羊蹄学園大学社会学部講義集

北の大地に突如としてできた架空の大学。
かつてないテーマで綴る社会学とは?

教育遊戯・第7回〜麻痺〜

2008-10-07 10:44:44 | 教育遊戯
こんにちは。

前回は非常に長々と週刊ポストの記事を見ていきました。
まだ見ていない方はこちらになります。
皆さんはどのように見られたでしょうか。

記事中にも問題点を指摘していましたが、私からは重複しないように指摘・考察する点を挙げていきます。

<1、「どこもやっている」のか?>
塾生紹介による図書券や物のプレゼントは結論から言うと大手塾の常套手段です。
塾によっては暗記に役立つ教材だったりしますが、ひどい場合、繁忙期に限ってですが、VISAのギフト券5000円や折り畳み自転車をあげる大手塾を私は知っています。
ただ紹介を得るためにあんな組織だって、しかも授業を明らかに潰してまでやる塾は少ないです。
あるにしても時間はごく短めにとか制約があります。

<2、何を問題とすべきか>
ポイントは記事中の秀英のこと云々の前に、小中学生に金券を御礼で進呈するという姑息さ、それが何十年も平然と当たり前のように業界全体に蔓延しているということです。
つまり教育ならば教育的にどうなのか、ということになる。
それがこの業界全体で客観的に考えることができないから、麻痺しているから週刊紙に書き立てられる羽目になるんです。

<3、どうすればよいのか?>
こういうことは根絶すべきと考えます。
そもそもよい教育をしていれば、そして地域に根差していれば黙っていても口コミで新規生徒が増えているはずですし、逆に言えばそういう裏付けがないから、そんな姑息なことに走るわけです。
そうでもしないと生徒が集まらないというのなら、塾なんてやめりゃあいいんです!
私が私教育に否定的になるのは、そういうところにあります。
つまり教育なのに業界全体にこうした如何わしさがあって、そこに何の問題意識も感じない、すでに教育じゃんないんですね。

私教育はサービス業である、だから金券進呈もサービスの一環である、という考えもあるかもしれません。
しかしながらサービスってなんでしょうか。
目先のことに奪われ教育的じゃなくてもいいから安易に金券進呈するのがサービスなんでしょうか。
そりゃあその場で生徒はいい気分になる。
しかし子供の健全な成長には?
私は長い目で健全な成長に貢献するのが真の教育サービスではないかと思います。
また塾生の保護者にしてもそんなことに使われるために月謝を払っているわけではないはずです。

…何度もいいますがこの問題は秀英に限ったことではなく、大手を中心とした業界全体の問題です。

しかしこの業界は、そんなことに何の違和感も感じず突き進みます。

突き進んだ結果、今は業界再編…「さなる」が九大進学ゼミを傘下に収めたようなことが次々に起こっています。

秀英の場合、福島県の「東日本学院」を傘下に収めたことがそれにあたります。
以下はそれを報道した記事になります。

学習塾運営の秀英予備校、同業の東日本学院を子会社化
学習塾運営の秀英予備校は20日、同業の東日本学院(福島県二本松市)の発行済み全株式を取得し、子会社化すると発表した。買収額は1億円前後になる見込みで、株券引き渡しは11月中旬を予定している。秀英予備校は東日本学院が運営している19校舎をすべて引き継ぎ、教員も引き続き雇用する考え。秀英予備校は東日本学院を傘下に入れ、東北地域の地盤を強化する。
秀英予備校は宮城県に8校舎を展開して7月から授業を開始した。今冬にも宮城県に3校舎を新設予定で、東北地方への校舎新設に力を入れている。東日本学院を子会社化すれば生徒募集に相乗効果が見込めるほか、福島にも拠点ができるため大学生など優秀な教員を集めやすくなるとみている。東日本学院は福島県内の高校のトップ校への進学率が高いなど、実績があることも買収を後押ししたという。
東日本学院は福島県内で19校舎を運営、4000人ほどの生徒を教えている。2007年3月期で売上高が6億3300万円、経常利益が100万円。(2007年9月21日の静岡新聞より)


