さめのくち

日常系。

『戦後70年 一番電車が走った』と『原爆に遭った少女の話』

2015年08月12日 | 日記
表題のドラマを見たわけですが、その前にTLに流れてきた情報から、『原爆に遭った少女の話』をAmazonで購入、読んでおりました。ドラマは、『原爆に~』を本流としつつ、支流ではなくもう1つの本流として広電による路面電車復活のエピソードを盛った筋立て。全体としては悪くない出来で、目についたところでは

一番電車が走った視聴率と感想!黒島結菜の演技に高評価絶賛の声!

という意見も。

NHKでは同じ題材を10年前にアニメ化しておりまして、宮村優子が声を当てていたりするんですね。こちらは未見ですが、解説や感想から察するに、電車を走らせた家政女学校生徒に焦点が当てられているようです。そんなこともあって、今回のドラマ化では路面電車の運行再開に尽力した男(阿部寛他)の物語を同じくらいのボリュームで入れたかったのかもしれません。

「あんたはまだ優先順位をわかっとらんのか」という新井浩文の台詞に漢泣きもんですが、反面、子どもたちに迷惑をかけた側である大人たちの美談を別の柱にしてしまったことで、大人の都合で人生を滅茶苦茶にされた子どもたちの悲劇が薄まっているように思えます。しかし──。

例えば路面電車復旧を命じる広電取締役の弁。市民生活のためではなく、本土決戦準備のため、いち早く物資輸送を再開しなければならぬと口角泡を飛ばします。大人の都合だけを主張する、清々しいまでのクソ野郎です。これは8月6日に放送されたNHKスペシャル「きのこ雲の下で何が起きていたのか」で語られたひとつのエピソードに通ずるものがあります。投下3時間後に撮影された御幸橋の写真から、生存者の証言をもとに当時の状況を考察・再現する優れた番組でした。その中で、救護トラックが御幸橋にやってきて、罹災した少女が駆け寄ると、「軍の役に立たぬ者は乗せられん」とリジェクトされた、その少女は燃え盛る町の中心部へ歩いていくしかなかった、という証言が語られました。原爆が落とされた非常時でも、市民を見捨てて軍優先という華麗な伝統芸を見ることができたんですね。この、何かにつけての軍優先が許されていたのは、その上に位置する天皇を軍が守らなければならないためで、何なんですかね。( ゜д゜)、ペッ

もうひとつ、同番組では爆心地近くで亡くなった方の多くを10代が占めていたことを伝えています。これは即ち、戦争に狩り出された大人たちに代わって黒島結菜(が演じたような)少年少女たちが使役させられたことによって生じた悲劇であります。

こうしたことに対する思いを黒島結菜に叫ばせるのではなく、感情を押し殺させることで「怒り」を表現したのかもしれません。阿部寛が最後に黒島結菜を引き留めて、大人の都合を延々と喋り続けたのに対し、そんなことはどうでもいいとばかり「そろそろ帰らないといけないので」と立ち上がるシーンがまさにそれ。ここは抱き合って泣いたりするシーンではありません。

大人がいくら贖罪の言葉を並べたところで、子どもたちが失った一番輝かしい時代は戻ってこないわけで、そんなことを繰り返さんようにせにゃいけんわけです。


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2 コメント

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Unknown (三崎東岡)
2015-09-02 20:44:20
一番電車が走ったにでていた黒島結菜さんと秋月成美さんと中村蒼さんは、TBSで放送する予定の「火曜ドラマスクラップティーチャー教師再生(2008年に日テレで放送された作品のリメイク版)」にもでるそうですが、同じく一番電車が走ったにでていた清水くるみさんは同じくTBSで放送する予定の「火曜ドラマ着信アリ(2005年にテレビ朝日で放送された作品のリメイク版)」にもでるそうです。
そうなんですね (・)
2015-09-03 14:06:03
タイミングが合えば見てみたいと思います。

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