演ではその恐怖感がやや薄れた感はあったが、新しいアルバムを引っさげての全国ツアーでは、再び私たち(いや、俺だけか?)を恐怖のどん底に叩き落して欲しいと思う。
Perfumeが世界に向けて羽ばたくので、自分が初めてPerfumeを目の当たりにした時の感覚をここにもう一度記録します。遠い国の誰かも、初めてPerfumeに触れた時に、同じような衝撃に包まれたら楽しいなあ〜と思います。
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私が初めて生でPerfumeを体験したのが、2008年6月1日だ。「GAME Tour」の横浜千秋楽。
2007年の夏にPerfumeを知ったので、彼女たちのことをまったく知らない訳ではなかったが、実際のライヴ会場で何が行われているのかは、あまり知らなかった。
知らなかった、と言うよりも、あまりにも簡単に「予測」をしていた。
なんといっても「アイドル」のライヴである。
「可愛い」が随所に凝縮されていて、皆ではしゃいで拍手喝采!で終わるだろうな、と予測をしていた。
「凄い!」「凄い!」と2chにも書き込まれていたが、所詮はアイドルに毛が生えたくらいのモンだろう、と考えていた。
正直に言うと「完全に舐めきった姿勢」で彼女たちのライヴに足を運んだのである。
今となっては「奇跡!」としか言いようのない運で(しかも、Aの70番台という神番号!)、横浜千秋楽のチケットをゲットした私は、超晴天の中、のんびりとした気持ちと、「うへぇ!三十路を越えてんのに、アイドルのライヴに来ちゃってる俺、終わってるなあw」という恥ずかしさを以って、同じくPerfume初体験の女性と共に会場に到着した。
最前列を充分に狙える良番ながら、ライヴジャンキーの友人に教えてもらったPA卓の横のバー最前列に陣を張った。
床がここから一段高くなっているので、背の低い私にとってはこの上なく好都合だった。
ライヴジャンキーの友人のチビっぷりなどを思い出してニヤニヤしていた。
もう一度書くが、そのときでも私は「完全に舐めきった姿勢」であった。
開演までのSEがGuns N' Rosesの「Sweet Child O' Mine」から、Metallicaの「EnterSandman」に変わった。
すると、「EnterSandman」が急激に爆音に変わり、暗転した。
すでにこの時点から、なんとも言いようのない「不安感」はあった。
上手く説明は出来ないが、頑張って解説すると、「ひょっとしたら、自分は逃れようのない大きな底なし沼に、今、飲み込まれようとしているのか?」といった感じか。
「これから先に起きる現象を見たら、自分の中にある地軸が崩壊してしまうのではないか?」という不安だ。
暗転した直後は「Perfume First Tour 『GAME』」を見ていただければ解ると思う。
「アレ」が目の前で繰り広げられたのである。
イントロダクションの映像が流れている間、私は必死になって「完全に舐めきった姿勢」を制御しようともがいた。
この先にどういった展開が待っているのかは解らないが、ともかく私には「覚悟」がなかった。
イントロが終われば、きっと想像を絶するものを見せられるのだろう。
そんなことは聞いてなかった。
そんなことは誰も言ってなかったはずだ。
2chで「凄い!」って書いていた奴!「凄い!」だけじゃなく、もっと具体的に書けよ!阿呆が!
さっきまでは穏やかな初夏の日差しの中でのんびりとビールを飲んでいただろう?
観光客相手の不味い料理に不満なんかを述べていただろう?
ちょっと前までは「平和」そのものだったじゃないか。
それが今は前後左右どこにも逃げられない、暗いすし詰めの箱のバーの最前列で、事前の了解も得ずに得体の知れない、想定の範囲を軽く超えた情景を見せられるのだ。
自分自身の制御は、もはや不能だった。
「何でアイドルのライヴに来てこんな恐怖心を抱かなくてはいけないんだよ!」
逃げ出したかった。
しつこく書くが、本当に「覚悟」してなかったから。
人間は、理解が出来ない現象に対して激しい恐怖感を抱く。
イントロダクションの手ごたえだけで充分にその先の「恐怖」は想像できた。
とっくに手遅れだったが、「ごめんなさいすいませんごめんなさいすいません!」と頭の中で念じ続けた。
そして、生まれて初めて現実の3人が目の前に現れる。
だけど、その姿は顔までマントに包まれていて、誰にも見ることは出来ない。
一曲目の「GAME」が始まった。
マントを翻し、私が生まれて初めて見た3人は、真っ黒な衣装に身を包み、完全な無表情だった。
無表情というより、怒りで充満しているかのように見えた。
チラリとも笑っていない。
その日の私のように、「完全に舐めきった姿勢」で見にきた観客に対して、「オメエら!舐めきった態度で見に来てくれたね!これから地獄に落としてやるよ!」と言っているように見えた。
気が付くと、私は泣いていた。
恥ずかしさのあまり、隣にいる同行の女性に見られていないかと彼女の顔を見たら、彼女もタオルで涙をぬぐっていた。
身体の中のあらゆる感情が揺さぶられ、崩壊してしまった。
完全に更地となった精神に、新しい芽がありふれたスピードを越えて発芽していく。
まだ一曲目しか体験していないのに、35年間生きてきた中で、最も素晴らしいライヴ体験だと全身全霊で言い切れた。
その後は見ての通り。
あんなにもクールに、突き放すようにスタートしたライヴが、大爆笑の場面もあり、最終的にはPerfumeの3人を含めてその場にいた全員が感動して泣いてしまう結果になった(動画サイトのどこかを探れば、あのライヴのあとの3人のMCが聴ける…はず)。
夏の怪談でよくある光景だが、スタート時点での恐怖感の煽りを受けすぎると、感情が高ぶり、ほんのちょっとしたことでも大笑いしたりする精神状態になる。
それと似ているのかもしれない。
ともかく、あんな体験は他のどこでも得られないことだろう。
そして初期に感じた不安は的中し、私は「逃れようのない大きな底なし沼」に飲み込まれ、「自分の中にある地軸が崩壊して」しまった。
と、前置きだけで2,000文字を越えてしまったというか、前置きだけで充分に言いたいことを言ってしまったが、これが私の初の「Perfume×恐怖」体験だった。
「初の」と書くからには続きがあるのだが、それはもちろん武道館公演でのオープニングの「顔が見えないライティング」から「コンピューター・シティ」にかけての「故障」であり、先日の代々木公演での「edge」の演出だ。
初の全国ツアーでは、特にこの「恐怖演出」に気合いが入っていたと思う。
先にも述べたが、私のように「どうせアイドルのライヴだろ?」と高をくくっている人間は多かったのではないか。
運営側、というか舞台演出側はそのことをしっかりと把握し、完璧な迎撃システムを構築した。
舞台上の演出は、Perfumeの振り付け演出家のMIKIKO先生の発案だと思うが(ソースは脳内)、MIKIKO先生自身も「アイドルのライヴだと思って舐めたら許さんぞ!」という気概を以って舞台をデザインしたのだと思う。
その結果が「Perfume×恐怖」演出なのだと思う。
「アイドル」と「恐怖」。
私は他のアイドルをまったく知らないので比較検討は出来ないが、こういった斬新な切り口もPerfumeを唯一無二の存在に仕立て上げている、重要な要素なのだと考える。
代々木公演ではその恐怖感がやや薄れた感はあったが、新しいアルバムを引っさげての全国ツアーでは、再び私たち(いや、俺だけか?)を恐怖のどん底に叩き落して欲しいと思う。
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