…どんな会社でもそうですがこうして拠点を広げ戦線を拡大していくと内部の統率というのが非常にしにくくなる、不平不満を見つけて抑えにくくなるんですな。
週刊ポストの記事は明らかに元社員の内部告発であって、まぁそうしたくなるくらい色んな気持ちが鬱積したのが伺えます。

今、こうして東日本学院を傘下に収める話だって、末端はどう思うのか。
非常に気になるところで…

といったところで、この記事で私は「え?」と思うところがあるのですが…

経常利益が100万円??税金対策でそうしているにしても…えぇ?

東日本学院というのはこの記事中にもあるように福島県では最大の大手塾で、健闘してきました。
たとえば、北海道・東北を席巻した進学会は当然、東日本学院の本拠地である二本松市に乗り込むわけですが、逆に返り討ちにあってしまい、撤退を余儀なくされています(このことから福島県は塾展開がしにくいと一部で言われているようだ)。

それなのに…え?100万円?

となった時、この東日本学院について新たなことがわかってきました。
それについては次回としますが…結論として。

「さなる」も「秀英」もどういう塾を傘下に収めるか、もう少し考えてもよかったんじゃ…

…というところで次回。


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社会
キーワード
秀英予備校 週刊ポスト 折り畳み自転車 サービス業
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7 コメント

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こういう講義は面白いですね (午前は○○)
2008-10-09 17:51:14
こんにちは。
週刊誌報道を巡る2回の講義、興味深く(かつわかりやすく)読ませていただきました。

あえてお聞きするのですが、
勧誘方法が多少姑息でも、結果としていいサービスを提供できるなら、いいとは思いませんか?

悪いことをしてるわけでないとしたら。
Unknown (佐山)
2008-10-13 16:04:24
書き込みありがとうございます。

ご指摘の点、一理あると思います。
ただ、私としては入り口で間違えているのによいサービスを提供するなどということはどうも考えられないのです。
業界全体見渡してもその傾向です。
営業色が強くなるとロクなことはないようです。
Unknown (藤井)
2008-10-13 17:38:16
佐山さんのおっしゃるとおりでしょう。
 
景品をもとに生徒を獲得するということは、指導に自信のない証拠です。

大手塾に限らず、個人塾でも図書券で募集しているところは知ってますが、評判は芳しくありません。

結果としてよいサービスを提供する塾は、別なところで還元していると思います。
Unknown (サトシ)
2008-10-13 18:07:05
拝見させていただきました!
応援ポチッ!!!
Unknown (牛前は○○)
2008-10-14 01:04:07
佐山様 藤井様 コメントへのお返事ありがとうございます。

お二方とも、実際に見聞きした情報を根拠に、勧誘方法が姑息な場合、提供するサービスも質が悪いということをおっしゃてるようですね。

では逆に、勧誘方法はモラルに則っていて、なおかつよりよいサービスを提供している学習塾というのが実際あるのでしょうか?知りたいです。

悪い例として実名をあげらっしゃるので、いい例として名前を出してもいいのではないでしょうか
午前は○○様へ (『北海道の私教育』管理人:藤井)
2008-10-14 17:11:47
1〜2週間後になるとは思いますが、私の方のHPにてその話はする予定です。ネタばれを避けるため、今はどこかとは言いません。ご了承ください。
Unknown (佐山)
2008-10-21 16:49:37
藤井様
わざわざそちらのHPの更新で忙しい中、ありがとうございます。
この議題についてのそちらの記事、楽しみにしています。

サトシ様
先日に引き続きありがとうございます。
何か感想などいただければ幸いです。

午前は○○様
おっしゃるとおりでネガティブなことばかりもどうかと思いますね。
今後はポジティブなことも出せるようにしたいと思います。

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