京料理 道楽のブログ

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【さんま】

2016-09-23 | Weblog
「秋刀魚」という当て字は実に解りやすく洒落てます。細長く銀色に光り、まさに刀身のよう。

季節回遊魚というて、夏の終わり頃北海道あたりから秋が深まるにつれ南下、冬から春にかけて北上し、5〜6年で体調は30cmを超えるくらいにまで成長します。

買い求めるときは、体に青紫の鱗が光り、腹がしっかりしたもんを選びます。

料理は山椒炊き・時雨煮・揚げもん・幽庵焼き・棒寿司・刺身…いろいろとありますけど、やっぱり塩焼きが一番。むかしはどこのお家でも、炭をおこし七輪に入れ、金網に秋刀魚をのせて、団扇でパタパタ扇ぎながら焼いたもんです。秋刀魚の脂が炭に落ちて炎があがり煙の匂いは秋の風情、食欲をそそります。

大根おろしにちょっとお醤油をかけ、スダチかレモンを絞っていただきます。

料理はとかく、変わったもん、食べたことのないもん、目新しいもん がもてはやされる傾向がありますけど、シンプルで何の変哲もなく素朴な料理が一番ですね。