子供の生まれず老後の安心の無い国に未来はない。

少子化に対しては、日本は狭い国土に人口が多すぎるから、減少してもいいという意見がある。
この意見は、少子化による逆ピラミッド人口構成に起因する各種問題の深刻化以外にも、以下の問題点を見逃しており容認できない。
①現在の人口でも、日本の国土の多くで過疎化が進んでおり、国土は有効利用されていない。
②子供を持たない人口の増加は、自分の生活以外の未来に感心の無い層を増加させ、文明が　刹那的になり、国力が将来にわたり低下する。
③人口減による経済的衰退と生活水準の低下ををそのまま容認することは考えられず、外国か　らの人口流入が促進され、結果的に日本の人口に占める日本人の比率が減少し、最終的には日本人はローマ人のように消滅する危険性がある。

老後の安心が失われた時の影響は既に始まっている。
①もう既にでてきているが、年金を納めようとしない人口が増加しており、相互扶助制度が成り立たなくなる。自分の老後にもらえないかもしれない年金を他人のために掛けるという意識は非常に薄くなっており、本人が正しいと信じていないことを罰則だけで強制することは不可能であり、年金制度は10年以内に崩壊するか、変質せざるをえない。
②世代間の対立が目立ちはじめてきた。
　老人から金を騙し取るのに罪の意識を持たない若者が増えてきた。
③少子化が一層促進される。
　子供の数が少ない原因の一つに、子供による老後の扶養が期待できないことがある。
　子供に対する教育投資も減少の方向に向かいはじめている。
④まじめさ、勤勉さといった日本の繁栄を支えてきた価値観への評価が低くなってきた。
　まじめに働いても、老後に安心した生活がおくれないなら、とにかく若いうちに一攫千金を狙わ　ざるをえない。　
⑤国に対する信頼感の低下
　将来の展望を国民に示せず、国民の意見を聞こうともしない国に対する国民の信頼感を大きく　低下している。まさに軍部台頭前の日本であり、ナチ政権獲得の前のドイツである。