さめのくち

日常の記録。

天皇制と収容所群島

2017年03月15日 | 2017読書
シベリア抑留』(富田武/中公新書)
満足度: ★★★★

あわせて読みたい『シベリア出兵』。シベリア出兵から間もなく100年だし、日ソ共同宣言が昨年調印されたこともあるので、日ソの歴史は押さえておきたいところですが、新書で手軽に読めるのはたいへんありがたいことです。しかも、どちらも良書。

本作は主観的にシベリア抑留者の悲劇を描くのではなく、主に政治犯を収容した矯正労働収容所、ドイツ兵(及びソ連兵)捕虜の扱い、そして労働賠償として10年間も抑留された日本人について、客観的に書かれています。非常に印象的だったのが、「シベリアの捕虜たちは抑留中にソヴィエト民主主義を学んだ」ということ。そこで「捕虜たちが自分たちを長期にわたって抑留し、過酷な労働を強いた最高責任者に感謝するという転倒は、天皇制軍隊とスターリン捕虜収容所が実は、兵士の精神構造においては瓜二つの存在だったことを思わせる。それだけ天皇制軍隊と戦前の国家が兵士=大衆を、画一的に思考し、命令一つで行動するように教育したということで、ナチズム研究の学術用語を使えば『強制的に同質化』していたのである」。

本書で初めて知りましたが、村山名簿の偉業も語り継がないといけない……と言うよりは、厚労省仕事しろ。シベリア抑留を「個人の悲劇的な体験」だけで終わらせてはいけないのです。




Welcome to La La Land
ラ・ラ・ランドって肯定的な意味で楽しい街、というイメージだったのですが、"La-la land can be any place that is fun, far from serious, and out of touch with reality." 頭お花畑のぼんくらが集まる街、というほうがぴったりなんですね。という前提で映画『ラ・ラ・ランド』を観ると、また印象が違ってくるかも。

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